2018年1月13日土曜日

フルーツルーパリー(fruitloopery)とは、意味もわからず偉ぶって科学用語を持ち出して、間違った使い方をしているのを指す。広告、自己啓発本、アマチュア哲学、似非科学に現われる。(ロバート・P・クリース(1953-))

フルーツルーパリー

【フルーツルーパリー(fruitloopery)とは、意味もわからず偉ぶって科学用語を持ち出して、間違った使い方をしているのを指す。広告、自己啓発本、アマチュア哲学、似非科学に現われる。(ロバート・P・クリース(1953-))】
 フルーツルーパリー(fruitloopery)とは、意味もわからず偉ぶって科学用語を持ち出して、間違った使い方をしているのを指す。広告、自己啓発本、アマチュア哲学、似非科学に現われ、「量子(クォンタ)」、「タキオン」、「振動(波動)エネルギー」、「再構成水」などの言葉が、しばしば使われる。
 「イギリスの科学雑誌、《ニュー・サイエンティスト》は、意味もわからず偉ぶって科学用語を持ち出して、間違った使い方をしているのを指して「フルーツルーパリー(fruitloopery)」と呼ぶ。そもそもこの言葉は、妙な比喩として使われ始めた。「フルーツループ」とは、一九六六年にケロッグ社が販売を始めた朝食用シリアルで、フルーツのような香りがする色とりどりの小さなリング状のシリアルだ。」(中略)「「フルーツルーパリー」は、広告のなかで科学が、検証不可能なかたちで使われたり、前後関係から完全に外れた使われたりする様子を指して、《ニュー・サイエンティスト》が独自に使う用語となった。フルーツルーパリーの可能性を見わける指標としては、「量子(クォンタ)」、「タキオン」、「振動(波動)エネルギー」、あるいは、「再構成水」などの言葉があり、これらが組み合わされている場合は特にあやしい。私たちの講義では、意味をさらに拡張し、広告のみならず、自己啓発本、アマチュア哲学、似非科学に現われる、偉ぶっているくせに間違っている科学用語を指すのに、この「フルーツルーパリー」という用語を使う。
 物理学は、文化のなかで高い地位を占めているため、ほかの分野よりも「フルーツルーパリー」を刺激することが多い。あなたがペテン師で、何かを売り込もうとしているとき、それを物理学に結びつければ、それは深遠で信頼性が高いと思わせることができる。」
(ロバート・P・クリース(1953-)&アルフレッド・シャーフ・ゴールドハーバー『量子モーメント』(日本語書籍名『世界でもっとも美しい量子物理の物語』)第8章 ずたずたになったリアリティ、pp.261-262、日経BP(2017)、吉田三知世(訳))
(索引:フルーツルーパリー)


世界でもっとも美しい量子物理の物語――量子のモーメント



(出典:wikimedia
ロバート・P・クリース(1953)
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