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2020年3月27日金曜日

12.量子的な事象とは、観測の対象となっている事象の総体(物理系)が、別の物理系との間に起こす、個別の相互作用のことである。相互作用の結果は確率的に厳密に予測できるが、どの結果が得られるかは不確定である。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))

不確定性

【量子的な事象とは、観測の対象となっている事象の総体(物理系)が、別の物理系との間に起こす、個別の相互作用のことである。相互作用の結果は確率的に厳密に予測できるが、どの結果が得られるかは不確定である。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))】

【不確定性】
「この世界は、粒状の量子が間断なく引き起こす事象によって形つくられている。これらの事象は離散的であり、粒状であり、それぞれたがいに独立している。

量子的な事象とは、ある物理的な「系(観測の対象となっている事象の総体)」が、別の物理的な「系」とのあいだに起こす、個別の相互作用のことである。

電子や、光子や、そのほかの場の量子は、空間のなかで継続的な道筋を進むのではなく、別のなにかと衝突したときにだけ、特定の場所に突如として出現する。

量子たちは、いつ、どこに現われるのか? それを確実に予見する方法はない。量子力学は、世界の核心に、根源的な不確定性を導入した。未来は誰にも予見できない。これが量子力学によってもたらされた第二の重要な教えである。」(中略)

「では、Aという出発地点にいる一個の電子が、しばらくあとでBという終着地点に現われる確率は、どのように計算したらよいのだろうか?

 一九五〇年代、第一章で名前を挙げたリチャード・ファインマンが、この計算を行うためのきわめて効果的な方法を発見している。ファインマンの方法は、A点とB点をつなぐ「あらゆる」経路を、つまり、電子が取りうるあらゆる道筋(まっすぐだったり、曲がっていたり、ジグザグだったり……)を考慮に入れる。

まずは、それぞれの経路について計算を行い、その経路の数値を導き出す。そして、確率を導き出すために、これらの数値をすべて足し合わせる。

ここで重要なのは、この計算の詳しい仕組みを理解することではない。私たちが着目すべきは、AからBへ移動するのに、電子があたかも「取りうるあらゆる経路を」通過したかのように見えるという点である。

確率の雲のなかに飛びこんでいった電子は、ふと気がつけばB点に移動していて、ふたたび別の何物かと衝突している。」
(カルロ・ロヴェッリ(1956)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第2部 革命の始まり、第4章 量子――複雑奇怪な現実の幕開け、pp.131-133、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))
(索引:不確定性)

すごい物理学講義 (河出文庫)



カルロ・ロヴェッリ(1956-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)
(出典:wikipedia
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