2018年4月8日日曜日

〈欲情の愛〉〈好意の愛〉による〈美〉〈広義の美〉〈善〉の感受。(ルネ・デカルト(1596-1650))

欲情の愛、好意の愛

【〈欲情の愛〉〈好意の愛〉による〈美〉〈広義の美〉〈善〉の感受。(ルネ・デカルト(1596-1650))】
 ある対象に「欲望」を感じるとき、それは、私たちの本性に適するであろう対象である。それが本性に適するものであるとき、その対象は〈美〉〈広義の美〉〈善〉であり、この情動は〈愛〉の一つの種類である。
 ある対象に「好意」を感じ、その対象のために〈善〉を意志することを促されるとき、それは、私たちの本性に適するであろう対象である。それが本性に適するものであるとき、その対象は〈善〉であり、この情動は〈愛〉の一つの種類である。
 「さてふつう、二種類の愛が区別されている。その一方は「好意の愛」とよばれ、自分の愛するもののために善を意志することを促す愛である。他方は、「欲情の愛」とよばれ、自分の愛するものを欲望させる愛である。しかし、この区別はたんに愛の効果に関わるもので、愛の本質に関わるものではない、とわたしには思われる。」
(ルネ・デカルト(1596-1650)『情念論』第二部 八一、p.70、[谷川多佳子・2008])
(索引:愛、好意の愛、欲情の愛)

情念論 (岩波文庫)



哲学の再構築 ルネ・デカルト(1596-1650)まとめ&更新情報 (1)存在論
(目次)
 1.なぜ、哲学をここから始める必要があるのか
 2.私は存在する
 3.私でないものが、存在する
 4.精神と身体
 5.私(精神)のなかに見出されるもの

ルネ・デカルト(1596-1650)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)
(出典:wikipedia
 「その第一の部門は形而上学で、認識の諸原理を含み、これには神の主なる属性、我々の心の非物質性、および我々のうちにある一切の明白にして単純な概念の解明が属します。第二の部門は自然学で、そこでは物質的事物の真の諸原理を見出したのち、全般的には全宇宙がいかに構成されているかを、次いで個々にわたっては、この地球および最もふつうにその廻りに見出されるあらゆる物体、空気・水・火・磁体その他の鉱物の本性が、いかなるものであるかを調べます。これに続いて同じく個々について、植物・動物の本性、とくに人間の本性を調べることも必要で、これによって人間にとって有用な他の学問を、後になって見出すことが可能になります。かようにして、哲学全体は一つの樹木のごときもので、その根は形而上学、幹は自然学、そしてこの幹から出ている枝は、他のあらゆる諸学なのですが、後者は結局三つの主要な学に帰着します。即ち医学、機械学および道徳、ただし私が言うのは、他の諸学の完全な認識を前提とする窮極の知恵であるところの、最高かつ最完全な道徳のことです。ところで我々が果実を収穫するのは、木の根からでも幹からでもなく、枝の先からであるように、哲学の主なる効用も、我々が最後に至って始めて学び得るような部分の効用に依存します。」
(ルネ・デカルト(1596-1650)『哲学原理』仏訳者への著者の書簡、pp.23-24、[桂寿一・1964])

ルネ・デカルト(1596-1650)
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