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2018年5月27日日曜日

説得方法:(a)否定的な発言はしない、(b)相手の恥はもみ消す、(c)直接評価は控える、(d)全てを相手の手柄にする、(e)私的な欲望を暴かない、(f)進言は立派な大義名分を立て、利害は軽く添える。(韓非(B.C.280頃-B.C.233))

説得方法

【説得方法:(a)否定的な発言はしない、(b)相手の恥はもみ消す、(c)直接評価は控える、(d)全てを相手の手柄にする、(e)私的な欲望を暴かない、(f)進言は立派な大義名分を立て、利害は軽く添える。(韓非(B.C.280頃-B.C.233))】
 君主の意向に逆らうところがなく、説く者の言葉づかいも相手の心に抵抗するところがなくなって始めて、知恵と弁舌を思いのままにふるうことができる。これこそ、君主と親しい関係になって、もはや疑われることがなく、言いたいことを存分に言えるための方法である。
(a)相手が自らを肯定的に評価しているとき、否定的な発言はしてはならない。
 ・相手が自分の力を自慢にしているとき、その困難なところを取りあげて水を差さない。
 ・自分の決断を自分で勇敢だと思っているとき、その過失を言いたてて怒らせたりしない。
 ・自分の計画を自分で賢明だと思っているとき、その欠点をあげて窮地に追いこんだりしない。
(b)相手が恥ずかしいと思っていることは、もみ消してやる。
 ・相手が心のなかで卑下しながら、それをやめられないという場合、そのまま美点を飾りたて、それをやめたところで別に大したことでもないとする。
 ・相手が心のなかであこがれながら、実際にはそれを行えないでいる場合、その欠点をあげてだめなことを明らかにし、それを行わないのを誉めあげる。
(c)君主の行為に対して、直接発言することは控えること。
 ・君主の行動を誉めたいときは、君主と同じ行動をした別人を誉める。
 ・君主の事業を正したいときは、君主と同じ計画の別の事業を正す。
 ・君主と同じ欠点を持つ者に関して、それが別に害にならないとして、大いに飾りたてる。
 ・君主と同じ失敗をした者に関して、それが別に落ち度にはならないとして、はっきり飾りたてる。
(d)仮に、自分の意見を採用させる場合にも、それを君主に気づかれてはならない。
 ・相手が事を起こして自分の知恵を自慢したいと思っている場合、別の類似した事を取り上げて十分な下地を作ってやり、自分の説を採らせながら、知らぬふりをして相手の知識を助けてやる。
(e)仮に、君主に私的な強い欲望があるような場合にも、それを暴いてはならない。
 ・公けの正義にかなっているとしてその実行を勧める。
(f)君主に、自分の意見を進言するには、立派な大義名分を掲げ、君主の個人的な利害を暗示する。
 ・外国との共存の意見を進めたいと思うとき、立派な大義名分をかかげて説明したうえで、それが君主自身の個人的な利益にもかなっていることを、それとなく示す。
 ・国家に危害が及ぶ事件を陳述したいと思うとき、それが当然の非難を受けることを明らかにしたうえで、また君主自身の個人的な害にもなることを、それとなく示す。
 「およそ君主に説くうえで心がけるべきことは、説得しようとする相手が誇りとしていることを飾りたて、恥ずかしいと思っていることをもみ消してやるのを、わきまえることである。相手に私的な強い欲望があれば、必ず公けの正義にかなっているとしてその実行を勧めるのがよい。相手が心のなかで卑下しながら、それをやめられないという場合には、説く者はそのまま美点を飾りたて、それをやめたところで別に大したことでもないとすることだ。相手が心のなかであこがれながら、実際にはそれを行えないでいる場合には、説く者はそのためにその欠点をあげてだめなことを明らかにし、それを行わないのを誉めあげることだ。相手が〔事を起こして〕自分の知恵を自慢したいと思っている場合には、そのために別の類似した事をとりあげてじゅうぶんな下地を作ってやり、こちらの説を採らせながら、知らぬふりをして相手の知識を助けてやることだ。
 説く者が外国との共存の意見を進めたいと思うときは、必ず立派な大義名分をかかげて説明したうえで、それが君主自身の個人的な利益にもかなっていることを、それとなく示すのがよい。また国家に危害が及ぶ事件を陳述したいと思うときは、それが当然の非難を受けることを明らかにしたうえで、また君主自身の個人的な害にもなることを、それとなく示すのがよい。〔君主の行動を誉めたいときは、〕君主と同じ行動をした別人を誉めることだ。〔君主の事業を正したいときは、〕君主と同じ計画の別の事業を正すことだ。君主と同じ欠点を持つものがいたなら、必ずそれが別に害にならないということを大いに飾りたててやることだ。君主と同じ失敗をしたものがいたなら、必ずそれが別に落ち度にはならないということをはっきり飾りたててやることだ。説得しようとする相手が自分の力を自慢にしているときは、その困難なところを取りあげて水をさしたりしてはならない。自分の決断を自分で勇敢だと思っているときは、その過失を言いたてて怒らせたりしてはならない。自分の計画を自分で賢明だと思っているときは、その欠点をあげて窮地に追いこんだりしてはならない。説くことの大意は相手の君主の意向に逆らうところがなく、説く者の言葉づかいも相手の心に抵抗するところがなくなって、そうして始めて知恵と弁舌を思いのままにふるうのだ。これこそ、君主と親しい関係になってもはや疑われることがなく、言いたいことを存分に言えるための方法である。」
(韓非(B.C.280頃-B.C.233)『韓非子』説難 第十二、(第1冊)pp.236-238、岩波文庫(1994)、金谷治(訳))
(索引:説得方法)
(原文:12.説難韓非子法家先秦兩漢中國哲學書電子化計劃

