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2018年5月31日木曜日

完備な項、完備でない項とは? 完備でない項の相似とは?(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))

完備な項

【完備な項、完備でない項とは? 完備でない項の相似とは?(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】
これ以上分解できない第一の可能なもの
(第一原因、事物の究極理由)
  ↓
可能性の既に知られている他の諸概念
  ↓
「ア・プリオリな真なる観念」の実在的定義、因果的定義

事物が現実に存在することを経験によって知る
「ア・ポステリオリな真なる観念」の実在的定義
定義には、それが可能であることが証明されていることが必要であるが、可能であることの証明(検証)は、経験以外では認識されない。つまり、それが現実に存在すること、あるいは現実に存在したこと。

完備な項:これ以上の分解ができない項。
完備な項の相似:このような場合は、恐らく起らない。何故ならば、二つの完備なものは決して相似ではないからである。
完備な項が可能であることの証明:経験以外では認識されない。つまり、それが現実に存在すること、あるいは現実に存在したこと。

完備でない項:分析により、さらに分解ができる項。
完備でない項の相似:異なる対象A、Bにおいて、それを定義する項が、定義において等しいとき、AとBは、この定義において「相似」であるという。このとき、AとBは「共通な名称」を持つ。
完備でない項が可能であることの証明:完備でないものが可能といわれるためには、二つの相似な事物の一つが現実に存在し、あるいは現実に存在したものであれば、十分である。

 「しかしさらに議論を進めるならば、定義には、それが可能であることが要求される。即ち、Aが可能であることが証明されていることつまりEFGが矛盾を含まない、即ち X non X を含まないことが証明されていることが必要である。このことは経験以外では認識されない、つまりAが現実に存在するあるいは現実に存在した、従って可能であることが確定している場合のみ認識される。(少なくともAに相似なものが現実に存在したこと。しかし事実はこのような場合は恐らく起らない、何故ならば二つの完備(completum)なものは決して相似ではないからである。完備でない項については、完備でないもの即ち共通な名称が可能といわれるためには二つの相似な事物の一つが存在すれば十分である。(しかしこれはなかなか有用であると思われる。即ち一つの球が存在すれば、任意の球が可能であると正当にいうことができるのである。)){それに相似なものが可能ならば、それ自身も可能である。}」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『概念と真理の解析についての一般的研究』六一、ライプニッツ著作集1、p.172、[澤口昭聿・1988])
(索引:完備な項、完備でない項、完備でない項の相似)

論理学 (ライプニッツ著作集)


(出典:wikipedia
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「すべての実体は一つの全たき世界のようなもの、神をうつす鏡もしくは全宇宙をうつす鏡のようなものである。実体はそれぞれ自分の流儀に従って宇宙を表出するが、それはちょうど、同一の都市がそれを眺める人の位置が違っているのに応じて、さまざまに表現されるようなものである。そこでいわば、宇宙は存在している実体の数だけ倍増化され、神の栄光も同様に、神のわざについてお互いに異なっている表現の数だけ倍増化されることになる。また、どの実体も神の無限な知恵と全能という特性をいくぶんか具えており、できる限り神を模倣している、とさえ言える。というのは、実体はたとえ混雑していても、過去、現在、未来における宇宙の出来事のすべてを表出しており、このことは無限の表象ないしは無限の認識にいささか似ているからである。ところで、他のすべての実体もそれなりにこの実体を表出し、これに適応しているので、この実体は創造者の全能を模倣して、他のすべての実体に自分の力を及ぼしていると言うことができる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『形而上学叙説』九、ライプニッツ著作集8、pp.155-156、[西谷裕作・1990])

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