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2026年9月4日金曜日

007必ずわかる難問題3

   ★007_必ずわかる難問題3

(6)を説明

★(6.1)量子進化



★(1)前回、宇宙の構造と、法則の概要を話しました。現代の物理学は、かなりの精度で真理を掴んでいて、高度な技術の基礎知識にもなっています。

★(2)この宇宙の法則から、生命が生まれて進化することが理解できるだろうか。


★(3)意識が生まれ、その意識が宇宙の法則を理解することを、説明できるだろうか。


★(4)宇宙の出来事の生成は、確率の法則に従っているが、個々の出来事の生成は、偶然に支配されている。


★(5)ところが生命は、良くなろうとする傾向がある。物理学の法則とは矛盾しないのか?


★(6)(仮説)はじめの一歩は、小さな一歩で、偶然だったのだろう。ある分子の配列が、「自己保存」に適したものを探り当てたとき、変化はランダムではなく、方向性を持つことになった。もしかしたら、最初の探り当ても、無数の分子配列の量子的な重ね合わせの中から、まさに「自己保存する」がゆえに出来事として発生するのではないのか? 量子コンピュータのような速さで、無数の組み合わせが一瞬のうちに試行され、自己保存する配列が生き残る。この仮説が正しいなら、生命の発生は、必然だったことになる。


★(6.1)量子進化

「グリーンランドの片麻岩の地層が形成されつつあった三五億年前、古代のイスアの海底に あった泥火山から突き出した蛇紋石の小さな穴のなかに、微量の原始のスープが閉じ込められ ていたとしよう。それはダーウィンのいう「暖かい小さな池」に相当し、「あらゆる種類のア ンモニアやリン酸塩、光、熱、電気などが存在し」、そのなかでは「たんぱく質化合物が......さ らに複雑な変化へつながって」いったかもしれない。ここでさらに、スタンリー・ミラーが発 見したのと同様の化学プロセスによって作られた「たんぱく質分子」(あるいはRNA分子か もしれない)のうちの一個が、何らかの酵素活性は持っていながらいまだ自己複製分子には なっていない、原始酵素(あるいはリボザイム)だったとしよう。さらに、その酵素に含まれ ている粒子のうちのいくつかは、異なる位置へ移動しようとしても、古典的なエネルギー障壁 に阻まれて移動できなかったとしよう。★しかし第3章で説明したとおり、電子も陽子も、古典的な移動を阻むエネルギー障壁を量子トンネル効果ですり抜けることができ、それが酵素活性 に重要な役割を果たしている。電子や陽子は、同時にエネルギー障壁の両側に存在するのだ。 それがこの原始酵素のなかでも起きるとしたら、配置の違い、つまり粒子がエネルギー障壁の どちら側にあるかによって、酵素活性が異なり、加速される化学反応の種類も違ってくる。も しかしたらそのなかには、自己複製反応も含まれているかもしれない。★  計算を簡単にするために、この仮想的な原始酵素のなかで合計六四個の陽子や電子のそれぞ れが、二つの位置のどちら側にもトンネルできるとしよう。すると、この原始酵素が取ること のできる構造は264種類とさらに膨大で、考えられる配置はものすごい数にな る。ここで、その配置のうちの一通りだけが、自己複製する酵素となるのに必要な配置だった としよう。では、生命の出現につながりうるその特定の配置は、どの程度簡単に見つけられる のだろうか?」(中略)★「古典的に考えると、この原始酵素が264通りの配置 のうちのごく一部分を探索するだけでも、とてつもなく長い時間がかかるのだ。しかし、この 原始酵素の鍵を握る六四個の粒子が、二つの一のあいだをトンネルできる電子や陽子だったと すると、状況は一変する。量子系であるその原始酵素は、量子重ね合わせ状態として同時にす べての配列で存在することができる。」(中略)★「しかし一つ問題がある。量子計算をおこな うには、キュビットをコヒーレントなもつれ状態に維持しなければならないのだった。ひとた びデコヒーレンスが起きれば、 264 通りの状態の重ね合わせ状態は収縮してし まい、一通りしか残らない。そんなことで役に立つのだろうか? 一見したところその答えは ノーだ。量子重ね合わせ状態が収縮して、自己複製体というたった一通りの状態が残る確率 は、先ほどと同じくコインの表が六四回連続で出る確率と同じで、264分の1 とごく小さいのだ。★しかしここから先の話は、量子的記述と古典的記述とで食い違ってくる。  もし分子が量子力学的には振る舞わずに、自己複製できない間違った原始の配列にあったと したら(ほとんどの場合そうだ)、それとは別の配列を試すには、分子の結合をばらばらにし て再び組なおすという、地質学的に遅いプロセスを使うしかない。しかし先ほどの原始酵素が 量子的であれば、たとえデコヒーレンスを起こしても、六四個電子や陽子はほぼ瞬時に、取り うる両方の位置の重ね合わせ状態へと再びトンネルし、264通りの配列の量子 重ね合わせ状態を回復する。六四キュビット状態である量子的な原始複製体分子は、量子の世 界のなかで自己複製体探しをいつまでも繰り返すことができるのだ。  デコヒーレンスが起きると重ね合わせ状態は再び速やかに収縮してしまうが、そのときこの 分子は 264 通りの古典的配置のうちの別の状態になる。再度デコヒーレンスに よって重ね合わせ状態が収縮すると、この系はさらに別の配置を取り、このプロセスが際限な く続いていく。★要するにこの比較的保たれた環境のなかでは、量子重ね合わせ状態の生成と消 滅は可逆なプロセスである。重ね合わせとデコヒーレンスによって量子のコインはつねにトス されつづけ、そのプロセスは、化学結合を古典的に作ったり切ったりするのよりもはるかに速 いのだ。 ★ しかし、この量子コイントスを終わらせてしまう現象が一つある。量子的な原始複製分子が やがて自己複製状態へ収縮すると、第7章で説明した飢えた大腸菌のように複製を始め、それ によってこの系は不可逆的に変化して古典的な世界へ入る。量子コイントスはそれで打ち止め となり、最初の自己複製体が古典的な世界に生まれ出るのだ。★もちろん、その複製に関わる、 分子内や分子間や環境とのあいだの生化学的プロセスは、自己複製体の配置が見つかるまでに 起きていたプロセスとは明らかに違うはずだ。つまり、その特別な配置が失われて分子が次の 量子的配置へ変わる前に、その特別な配置で固定させるメカニズムが必要となる。」 (ジョンジョー・マクファデン&ジム・アル-カリーリ(1956)『量子力学で生命の謎を解 く』第9章 生命の起源、pp.322-325、SBクリエイティブ(2015)、水谷淳(訳))