韓非子 (第1冊) (岩波文庫)



(出典:twwiki
韓非(B.C.280頃-B.C.233)の命題集(Collection of propositions of great philosophers) 「国を安泰にする方策として七つのことがあり、国を危険にするやり方として六つのことがある。
安泰にする方策。第一は、賞罰は必ず事の是非に従って行うこと、第二は、禍福は必ず事の善悪に従ってくだすこと、第三は、殺すも生かすも法のきまりどおりに行うこと、第四は、優秀か否かの判別はするが、愛憎による差別はしないこと、第五は、愚か者と知恵者との判別はするが、謗ったり誉めたりはしないこと、第六は、客観的な規準で事を考え、かってな推量はしないこと、第七は、信義が行われて、だましあいのないこと、以上である。
 危険にするやり方。第一は、規則があるのにそのなかでかってな裁量をすること、第二は、法規をはみ出してその外でかってな裁断をくだすこと、第三は、人が受けた損害を自分の利益とすること、第四は、人が受けた禍いを自分の楽しみとすること、第五は、人が安楽にしているのを怯かして危うくすること、第六は、愛すべき者に親しまず、憎むべき者を遠ざけないこと、以上である。こんなことをしていると、人々には人生の楽しさがわからなくなり、死ぬことがなぜいやなのかもわからなくなってしまう。人々が人生を楽しいと思わなくなれば、君主は尊重されないし、死ぬことをいやがらなくなれば、お上の命令は行われない。」
(韓非(B.C.280頃-B.C.233)『韓非子』安危 第二十五、(第2冊)pp.184-185、岩波文庫(1994)、金谷治(訳))
(原文:25.安危韓非子法家先秦兩漢中國哲學書電子化計劃

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2018年5月26日土曜日

およそ説くことの難しさは、説得しようとする相手の心を読みとって、こちらの説をそれに合わせることができるかというところにある。さて、内心では大きな利益を求めつつ表向きは高い名誉を求める相手には、どのように説得すれば良いか。(韓非(B.C.280頃-B.C.233))

