未来のための哲学講座 命題集 Propositions of great philosophers
活用するための哲学サイト。著作名から調べる。人名から調べる。順次、充実させていきます。(大幅に遅延中)
ページ
(移動先: ...)
ホーム
命題集(記事一覧)
▼
2021年12月7日火曜日
人間の人格は永遠の価値を持ち、目的そのものである(個人主義)。この思想は、平等主義以上に、人道主義信条の擁護の砦であった。正義とは個人に関わるあるもの(アリストテレス)、個人は常に目的であって単なる手段ではない(カント)、汝の隣人を愛せ(聖書)、部族をではない。(カール・ポパー(1902-1994))
›
個人主義 人間の人格は永遠の価値を持ち、目的そのものである(個人主義)。この思想は、平等主義以上に、人道主義信条の擁護の砦であった。正義とは個人に関わるあるもの(アリストテレス)、個人は常に目的であって単なる手段ではない(カント)、汝の隣人を愛せ(聖書)、部族をではない。(カール...
規範を事実の上に基礎づけることは不可能である。我々の倫理的決定の責任は全く我々にあり、神や自然や社会や歴史等に転嫁することはできない。それにもかかわらず、一元論へ向う一般的傾向と責任への恐れから、我々は権威を求めるが、その権威を受け入れるか否かは、我々の選択なのである。(カール・ポパー(1902-1994))
›
倫理的決定 規範を事実の上に基礎づけることは不可能である。我々の倫理的決定の責任は全く我々にあり、神や自然や社会や歴史等に転嫁することはできない。それにもかかわらず、一元論へ向う一般的傾向と責任への恐れから、我々は権威を求めるが、その権威を受け入れるか否かは、我々の選択なのである...
規範を事実の上に基礎づけることは不可能である。これに対する反論として、規範が人間の心理学的、精神的本性、人間社会の本性から導出できると主張する心理学的ないし精神的自然主義がある。しかし、およそ人間の心に浮んだ事柄で "自然的"でないものなどあるだろうか。(カール・ポパー(1902-1994))
›
心理学的ないし精神的自然主義への批判 規範を事実の上に基礎づけることは不可能である。これに対する反論として、規範が人間の心理学的、精神的本性、人間社会の本性から導出できると主張する心理学的ないし精神的自然主義がある。しかし、およそ人間の心に浮んだ事柄で "自然的&quo...
規範を事実の上に基礎づけることは不可能である。これに対する反論として、倫理的、道徳的ないし法的な規範が現存するかどうかは社会学的な事実問題であると主張する倫理的実定主義がある。しかし、事実として存在しても、それをもって基礎づけられたと言えるだろうか。(カール・ポパー(1902-1994))
›
倫理的実定主義への批判 規範を事実の上に基礎づけることは不可能である。これに対する反論として、倫理的、道徳的ないし法的な規範が現存するかどうかは社会学的な事実問題であると主張する倫理的実定主義がある。しかし、事実として存在しても、それをもって基礎づけられたと言えるだろうか。(カー...
規範を事実の上に基礎づけることは不可能である。しかし、規範の恣意性に対する反論として、それらの規範を導出できる自然法則があるのではないかと主張する生物学的自然主義がある。確かに"自然な"行為はあるかもしれない。では、我々の文明や文化は自然なのか不自然なのか。(カール・ポパー(1902-1994))
›
生物学的自然主義への批判 規範を事実の上に基礎づけることは不可能である。しかし、規範の恣意性に対する反論として、それらの規範を導出できる自然法則があるのではないかと主張する生物学的自然主義がある。確かに"自然な"行為はあるかもしれない。では、我々の文明や文化は...
2021年12月5日日曜日
社会科学はもともと、社会を改善する提案に対する批判を通じて発展してきたが、技術的社会科学は、これを継承する。それは、(a)有意義な理論の源泉であり、(b)科学的な基準に準拠しているがゆえに、(c) 形而上学的思弁への歯止めにもなっている。(カール・ポパー(1902-1994))
›
技術的社会科学の効用 社会科学はもともと、社会を改善する提案に対する批判を通じて発展してきたが、技術的社会科学は、これを継承する。それは、(a)有意義な理論の源泉であり、(b)科学的な基準に準拠しているがゆえに、(c) 形而上学的思弁への歯止めにもなっている。(カール・ポパー(1...
技術的社会科学は、社会制度改革を目指す者全員の仕事の基盤として不可欠となるはずの事実を、すべて見つけ出すことを目標とする。それは、制度設計に制約を課すような各種法則であり、社会生活の一般法則の研究へとつながるだろう。 (カール・ポパー(1902-1994))
›
技術的社会科学 技術的社会科学は、社会制度改革を目指す者全員の仕事の基盤として不可欠となるはずの事実を、すべて見つけ出すことを目標とする。それは、制度設計に制約を課すような各種法則であり、社会生活の一般法則の研究へとつながるだろう。 (カール・ポパー(1902-1994)) 「歴...
予測対象に干渉してしまう予測があるのは、事実である。しかし、科学的予測は、社会現象に対しても意味があるし重要である。まず、理論の検証・反証のための予測と、実践的価値を持つ予測がある。例えば、介入困難な対象の予測(予言と呼ぶ)や、ある目的を持って介入するための予測(技術的予測、設計)などである。(カール・ポパー(1902-1994))
›
予言と技術的予測 予測対象に干渉してしまう予測があるのは、事実である。しかし、科学的予測は、社会現象に対しても意味があるし重要である。まず、理論の検証・反証のための予測と、実践的価値を持つ予測がある。例えば、介入困難な対象の予測(予言と呼ぶ)や、ある目的を持って介入するための予測...
