未来のための哲学講座 命題集 Propositions of great philosophers
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1946_ポール・デイヴィス
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1946_ポール・デイヴィス
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2021年11月28日日曜日
生命の秘密は、生命が利用している論理と情報の諸規則の中にある。生命は、情報を通した反応操作を使うことで「自然な」化学と熱力学の規制から抜け出し、自律性のある「不自然な」 反応を強行する。遺伝子コードを使ったソフトウェアによる操作を導入することによって、これを実現している。(ポール・デイヴィス(1946-))
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論理と情報の諸規則 生命の秘密は、生命が利用している論理と情報の諸規則の中にある。生命は、情報を通した反応操作を使うことで「自然な」化学と熱力学の規制から抜け出し、自律性のある「不自然な」 反応を強行する。遺伝子コードを使ったソフトウェアによる操作を導入することによって、これ...
2021年11月27日土曜日
いずれどんな実験も我々を先導できなくなると、よく言われるが、これは間違っている。素粒子の質量は、なぜその数値なのか。それは説明されるはずのものではないのか。多くの実験事実はすでに集められており、それらに対して納得のいく理論を作るだけの想像 力が欠けている。(リチャード・ファインマン(1918-1988))
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質量の由来 いずれどんな実験も我々を先導できなくなると、よく言われるが、これは間違っている。素粒子の質量は、なぜその数値なのか。それは説明されるはずのものではないのか。多くの実験事実はすでに集められており、それらに対して納得のいく理論を作るだけの想像 力が欠けている。(リチャード...
ストリング理論の美しさは、それが量子重力の局所的因果的理論であるという点にある。すなわち、ストリングは、有限な大きさにもかかわらず、相互作用は、ストリング全体ではなく、点でのみ起こり(局所性)、空間的に離れた事象は互いに影響しない(因果性)。 (アブダス・サラム(1926-1996))
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量子重力の局所的因果的理論 ストリング理論の美しさは、それが量子重力の局所的因果的理論であるという点にある。すなわち、ストリングは、有限な大きさにもかかわらず、相互作用は、ストリング全体ではなく、点でのみ起こり(局所性)、空間的に離れた事象は互いに影響しない(因果性)。 (アブダ...
もちろん、理論の正しさは様々な計算の結果と実験との比較による一致である。しかし、ストリング理論の不満は、その概念上の枠組が正しくつかまれていないように思われることだ。一般相対論が、幾つかの諸原理から不可避的に湧出するように、基礎的な概念上の枠組みから自然に理解される時、それが達成されると思う。(エドワード・ウィッテン(1951-))
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概念上の枠組みの理解 もちろん、理論の正しさは様々な計算の結果と実験との比較による一致である。しかし、ストリング理論の不満は、その概念上の枠組が正しくつかまれていないように思われることだ。一般相対論が、幾つかの諸原理から不可避的に湧出するように、基礎的な概念上の枠組みから自然に...
DNA上の塩基の配列(4種類の文字の3つ組)で表現されたアミノ酸の情報と、20種類のアミノ酸の形態(20種類の文字)の両方を知っているアミノアシルtRNA合成酵素の働きで、DNA上の情報を翻訳してたんぱく質の合成が可能となっている。(ポール・デイヴィス(1946-))
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情報を情報足らしめる翻訳者の例 DNA上の塩基の配列(4種類の文字の3つ組)で表現されたアミノ酸の情報と、20種類のアミノ酸の形態(20種類の文字)の両方を知っているアミノアシルtRNA合成酵素の働きで、DNA上の情報を翻訳してたんぱく質の合成が可能となっている。(ポール・デイヴ...