https://sententiarum2.blogspot.com/2021/11/JohnjoeMcFadden19.html


★(7)有機体は、外部環境と内部環境の変化を検出し、その変化が有機体の自己保存と効率的機能にとって良いか悪いかを評価して反応し、外部環境と内部環境を変更する。


★(8)ホメオスタシスの入れ子構造:(1)各機構は、より単純な機構を構成要素としている。(2)そ の際、新しい問題に対応している。(3)全体として「幸福を伴う生存」が目指されている。 (アントニオ・ダマシオ(1944-))


★ホメオスタシスの各階層

(a)感情

(b)狭義の情動

(c)多数の動因と動機、あるいは欲求

(d)快(および報酬)または苦(および罰)と結びついている行動

(e)免疫系

(f)基本的な反射

(g)代謝のプロセス


★(9)代謝のプロセス

 有機体は、内部環境の変化を検出し、その変化が有機体の自己保存と効率的機能にとって良いか悪いかを評価して反応し、代謝のプロセスで内部環境を調整する。


★(10)基本的な反射

 有機体は、外部環境の変化を検出し、その変化が有機体の自己保存と効率的機能にとって良いか悪いかを評価して反応し、基本的な反射で対応する


★(11)免疫系

 有機体は、内部環境の変化を検出し、その変化が有機体の自己保存と効率的機能にとって良いか悪いかを評価して反応し、免疫系で内部環境を調整する。《誘発原因》は、有機体の外部から侵入してくるウイルス、細菌、寄生虫、毒性化学分子など。有機体の内部であっても、例えば死滅しつつある細胞から放出される有害な化学分子。