説得の難しさ

【およそ説くことの難しさは、説得しようとする相手の心を読みとって、こちらの説をそれに合わせることができるかというところにある。さて、内心では大きな利益を求めつつ表向きは高い名誉を求める相手には、どのように説得すれば良いか。(韓非(B.C.280頃-B.C.233))】
 およそ説くことの難しさは、説得しようとする相手の心を読みとって、こちらの説をそれに合わせることができるかというところにある。
(1) 説得しようとする相手が高い名誉を求める心でいたとしよう。
 その相手に大きな利益を得る話をしたなら、相手はこちらのことを下品なやつで自分を俗物扱いにしていると考え、きっと見すてて遠ざけることであろう。
(2) 説得しようとする相手が大きな利益を求める心でいたとしよう。
 その相手に高い名誉を得る話をしたなら、相手はこちらのことを考えが足りなくて現実に疎いと見なし、きっと採用しないであろう。
(3) 説得しようとする相手が、内心では大きな利益を求めながら、表向きは高い名誉を求めるふりをしているとしよう。
 (3.1) その相手に高い名誉を得る話をしたなら、相手はうわべではこちらを受け容れながら、実際は遠ざけるだろう。
 (3.2) もし相手に大きな利益を得る話をしたなら、相手は陰ではこっそりこちらの話を採用しながら、表向きはこちらの身を見すてるだろう。
 「およそ説くことの難しさは、説得しようとする相手の心を読みとって、こちらの説をそれに合わせることができるかというところにある。説得しようとする相手が高い名誉を求める心でいたとしよう。それなのに、その相手に大きな利益を得る話をしたなら、〔相手はこちらのことを〕下品なやつで自分を俗物扱いにしていると考え、きっと見すてて遠ざけることであろう。〔反対に〕説得しようとする相手が大きな利益を求める心でいたとしよう。それなのに、その相手に高い名誉を得る話をしたなら、〔相手はこちらのことを〕考えが足りなくて現実に疎いと見なし、きっと採用しないであろう。説得しようとする相手が、内心では大きな利益を求めながら、表向きは高い名誉を求めるふりをしているとしよう。それなのに、その相手に高い名誉を得る話をしたなら、〔相手は〕うわべではこちらを受け容れながら、実際は遠ざけるだろう。もし相手に大きな利益を得る話をしたなら、〔相手は〕陰ではこっそりこちらの話を採用しながら、表向きはこちらの身を見すてるだろう。これはよくよく考えなければならないことである。」
(韓非(B.C.280頃-B.C.233)『韓非子』説難 第十二、(第1冊)pp.230-231、岩波文庫(1994)、金谷治(訳))
(索引:説得の難しさ)
(原文:12.説難韓非子法家先秦兩漢中國哲學書電子化計劃

韓非子 (第1冊) (岩波文庫)



(出典:twwiki
韓非(B.C.280頃-B.C.233)の命題集(Collection of propositions of great philosophers) 「国を安泰にする方策として七つのことがあり、国を危険にするやり方として六つのことがある。
安泰にする方策。第一は、賞罰は必ず事の是非に従って行うこと、第二は、禍福は必ず事の善悪に従ってくだすこと、第三は、殺すも生かすも法のきまりどおりに行うこと、第四は、優秀か否かの判別はするが、愛憎による差別はしないこと、第五は、愚か者と知恵者との判別はするが、謗ったり誉めたりはしないこと、第六は、客観的な規準で事を考え、かってな推量はしないこと、第七は、信義が行われて、だましあいのないこと、以上である。
 危険にするやり方。第一は、規則があるのにそのなかでかってな裁量をすること、第二は、法規をはみ出してその外でかってな裁断をくだすこと、第三は、人が受けた損害を自分の利益とすること、第四は、人が受けた禍いを自分の楽しみとすること、第五は、人が安楽にしているのを怯かして危うくすること、第六は、愛すべき者に親しまず、憎むべき者を遠ざけないこと、以上である。こんなことをしていると、人々には人生の楽しさがわからなくなり、死ぬことがなぜいやなのかもわからなくなってしまう。人々が人生を楽しいと思わなくなれば、君主は尊重されないし、死ぬことをいやがらなくなれば、お上の命令は行われない。」
(韓非(B.C.280頃-B.C.233)『韓非子』安危 第二十五、(第2冊)pp.184-185、岩波文庫(1994)、金谷治(訳))
(原文:25.安危韓非子法家先秦兩漢中國哲學書電子化計劃

