日米同盟
【日本は、日米安保体制のおかげで、経済優先を貫くことができた。米国にある、日本の安保ただ乗り論にも理由があり、日本は自らを守る努力をし、日米同盟においても十分な防衛負担を果たす必要がある。(首相官邸)】「しかし、日米安保体制は、常に盤石であったわけではありません。
戦後50年近くにわたり、東西両陣営は世界で主導権を争いました。その中で、徐々に中国が台頭していきます。一方で、度重なる核実験はあったものの核戦争は勃発せず、遂には東側の崩壊で、東西冷戦は消えました。こうした厳しい流れの中で、日本は、二度のオイルショックに見舞われたものの、経済優先を貫くことができ、米国に次ぐ世界第二位の経済大国にまで発展できました。
日本経済がオイルショックを乗り越え、国際社会での勢いを顕著にした1980年代後半頃から、米国で「日本は、十分な防衛負担を果たさない一方、米国市場を米国企業から奪うことで、経済成長を果たしている」という日本の安保ただ乗り論が強まりました(※)。特に、平成3年の湾岸戦争時の日本の役割や負担を巡って、この種の論議が加熱しました(⇒「7.これまで、安全保障上の重要時期に日本はどう動いたのでしょうか」をご覧ください)。
(※)例えば、昭和63年外交青書には、「米国議会を中心に、米国が安全保障面で多大な負担を強いられているにもかかわらず、日本はその経済力に相応の貢献をしていない、あるいは抜け駆けを行っているとの、いわば『ただ乗り』論的な対日批判が見られた」とあります。
確かに米国は、日米安保条約により、日本の施政下にある領域における日本への武力攻撃がある場合には、共通の危険への対処行動をすることになっています。
しかし、日本はこの条約が有るからといって、自らを守る努力を怠ってよいのでしょうか。米国兵士が、自国米国ではなく日本のために、リスクを冒している時に、もし、日本が自ら可能な行動をとらなかったら、その兵士の配偶者や子供、親、友人たちは、どう考えるでしょうか。「日米安保条約が有るから米軍が行動するのは義務だ」、あるいは、「日本が自らそうした行動をとることは、ほとんどの学者が憲法違反だと言っているからできないのだ」と言われて「なるほど仕方がない」と納得できるでしょうか?」
(出典:「なぜ」、「いま」、平和安全法制か? 平成31年4月26日<首相官邸)
(索引:日米同盟)
(出典:首相官邸)
首相官邸
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