★(12)快(および報酬)または苦(および罰)と結びついている行動――快楽行動、苦痛行動

 有機体は、外部環境と内部環境の変化を検出し、その変化が有機体の自己保存と効率的機能にとって良いか悪いかを評価して反応し、代謝のプロセスや免疫系で内部環境を調整したり、基本的な反射で反応したりするが、やがて外部環境の特定の対象や状況への接近反応や退避反応をするようになる。


★(12.1)低いレベルの注意

「意識の理論は単に、脳はどのように対象のイメージに目を向けるか、というような理論であっては「ならない」。私が見るところ、生得的な低いレベルの注意は意識に先行して存在し、一方、集中的な注意は意識が生まれてから生じる。意識にとって、注意はイメージをもつのと同じぐらい必要なものである。しかし、注意は意識にとって十分なものではないし、意識と同じものでもない。(アントニオ・ダマシオ(1944-)『起こっていることの感覚』(日本語名『無意識の脳 自己意識の脳』)第1部 脳と意識の謎、第1章「脳の中の映画」とは何か、pp.35-38、講談社(2003)、田中三彦(訳))


★(13)多数の動因と動機、あるいは欲求

有機体は、外部環境と内部環境の変化を検出し、その変化が有機体の自己保存と効率的機能にとって良いか悪いかを評価して反応し、代謝のプロセスや免疫系で内部環境を調整したり、基本的な反射で反応したりするが、やがて外部環境の特定の対象や状況への接近反応や退避反応をするようになる。そして、外部環境と内部環境の変化検出と評価の一部を意識化することで、特定の動因による行動を組織化するようになる。


《定義》欲求:ある特定の動因によって活発化する有機体の行動的状態


《例》空腹感、喉の渇き、好奇心、探究心、気晴らし、性欲など。


★(14)意識化された外部環境、内部環境

・外部感覚(特殊感覚)

・自分の肢体のなかにあるように感じる痛み、熱さ、その他の変様(表在性感覚、深部感覚)

・身体ないしその一部に関係付ける知覚としての、飢え、渇き、その他の自然的欲求(内臓感覚)

参考:精神の受動のひとつ、身体ないしその一部に関係づける知覚として、飢え、渇き、その他の自然的欲求、自分の肢体のなかにあるように感じる痛み、熱さ、その他の変様がある。(ルネ・デカルト(1596-1650))


★(15)情動

 感覚で与えられた対象や事象、あるいは想起された対象や事象を感知したとき、自動的に引き起こされる身体的パターンであり、喜び、悲しみ、恐れ、怒りなどの語彙で表現される。 それは、対象や事象の評価を含み、脳や身体の状態を一時的に変更することで、思考や行動に 影響を与える。情動誘発因のあるものは進化の過程で獲得され、他のものは個人の生活の中で学習される。あるときは無意識的に情動が誘発され、またあるときは意識的な評価段階を経て情動 が誘発される。誘発された情動の実体はまた意識の諸様相であり情動誘発因の場合もある。


★(15.1)「第三の、そしてたぶんもっとも意味深い事実は、意識と情動は分離「できない」ということ。(中略)通常、意識に障害が起こると情動にも障害が起こる。」(アントニオ・ダマシオ(1944-)『起こっていることの感覚』(日本語名『無意識の脳 自己意識の脳』)第1部 脳と意識の謎、第1章「脳の中の映画」とは何か、pp.35-38、講談社(2003)、田中三彦(訳))


★(16)中核意識と延長意識

「意識は単純なものと複雑なものに分けることが可能であり、神経学的証拠からその分離は明白だ。私が「中核意識」(core consciousness)と呼ぶもっとも単純な種類の意識は、有機体に一つの瞬間「いま」と一つの場所「ここ」についての自己感を授けている。」(中略)「他方、私が「延長意識」(extended consciousness)と呼んでいる多くのレベルと段階からなる複雑な種類の意識は、有機体に精巧な自己感――まさに「あなた」、「私」というアイデンティティと人格――を授け、また、生きてきた過去と予期される未来を十分に自覚し、また外界を強く意識しながら、その人格を個人史的な時間の一点に据えている。」(アントニオ・ダマシオ(1944-)『起こっていることの感覚』(日本語名『無意識の脳 自己意識の脳』)第1部 脳と意識の謎、第1章「脳の中の映画」とは何か、pp.35-38、講談社(2003)、田中三彦(訳))







