フィリッパ・フットの欲求基底的な倫理学
【事実に関する信念のみでは人は動機づけられず、事実とは独立の外在的な欲求が必要だとする外在主義に対して、フィリッパ・フット(1920-2010)は、究極的で普遍的な欲求を基礎とした道徳判断は、真偽値を持つと主張した。(大庭健(1946-2018))】(出典:wikipedia)
(出典:古書店三月兎之杜)
「“事実にかんする信念は、それだけではひとを行為へと動機づけることができず、動機づけうる理由が生成するには、信念と独立の・信念にとっては外在的な、欲求が必要だ”とする考え方――(動機づけについての)外在主義――である。
こうした見方に棹さしてフットは、「道徳的信念」(1959)という初期の論文で、“痛みを和らげたい”という欲求のように、「なぜそう欲するのか」と問うことが無意味な欲求を「究極的」「普遍的な」欲求と名付け、そうした「究極的で普遍的」な欲求に根差した道徳判断なら定言命法たりうる、と示唆した。」
(大庭健(1946-)、以下の著作の解説:ジョン・マクダウェル(1942-)『徳と理性』、p.262、勁草書房(2016)、大庭健(監訳)・(訳))
(索引:フィリッパ・フット(1920-2010),欲求基底的な倫理学)