一枚の雪片が形成されるときでさえ、廃棄すべき熱が発生し、 宇宙のエントロピーを増やしていく。生物の進化において、新しくより複雑な有機体が登場するのは、物理的、 生物学的に、破壊をもたらす作用が起こったあとである。(ポール・デイヴィス(1946-))
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系統だった複雑さと、エントロピー 一枚の雪片が形成されるときでさえ、廃棄すべき熱が発生し、 宇宙のエントロピーを増やしていく。生物の進化において、新しくより複雑な有機体が登場するのは、物理的、 生物学的に、破壊をもたらす作用が起こったあとである。(ポール・デイヴィス(1946-)...
生命の進化の方向に、何か傾向が存在するのは否定し難い。それは何なのか。情報(秩序)を処理して、系統だった複雑さが獲得される。処理する情報が多ければ多いほど、支払うべきエントロピーの代償は高くなる。 ある場所の秩序は、どこか別の場所の無秩序に拍車をかけている。(ポール・デイヴィス(1946-))
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系統だった複雑さ 生命の進化の方向に、何か傾向が存在するのは否定し難い。それは何なのか。情報(秩序)を処理して、系統だった複雑さが獲得される。処理する情報が多ければ多いほど、支払うべきエントロピーの代償は高くなる。 ある場所の秩序は、どこか別の場所の無秩序に拍車をかけている。(ポ...
2021年11月26日金曜日
自らの情報処理能力を高め、統合情報を蓄積し自己組織化するような、情報に関する状態依存的法則を持ったシステムの研究が、生命の本質に迫るだろう。そこでは、高次の情報処理モジュールの自律的な組織化が、重要な役割を果たす可能性がある。(ポール・デイヴィス(1946-))
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高次の情報処理モジュールの自律的な組織化 自らの情報処理能力を高め、統合情報を蓄積し自己組織化するような、情報に関する状態依存的法則を持ったシステムの研究が、生命の本質に迫るだろう。そこでは、高次の情報処理モジュールの自律的な組織化が、重要な役割を果たす可能性がある。(ポール・デ...
生命の本質を理解するためには、既知の物理法則と矛盾しない、状態依存性とトップダウンの因果関係を含む情報の理論の研究が必要である。また、どのような初期条件のもとで、そのような物理系が出現するのか、その後どのように展開するのかも。(ポール・デイヴィス(1946-))
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状態依存性とトップダウンの因果関係 生命の本質を理解するためには、既知の物理法則と矛盾しない、状態依存性とトップダウンの因果関係を含む情報の理論の研究が必要である。また、どのような初期条件のもとで、そのような物理系が出現するのか、その後どのように展開するのかも。(ポール・デイヴ...
物性理論では、系の時間発展を支配する法則と、系の状態とがはっきりと区別されている。しかし生物学の場合、法則は系の状態に依存する。(状態の関数としての法則、自己言及性)典型例がゲノムである。ゲノムはプログラム(法則)であり、データ(系の状態)でもある。(ナイジェル・ゴールデンフェルド(1957-))
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自己言及性 物性理論では、系の時間発展を支配する法則と、系の状態とがはっきりと区別されている。しかし生物学の場合、法則は系の状態に依存する。(状態の関数としての法則、自己言及性)典型例がゲノムである。ゲノムはプログラム(法則)であり、データ(系の状態)でもある。(ナイジェル・ゴー...
地球上の広大で複雑な生命の情報ネットワークは、細菌から人間 社会まで、あらゆるレベルの個体や集団どうしの情報交換によって編み上げられている。社会性昆虫は、その興味深い中間段階の一例である。(ポール・デイヴィス(1946-))
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生命のネットワーク 地球上の広大で複雑な生命の情報ネットワークは、細菌から人間 社会まで、あらゆるレベルの個体や集団どうしの情報交換によって編み上げられている。社会性昆虫は、その興味深い中間段階の一例である。(ポール・デイヴィス(1946-)) 「社会性昆虫は、生命の組織構造に関...
