認知主義
【行為の理由は、欲求だけでなく情況の捉え方にも依存する。その人の在り方に応じて情況の捉え方は異なり、捉えられた情況から、ある特定の行為が好ましく思えてくる。(ジョン・マクダウェル(1942-))】(1)あらゆる理由が欲求から動機づけの力を得ている
(a)情況
(b)欲求
(c)行為の理由の判断
(b)が(c)を決定する。
(2)行為の理由は、欲求だけでなく情況の捉え方にも依存する
(a)情況
情況は、その人の在り方に応じて、異なって捉えられる。
捉えられた情況から、ある特定の特徴がせり出して知覚される。
(b)欲求
(c)行為の理由の判断
(a)と(b)とが、(c)を誘導する。
(出典:wikipedia)
(出典:古書店三月兎之杜)
「同じ情況においても、行為の理由の判断は、人によって異なりうる。もちろん、その違いがそのときの欲求の違いから生じている、というケースは多々ある。同じ大好物を前にしても、そのときの食欲しだいでは注文の仕方は違ってくる。こうした事実をマクダウェルは無視しない。しかし、だからと言って、「あらゆる理由が、そこに含まれた欲求から動機づけの力を得ている、というのは間違っている」。
一般的にはむしろ、①その人の在り方に応じて一定の「情況の捉え方」が働き出し、②情況がそう捉えられると、事実のある特徴が「せり出して(salient)」知覚されあるいは「そのときの欲求によって曇らされることなく」理解され、③そのおかげで特定の行為が「好ましく見えて」くる。このように行為の理由は、「情況の捉え方」に誘導された世界への感受性による知的な成果である。」
(大庭健(1946-)、以下の著作の解説:ジョン・マクダウェル(1942-)『徳と理性』、p.267、勁草書房(2016)、大庭健(監訳)・(訳))
(索引:認知主義)
(出典:wikipedia)
ジョン・マクダウェル(1942-)
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