006必ずわかる難問題2

   ★006a_必ずわかる難問題2


★難問題に入っていく前に、物理学が理解している最新の宇宙の姿を、知って欲しい。次の記述は、簡潔で丁寧にまとめて書かれているので、何回も読んで欲しい。復習します。毎回少しずつ詳しくしていきます。




以下を追記

★(5.1)場の量子論の発散問題



★(1)「わたしたちが生きる世界には、屈曲した時空間が広がっている。★(1.1)量子力学以前の理論、つまりアインシュタインの方程式によれば、この宇宙は無限に押しつぶされる。そうして最後は、原子核に飲みこまれる電子のように、一点となって消失する。これが、アインシュタインの方程式によって予見される、「点」としてのビッグバンである。(中略)★しかし、量子力学を考慮に入れれば、宇宙の収縮にも限界があることが判明する。それはあたかも、量子的な反発によって、宇宙が跳ね返っているかのような状況である。収縮過程にある宇宙が、広がりを持たない「点」まで縮むことはない。(カルロ・ロヴェッリ(1956)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第4部 空間と時間を超えて、第8章 ビッグバンの先にあるもの、pp.202-204、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))

★(2)どのようにしてかは分からないが、それは今から一四〇億年前に、巨大な爆発によって誕生した。以来、時空間はずっと膨張を続けている。

★(2.1)ビッグバンのさなかの決定的な移行過程においては、わたしたちはもはや、明確に記述された空間や時間を想定することはできない。わたしたちの考察の対象となるのは確率の雲だけであり、空間と時間はその雲のなかですっかり姿を消してしまう。ビッグバンの前後では、確率が泡立つ雲のなかに、世界はきれいに溶解する。★そして、量子重力理論の方程式なら、こうした確率の雲を記述することができる。今日の物理学者は、わたしたちの宇宙が生まれる前には、別の宇宙が存在していたと考えている。空間と時間が確率のなかで溶解する量子的な局面を経た末に、ひとつの宇宙が崩壊し、新しい宇宙が生まれたのである。」(カルロ・ロヴェッリ(1956)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第4部 空間と時間を超えて、第8章 ビッグバンの先にあるもの、pp.202-204、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))


★(3)一般相対性理論

この空間は実在する「事物」であり、物理的な「場」である。時空間の力学は、アインシュタインの方程式によって記述される。物質の重みのもとで、空間は折れたり曲がったりする。物質が極度に凝縮されたときには、空間がブラックホールへ呑みこまれていくこともある。


★(4)宇宙には無数の銀河が散らばっており、ひとつひとつの銀河に無数の星が散らばっている。銀河を形づくっている物質は、量子場によって形づくられている。量子場は、電子や光子のように、粒子の形態をとって現われる。または、量子場は電磁波のように、波の形で現われることもある。テレビの映像や、太陽の光や、星の輝きをわたしたちに伝えているのは、電磁波である。

★(5)量子力学

原子や光をはじめ、宇宙に存在するあらゆる事物は、量子場によって記述される。量子場は奇妙な存在である。量子場を形成するひとつひとつの粒子は、別のなにかと相互作用を起こすときだけ、ある一点に居場所を定め、その姿をあらわにする。ひとたび相互作用を終えるなり、粒子は「確率の雲」のなかへ溶けこんでいく。世界とは、素粒子が起こす事象の湧出である。波のように振動する、大きく躍動的な空間の海に、素粒子は浸かっている。