器官、細胞、細胞小器官、染色体、分子と細かく見ても、情報は見えない。知覚できるのは、情報を具現化している物質的構造と、情報が流れるネットワークと化学回路である。(ポール・デイヴィス(1946-))
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情報は見えない 器官、細胞、細胞小器官、染色体、分子と細かく見ても、情報は見えない。知覚できるのは、情報を具現化している物質的構造と、情報が流れるネットワークと化学回路である。(ポール・デイヴィス(1946-)) 「哲学者と科学者のあいだでは、「原理的に」 すべての生物現象を原子...
1ビットの情報を消去すると、kln2 (k:ボルツマン定数)だけ、エントロピーが増える。従って、最低でもkTln2 (T:絶対温度)だけの熱が発生する。(ロルフ・ランダウアー(1927-1999))
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ランダウアーの限界 1ビットの情報を消去すると、 k ln2 ( k :ボルツマン定数)だけ、エントロピーが増える。従って、最低でも kT ln2 ( T :絶対温度)だけの熱が発生する。 ( ロルフ・ランダウアー (1927-1999)) 「情報を消去すると熱が発生する。 割り...
情報は、世界を変える。しかし、情報とはいったい何なのか。情報は、物理法則に従いつつも、何らかの意味でそれを超越している。情報は、どのように世界に作用するのか。物質やエネルギーの流れとどのような関係があるのか。(ポール・デイヴィス(1946-))
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情報とは何か 情報は、世界を変える。しかし、情報とはいったい何なのか。情報は、物理法則に従いつつも、何らかの意味でそれを超越している。情報は、どのように世界に作用するのか。物質やエネルギーの流れとどのような関係があるのか。(ポール・デイヴィス(1946-)) (a)情報は独自の法...
2021年11月25日木曜日
「世界は起こるのではなく、ただ在る。」(ヘルマン・ワイル(1885-1955))
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世界は、ただ在る 「世界は起こるのではなく、ただ在る。」(ヘルマン・ワイル(1885-1955)) 「最良の答えは、因果関係の否定である。原因と結果は、人間的状況の中での本質的に人間的な概念であるが、 せいぜいのところ、物理の世界の中で構造の崩壊に関連して時間指向的な相互作用を...
「心」が量子状態に影響を及ぼすという証拠はない。また、量子的な非決定性が自由意志の本質とも思えない。行為を決定している何らかの意味での現在の心の状態を、何らかの意味での「心」が変えることができるとき、はじめて真の自由意志と言える。 (ポール・デイヴィス(1946-))
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自由意志 「心」が量子状態に影響を及ぼすという証拠はない。また、量子的な非決定性が自由意志の本質とも思えない。行為を決定している何らかの意味での現在の心の状態を、何らかの意味での「心」が変えることができるとき、はじめて真の自由意志と言える。 (ポール・デイヴィス(1946-))...
過去・未来の非対称性は、実際には秩序が無秩序に崩壊する一方的な傾向に根ざしている。すなわち、観測者としての私たちの存在が、原子秩序に基づいて過去と未来の間の鋭い区別を与えるような適正な宇宙配置にあるという事実に、微妙に依存している。(ポール・デイヴィス(1946-))
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人間の宇宙における配置 過去・未来の非対称性は、実際には秩序が無秩序に崩壊する一方的な傾向に根ざしている。すなわち、観測者としての私たちの存在が、原始秩序に基づいて過去と未来の間の鋭い区別を与えるような適正な宇宙配置にあるという事実に、微妙に依存している。(ポール・デイヴィス(1...
決まっていないから未来であるという直感があるが、時間を逆転しても非決定である。準備し実験し解析するという、実験結果を釘どめする人間の知的な超構造が、過去と未来の非対称性をもたらす。そしてそれは、私たちの近傍で進む熱力学過程による世界の非対称性の作用である。(ポール・デイヴィス(1946-))
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過去と未来の非対称性の由来 決まっていないから未来であるという直感があるが、時間を逆転しても非決定である。準備し実験し解析するという、実験結果を釘どめする人間の知的な超構造が、過去と未来の非対称性をもたらす。そしてそれは、私たちの近傍で進む熱力学過程による世界の非対称性の作用であ...
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