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2018年4月20日金曜日

あなたの意見が合理的で正しく、またあなたが、いかに誠実善良な人であったとしても、相手を説得するのは難しいということを覚えておくこと。相手が、よほどの聖人・賢者でもなければ、あなたの意見は悪口や非難だと見なされてしまうだろう。(韓非(B.C.280頃-B.C.233))

説得の困難さ

【あなたの意見が合理的で正しく、またあなたが、いかに誠実善良な人であったとしても、相手を説得するのは難しいということを覚えておくこと。相手が、よほどの聖人・賢者でもなければ、あなたの意見は悪口や非難だと見なされてしまうだろう。(韓非(B.C.280頃-B.C.233))】
 あなたが、いかに仁徳のある賢者で、また誠実善良な人であったとしても、また、あなたの意見が、筋道がたっていて正しいとしても、あなたが説得の相手に信用されており、また相手が賢者でない限りは、相手を説得するのは難しいだろう。説得の相手が力のある者の場合、あなたには禍いや災難がふりかかってくるだろう。過去、多くの聖人・賢者が、道に外れた暗愚な君主によって辱めを受けたり命を落としたりしてきた。
 なぜなのか。すばらしい最高の言葉であっても、愚かな者には、耳に逆らい心にそむくものに聞こえ、その人に対する悪口や非難だと見なされてしまうからだ。このような言葉は、聖人・賢者でなければなかなか聞きいれることができないものなのだ。
 相手の好みに合わせて美辞麗句で説得すれば「うわべの華やかさだけで実がない」、逆に、まじめ一方で慎み深く、手堅くて落ち度のないように説得すると「話し方が拙くて筋が通っていない」。喩えをあげ、例を引き雄弁に説得し過ぎると「内容がなくて無益」、逆に、飾り気なく要点を簡略に述べると「暗愚で弁が立たない」。激しく迫った調子で説得すると「僭越で無遠慮」、大きく話をひろげて説得をすると「おおげさで派手なだけで無益」、逆に、日常生活の細かいことで計算ずくの話をすると「下品」。世俗にあわせて無難な話をしていると「生命大事にとお上にへつらっている」、逆に、変わったことで世間の目を引こうとすると「でたらめだ」。機敏で口達者に、飾りたてて説得すると「ただの文章家」、逆に、生地のまごころで話をすると「下賤」、古い歴史を規準にしたりすると「暗記のくりかえし」。
「私め韓非は、申しあげることをためらってしぶっているわけではありませんが、申しあげるのがはばかられる理由は、こういうことです。ものの言い方を、殿さまの好みに合わせて美しくなめらかにし、のびのびと広がってつづいていくようにすると、殿さまからはうわべの華やかさだけで実がないと思われるでしょう。まじめ一方で慎み深く、手堅くて落ち度のないようにすると、殿さまからは話し方が拙くて筋が通っていないと思われるでしょう。そこで雄弁になってしゃべりたて、喩えをあげて例を引くようにすると、殿さまからは内容がなくて無益だと思われるでしょう。要点をまとめてあらましを説き、まっ直ぐ簡略に述べて飾り気がないと、殿さまからは暗愚で弁が立たないと思われるでしょう。激しく迫った調子で人の腹をさぐるようなことをすると、殿さまからは僭越で無遠慮だと思われるでしょう。広々と大きく話をひろげて、はかり知れないほど高遠にすると、殿さまからはおおげさで派手なだけで無益だと思われるでしょう。そこで、日常生活のこまかいことで計算ずくの話をしたりすると、殿さまからは下品だと思われるでしょう。世俗にあわせてことばで人に逆らわない話をしていると、殿さまからは生命大事にとお上にへつらっていると思われるでしょう。そこで俗な話はやめて、変わったことで世間の目を引こうとすると、殿さまからはでたらめだと思われるでしょう。機敏で口達者に、飾りたてたことばをたくさん使うと、殿さまからはただの文章家と思われるでしょう。そこで、文章学問をきっぱり棄て去って、生地のまごころで話をすると、殿さまからは下賤だと思われるでしょう。『詩経』や『書経』を時どき取りあげ、古い歴史を規準にしたりすると、殿さまからはまる暗記のくりかえしと思われるでしょう。以上が、この私め韓非が殿さまに事を申しあげるのをはばかって、深く心を傷めている理由なのです。」
「そこで、規準にかなって正しいからといって、申しあげたことが必ず受けいれられるとは限りません。筋道がたって完璧だからといって、申しあげたことが必ず用いられるとは限りません。大王がもし前に述べたようなことで信用してくださらないとなると、軽くても悪口か非難だと見なされ、重い場合は禍いや災難がふりかかって、死罪で命を失うことにもなりましょう。」(中略)
「以上の十数人の人々は、みな世間の認める仁徳の賢者で誠実善良な人であり、道術を身につけた士人ばかりです。ところが、不幸なことには道に外れた暗愚な君主に出あって命を落としました。してみると、たとえ聖人・賢者であっても、殺されたり辱めを受けたりすることを避けられないというのは、どうしてでしょうか。つまりは、愚かな者には説得するのが難しいからです。そこで、君子は申しあげるのをためらうのです。それに、すばらしい最高の言葉というものは、耳に逆らい心にそむくものですから、聖人・賢者でなければなかなか聞きいれることができません。大王さま、どうかここのところをよくよくお考えください。」
(韓非(B.C.280頃-B.C.233)『韓非子』難言 第三、(第1冊)pp.64-65,67,71、岩波文庫(1994)、金谷治(訳))
(索引:説得の困難さ)
(原文:3.難言韓非子法家先秦兩漢中國哲學書電子化計劃

