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2024年1月18日木曜日

16.文化とは、人間が知識の貯蔵庫に運び入れ、そして人間が出会いにおいて反応を秩序づけるために使用する象徴体系と定義できる。ジョナサン・H・ターナー(1942-)

文化とは、人間が知識の貯蔵庫に運び入れ、そして人間が出会いにおいて反応を秩序づけるために使用する象徴体系と定義できる。ジョナサン・H・ターナー(1942-)


「文化とは、人間が知識の貯蔵庫に運び入れ、そして人間が出会いにおいて反応を秩序づけるために使用する象徴体系と定義できる。

こうした文化的知識の貯蔵庫はいくつかの基本的次元に沿って配列されている。

第一に、高度に抽象的で一般的な善悪の基準が自己および他者を評価するために用いられる価値の次元がある。

第二に、一般的価値を特定する評価的な指令(自己および他者が特定の状況においていかに行動すべきか、またしなければならないかということに関する指令)に変換する信念とイデオロギーの次元がある。

第三に、いくつかの領域に沿う規範の次元がある。(1)一定タイプ(たとえば、職業、遊戯、社交、家族など)の活動のために適当な行動の輪郭を指示する制度規範、(2)特定の状況で行動するための適当な方法を具体化している制度規範、そして、(3)広範な制度的舞台上の具体的状況において活性化する感情的構成を特定する感情規則(Hochschild 1975,1979,1983)

第四に、状況の物理的な小道具をどのようにうまく操作するかについての技能もしくは知識がある。

第五に、出会いにおいて用いられる表象の適切なテクストもしくは言語学的様相(たとえば、ジャンル、話し方、言説の様式など)がある。これらは図5-1に概説されている。」

 文化シンボルの貯蔵
  │
 言語────────────────┬─┬──────┐
  │           │ │     │
 価値          伝統 テクスト 技術
 (高度に抽象的で     │   │                   │
 一般的な善悪の基準)   └─┼───────┘
    ↓↑           │
 信念とイデオロギー ←──────┤
 (いかに行動すべきか     │
 に関する指令)        │
    ↓↑           │
   制度規範 ←──────────┤
 (適当な行動の輪郭を指示   │
    ↓↑           │
   組織規範 ←──────────┤
 (行動するための       │
 適当な方法を具体化)     │
    ↓↑           │
   対人規範 ←──────────┘
 (具体的状況における感情規則)

 「そして第六に、価値、信念や規範にしたがって、相互作用の過程になにが含まれ、なにが排除されるべきかについての指示を行うフレームがある。そしてそれらは図5-2にしめしたいくつかの基礎次元ごとに異なる。

だから、これは文化の力が状況における感情のフローを制約し、また文化の力からの明快な指針がなければ、臆病さと絶え間ない違反(当惑、恥、怒り、悲しみ他の離反的感情を生成する)のゆえに、相互作用を維持することが難しい。」

 知識の貯蔵
  └フレームの発明
    ├身体フレーム
    │├身体間の受けいれられる距離
    │├身体アクセスの許容度
    │└身体に関する部位
    ├人口統計学的フレーム
    │├個人の適切な人数
    │├個人の適切な密度
    │└個人の適切な移住
    ├物理的距離フレーム
    │├妥当な小道具
    │├妥当な舞台
    │└妥当な物理的境界
    ├組織フレーム
    │├妥当な組織領域
    │├妥当な組織状況
    │└妥当な準拠集団
    ├文化フレーム
    │├妥当な価値前提
    │├妥当な信念体系
    │└妥当な規範
    └個人フレーム
     ├妥当な人生史の部分
     ├妥当な親密性の水準
     └妥当な自己包絡の水準

(ジョナサン・H・ターナー(1942-)『感情の起源』第5章 どのような種類の感情動物であるか、pp.213-216、明石書店 (2007)、正岡寛司(訳))