2018年6月9日土曜日

13.パーソナル・コンストラクト心理学:心理学者でなくとも誰もが、私的なパーソナリティ理論を持っている。行動の参照例から、それを理解する必要がある。(ジョージ・ケリー(1905-1967))

パーソナル・コンストラクト心理学

【パーソナル・コンストラクト心理学:心理学者でなくとも誰もが、私的なパーソナリティ理論を持っている。行動の参照例から、それを理解する必要がある。(ジョージ・ケリー(1905-1967))】
(1) 心理学者の対象である被験者は、心理学者とまったく異なっているわけではない。たとえば、自分自身を明晰に理解し統制するための、その人自身の理論を持っているのであって、盲目の犠牲者ではない。
(2) したがって、被験者を本当に理解するには、彼を「科学者」として扱わなければならない。すなわち、その人が持っている私的なパーソナリティ理論(コンストラクト)を理解する必要がある。
(3) コンストラクトを知るには、どうすればよいか。コンストラクトは、行動を通じてのみ知られる。したがって、そのコンストラクトが私的なものであろうと、理論的なものであろうと、その人が考える行動の「参照例」を見つけなければならない。

(出典:wikipedia
検索(George Kelly)
検索(ジョージ・ケリー)

 「ケリー(ジョージ・ケリー)によれば、たいていの心理学者は認知的な明晰さを求め、自身の人生を含めた現象を理解することに自分自身が動機づけられているとみているはずである。

しかし、彼らの理論の「研究対象」は、自分たち理論家とは違って、理解することも統制することもできない心理的な力や特性の犠牲者になっているとみている。

理論家と研究対象の間にあるこの溝をなくそうとケリーは考え、すべての人を科学者として扱おうとする。

 科学者と同様に、研究対象は人生における事象を予期し統制しようとし、コンストラクトや仮説を生成する。

ゆえに、研究対象を理解するには、その人のコンストラクト、つまり私的なパーソナリティ理論を理解しなければならない。

ある人のコンストラクトを研究するためには、その人の行動例つまり「参照例」を見つけなければならない。その人が、行動例を提示してくれなければ、「私は自尊心が高すぎる」とか「親しみやすい人間ではない」とか「恋に落ちたかもしれない」と言うとき、それが何を意味しているのかを理解することはできない。

ある患者が自分を「一人の女性として」解釈するときのように、コンストラクトが私的であろうと、心理学者が「内向性」あるいは「自我防衛」について話すときのように理論的であろうと、参照行動例が必要になってくる。コンストラクトは、行動を通してのみ知られるのである。」
(ウォルター・ミシェル(1930-),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅴ部 現象学的・人間性レベル、第12章 現象学的・人間性レベルの諸概念、pp.394-395、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳))
(索引:パーソナル・コンストラクト心理学)

パーソナリティ心理学―全体としての人間の理解



(出典:COLUMBIA UNIVERSITY IN THE CITY OF NEW YORK
ウォルター・ミシェル(1930-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers) 「個人が所有する自由や成長へのわくわくするような可能性には限りがない。人は可能自己について建設的に再考し、再評価し、効力感をかなりの程度高めることができる。しかし、DNAはそのときの手段・道具に影響を与える。生物学に加えて、役割における文化や社会的な力も、人が統制できる事象および自らの可能性に関する認識の両方に影響を与え、制限を加える。これらの境界の内側で、人は、将来を具体化しながら、自らの人生についての実質的な統制を得る可能性をもっているし、その限界にまだ到達していない。
 数百年前のフランスの哲学者デカルトは、よく知られた名言「我思う、ゆえに我あり」を残し、現代心理学への道を開いた。パーソナリティについて知られるようになったことを用いて、私たちは彼の主張を次のよう に修正することができるだろう。「私は考える。それゆえ私を変えられる」と。なぜなら、考え方を変えることによって、何を感じるか何をなすか、そしてどんな人間になるかを変えることができるからである。」
(ウォルター・ミシェル(1930-),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅶ部 各分析レベルの統合――全人としての人間、第18章 社会的文脈および文化とパーソナリティ、p.606、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳))

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