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2020年6月10日水曜日

問題解決の4大阻害要因は(a)問題はない(b)自分には関係ない(c)悪いのは彼らだ(d)どうせ駄目だと思うこと. 諸個人の幸福の公共善との不可分性を理解し,連帯への分断の罠に陥ることなく,可能性を信じて立ち向かうこと.(ロバート・ライシュ(1946-))

問題解決を困難にする4つの原因

【問題解決の4大阻害要因は(a)問題はない(b)自分には関係ない(c)悪いのは彼らだ(d)どうせ駄目だと思うこと. 諸個人の幸福の公共善との不可分性を理解し,連帯への分断の罠に陥ることなく,可能性を信じて立ち向かうこと.(ロバート・ライシュ(1946-))】

世間のほとんどの人たちの頭の中に巣食っている4つの「労働回避メカニズム」
(1)否認
 問題の存在を認めないこと。
(2)逃避願望
 (a)問題を認識しても、責任逃れをしようとする。
 (b)誰であれ、自分以外の多くの人がより貧しく、より経済的に不安定な状態にさらされているのに、自分や家族だけが満ち足りた裕福な人生を送ることなどできはしない。
(3)スケープゴート
 (a)問題を引き起こした人を「スケープゴート(身代り)」にする。
 (b)誰かを「スケープゴート」に仕立てあげても、人々が互いに分断されるだけで、逆進化の流れをひっくり返すことは益々困難になる。
(4)冷笑(シニシズム)
 (a)問題改善の可能性を信じようとしない。
 (b)私たちは以前にもそれをやり遂げたのだし、これからもできるはずだ。

 「リーダーは他の人々を積極的に動かして、なすべきことを完遂させなければならないが、そのためには、世間のほとんどの人たちの頭の中に巣食っている四つの「労働回避メカニズム」を克服できるよう、手を貸す必要がある。それは、問題の存在を認めない「否認」、問題を認識しても責任逃れをしようとする「エスケープ(逃避)」の願望、問題を引き起こした人を「スケープゴート(身代り)」にする傾向、そして、最悪なのが、問題改善の可能性を信じようとしない「シニシズム(冷笑)」である。たとえば、人々を動かして活気づけ、この国の逆進的な流れの方向を変えさせるための組織づくりを行って、経済と民主主義を私たちの手に取り戻すには、たとえ人々が現実を「否認」したとしても、リーダーは多くの人々を説得してこの国に金権国家化する危機が迫っているという事実を認めさせなければならない。この現実から「エスケープ」することはできないことを、人々に示さなければならないのだ。誰であれ、自分以外の多くの人がより貧しく、より経済的に不安定な状態にさらされているのに、自分や家族だけが満ち足りた裕福な人生を送ることなどできはしない。もし人々が移民や貧者や、政府職員や労働組合員、あるいは富裕層もそうだが、誰かを非難していたら、それをやめさせよう。なぜなら、誰かを「スケープゴート」に仕立てあげても、人々が互いに分断されるだけで、逆進化の流れをひっくり返すことは困難になるばかりだからだ。さらに、リーダーは「シニシズム」とも戦わなければならない。流れは変えられるということを、みんなに理解してもらおう。私たちは以前にもそれをやり遂げたのだし、これからもできるはずだ。」
(ロバート・ライシュ(1946-)『怒りを越えて』(日本語名:『格差と民主主義』)PART3 怒りを乗り越えて――私たちがしなければならないこと、行動を起こすには、pp.168-169、東洋経済新報社 (2014)、雨宮寛・今井章子(訳))
(索引:否認,逃避願望,スケープゴート,冷笑,シニシズム,課題解決)

ロバート・ライシュ 格差と民主主義

(出典:wikipedia
ロバート・ライシュ(1946)の命題集(Propositions of great philosophers) 「国家や政府は人間が作ったものであり、法律も企業もそして野球だって人間が作ったものだ。同じように市場も人間の産物である。他のシステムと同じく市場の構築の仕方にもさまざまな方法があるが、それがどう作られようと、人々のやる気や市場のルールによって生まれてくる。理想的には、ルールによって人々が働いたり協力しあう気になり、生産的で創造的でありたいと動機づけされるのが望ましい。つまり、ルールが人々が望む暮らしの実現を手助けするのである。ルールはまた、人々の倫理観や、何が良くて立派で、何が公平かについての判断基準をも映し出す。そしてルールは不変ではなく、時間の経過とともに変わっていく。願わくば、ルールにかかわる人のほとんどが、より良くより公平だと思う方向へ――。だが、常にそうなるとは限らない。ある特定の人々が自分たちを利するようにルールを変える力を得たことによっても、ルールは変わりうるからだ。これがこの数十年の間に、米国や他の多くの国々で起こったことである。
 私的所有独占への制限契約不履行に対処するための破産などの手段ルールの執行といった事柄は、いかなる市場にも必須の構成要素だ。資本主義と自由企業体制にはこれらが必要なのだ。だがこの要素の一つひとつを、多くの人ではなく、ひと握りの人々を利するように捻じ曲げることも可能である。」(中略)「経済的支配力が、政治的権力を増大させ、政治的権力がさらに経済的支配力を拡大させる。大企業と富裕層が市場を構築する政治の仕組みに影響を与え、彼らがその政治的決定によって最も恩恵を受けるという状況は加速するばかりだ。こうして彼らの富は増強され、その富によってますます、将来発生する決断事項への影響力を得ていくのである。」(中略)「拡大する不平等は「自由市場」の構成要素そのものにしっかりと焼き込まれている。グローバル化と技術革新がなくても減税や補助金がなくても、国民総所得のうち、企業と、企業収益に自分の所得が連動する重役たちや投資家に振り分けられる割合は、労働者層に向う割合よりも、相対的に増加している。こうして悪循環が勝手に成立していくのである。」
(ロバート・ライシュ(1946-)『資本主義を救う』(日本語名『最後の資本主義』)第1部 自由市場、第9章 まとめ――市場メカニズム全般、pp.108-111、東洋経済新報社 (2016)、雨宮寛・今井章子(訳))

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