★(5.1)場の量子論の発散問題

「場の量子論に登場する無限は、この理論の基礎を成すある前提に由来するものだった。その前提とは、空間の際限のない分割性である。かつてファインマンが教えてくれたように、ある過程が生じる確率を計算するには、この過程がたどることのできるあらゆる道筋を足し合わせればよい。しかし、この「道筋」は無限に存在する。なぜなら、計算の対象となっている過程は、連続的な空間に存在する無限個の点のすべてをたどることができるからである。このために、多くの場合、無限という計算結果が導き出される。★量子重力理論を考慮に入れれば、このような無限もまた姿を消す。理由は明快である。空間を無限に分割することはできず、無限に小さな点は存在しない。したがって、足し合わせるべき「道筋」が無限に存在することもない。粒的であり離散的である空間の構造が、場の量子論を苦しめている無限を除去し、この理論が抱えている難題を解決する。(カルロ・ロヴェッリ(1956)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第4部 空間と時間を超えて、第11章 無限の終わり、pp.227-229、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))


★(6)世界のこのようなイメージと、このイメージを形づくるわずかな方程式によって、わたしたちの目に映るほとんどすべてのものを記述することができる。そう。あくまで、「ほとんど」である。肝心な何かが、まだ欠けている。今日のわたしたちが要求しているのは、その何かである。」(カルロ・ロヴェッリ(1956-)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第3部 量子的な空間と相関的な時間、pp.142-143、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))


★(6.1)「一般相対性理論は、宇宙論、天体物理学、重力波やブラックホール研究の基礎である。一方の量子力学は、原子物理学、核物理学、素粒子物理学、物性物理学をはじめ、多くの分野の研究基礎となっている。

★(6.2)「素粒子物理学の分野において、二〇一三年に得られた重要な実験結果には、以下の二つが挙げられる。一つ目は、ジュネーヴのCERNでヒッグス粒子が確認されたことであり、この報せは世界中のマスメディアを賑わせた。二つ目は人工衛星プランクの測定データであり、それは二〇一三年にまとまった形で公開された。(中略)★ヒッグス粒子の発見は、量子力学にもとづく素粒子の標準模型を支持する確固たる証拠である。今回の発見は、三〇年前に発表された予測の正しさを裏づけている。「プランク」の測定結果は、宇宙項を加えた一般相対性理論にもとづく、宇宙論的標準模型を支持する確固たる証拠である。(中略)★自然がわたしたちに告げた内容はシンプルだった。「一般相対性理論と量子力学は正しい。量子力学の分野において、標準模型は正しい」。これですべてだった。」(カルロ・ロヴェッリ(1956-)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第4部 空間と時間を超えて、第9章 実験による裏づけとは?、pp.210-212、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))


★(7)一般相対性理論の重力場は、量子力学を考慮に入れずに記述されている。つまり一般相対性理論は、「量子化された場(量子場)」を想定していない。量子力学はというと、「時空間は曲がる」という点を無視して定式化されている。量子力学の扱う空間に、アインシュタインの方程式は当てはまらない。」(カルロ・ロヴェッリ(1956-)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第3部 量子的な空間と相関的な時間、第5章 時空間は量子的である、p.144、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))


★(7.1)超ひも理論

「本書で紹介してきた理論のほかに、現在もっとも盛んに研究されているのは、いわゆる「超ひも理論」である。ジュネーヴに拠点を置くCERN(欧州原子核研究機構)は、LHC(大型ハドロン衝突型加速器)と呼ばれる新型の素粒子加速器を擁している。★超ひも理論の分野(またはその関連分野)の研究に取り組んでいる物理学者の大部分は、LHCが実用化されるなり、超ひも理論が要請する未発見の粒子、つまり超対称性粒子が観測されるだろうと想定していた。超ひも理論が成り立つためには、この粒子の存在が確認されなければならず、そのため「ひも論者」たちは、超対称性粒子の発見を期待していたのである。LHCが稼働してから現在にいたるまで、超対称性粒子は観測されていない。(中略)★超対称性粒子は、多くのひも論者が想定していたエネルギーの範囲内には存在していなかった。もちろんこれは、決定的な証拠ではない。わたしたちはまだ、決定的な答えからは遠く離れた場所にいる。(カルロ・ロヴェッリ(1956-)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第4部 空間と時間を超えて、第9章 実験による裏づけとは?、pp.210-212、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))






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