韓非子 (第1冊) (岩波文庫)



韓非(B.C.280頃-B.C.233)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)
(出典:twwiki
「国を安泰にする方策として七つのことがあり、国を危険にするやり方として六つのことがある。
安泰にする方策。第一は、賞罰は必ず事の是非に従って行うこと、第二は、禍福は必ず事の善悪に従ってくだすこと、第三は、殺すも生かすも法のきまりどおりに行うこと、第四は、優秀か否かの判別はするが、愛憎による差別はしないこと、第五は、愚か者と知恵者との判別はするが、謗ったり誉めたりはしないこと、第六は、客観的な規準で事を考え、かってな推量はしないこと、第七は、信義が行われて、だましあいのないこと、以上である。
 危険にするやり方。第一は、規則があるのにそのなかでかってな裁量をすること、第二は、法規をはみ出してその外でかってな裁断をくだすこと、第三は、人が受けた損害を自分の利益とすること、第四は、人が受けた禍いを自分の楽しみとすること、第五は、人が安楽にしているのを怯かして危うくすること、第六は、愛すべき者に親しまず、憎むべき者を遠ざけないこと、以上である。こんなことをしていると、人々には人生の楽しさがわからなくなり、死ぬことがなぜいやなのかもわからなくなってしまう。人々が人生を楽しいと思わなくなれば、君主は尊重されないし、死ぬことをいやがらなくなれば、お上の命令は行われない。」
(韓非(B.C.280頃-B.C.233)『韓非子』安危 第二十五、(第2冊)pp.184-185、岩波文庫(1994)、金谷治(訳))
(原文:25.安危韓非子法家先秦兩漢中國哲學書電子化計劃

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