生物や人間、社会の歴史性、新奇性とは、現在の状態の中に埋め込まれている過去の記憶が、情報として、系の変化と未来の状態に大きな作用を及ぼすという特性の別名である。現在の状態の中にその情報を読み取るのが困難な場合、過去を知ることが、その情報を読み解く代替策となる。(カール・ポパー(1902-1994))
›
状態の歴史性、新奇性 生物や人間、社会の歴史性、新奇性とは、現在の状態の中に埋め込まれている過去の記憶が、情報として、系の変化と未来の状態に大きな作用を及ぼすという特性の別名である。現在の状態の中にその情報を読み取るのが困難な場合、過去を知ることが、その情報を読み解く代替策となる...
制度や団体などの社会的存在は、個々人の抽象的関係の中のある選択された側面を解釈するために構成された抽象的なモデルである。第0次近似モデルとして、完全に合理的な個人の集合モデルを構築し、これからの乖離で現実社会の評価をする等の手法もあり得る。(カール・ポパー(1902-1994))
›
仮説モデルとしての社会的存在 制度や団体などの社会的存在は、個々人の抽象的関係の中のある選択された側面を解釈するために構成された抽象的なモデルである。第0次近似モデルとして、完全に合理的な個人の集合モデルを構築し、これからの乖離で現実社会の評価をする等の手法もあり得る。(カール・...
明確な悪事、具体的な形の不正や搾取、貧困や失業 のような回避可能な苦難と一つ一つ闘っていく手法は、成否の評価が容易であり、大多数の人々の支持も得やすい。(カール・ポパー(1902-1994))
›
悪に対する漸次的闘い 明確な悪事、具体的な形の不正や搾取、貧困や失業 のような回避可能な苦難と一つ一つ闘っていく手法は、成否の評価が容易であり、大多数の人々の支持も得やすい。(カール・ポパー(1902-1994)) (a)評価の容易性 明確な悪事、具体的な形の不正や搾取、貧困や...
政治権力と社会的知識は相補的である。権力が強くなるほど、自由で批判的な思想とその表明は抑制され、最終的には知識が破壊される。たとえ善意であっても、集権化が必要な政治改革の企ては、個人の違いを無視することで問題を単純化し人々の関心や信念を統制しようとする。(カール・ポパー(1902-1994))
›
政治権力と社会的知識の相補性 政治権力と社会的知識は相補的である。権力が強くなるほど、自由で批判的な思想とその表明は抑制され、最終的には知識が破壊される。たとえ善意であっても、集権化が必要な政治改革の企ては、個人の違いを無視することで問題を単純化し人々の関心や信念を統制しようとす...
2021年12月4日土曜日
社会理論は、それが言及する対象に影響を及ぼす(オイディプス効果)。認識者がこの影響を意識したとき、対象の状況が理論に逆向きの影響を及ぼす。その結果、理論には特定の時代に支配的 な嗜好や、政治的、経済的、階級的利害が反映される。そうだとすると、社会理論の客観性とはいったい何なのかが問題となる。(カール・ポパー(1902-1994))
›
社会理論と社会の相互作用 社会理論は、それが言及する対象に影響を及ぼす(オイディプス効果)。認識者がこの影響を意識したとき、対象の状況が理論に逆向きの影響を及ぼす。その結果、理論には特定の時代に支配的 な嗜好や、政治的、経済的、階級的利害が反映される。そうだとすると、社会理論の客...
2021年12月3日金曜日
自然科学における法則が破ることのできない普遍的なものであるのに対して、人間や社会に関する法則は、もし存在するとしてもそうではない。それは、人間が社会を作り、変えていくことができるからである。では、科学的方法は使えないのか?(カール・ポパー(1902-1994))
›
人間や社会に関する法則とは? 自然科学における法則が破ることのできない普遍的なものであるのに対して、人間や社会に関する法則は、もし存在するとしてもそうではない。それは、人間が社会を作り、変えていくことができるからである。では、科学的方法は使えないのか?(カール・ポパー(1902-...
一般に、ある一つの情報が、その情報が言及する状況に及ぼす影響をオイディプス効果と名付けたい。予測は、予測したことがらの実現を促すかもしれないし、妨げるかもしれない。このため、社会的予測は極めて難しくなる。(カール・ポパー(1902-1994))
›
オイディプス効果 一般に、ある一つの情報が、その情報が言及する状況に及ぼす影響をオイディプス効果と名付けたい。予測は、予測したことがらの実現を促すかもしれないし、妨げるかもしれない。このため、社会的予測は極めて難しくなる。(カール・ポパー(1902-1994)) 「後に歴史主義の...
本質主義は、理論的モデルを具体的事物と誤認している。社会現象の解明においても、自然科学と同じような方法論的唯名論が科学的方法である。すなわち、社会学的モデルを、個人に関してその態度や期待や人間関係の観点から慎重に構築していく(方法論的個人主義)等の方法が必要だ。(カール・ポパー(1902-1994))
›
方法論的個人主義 本質主義は、理論的モデルを具体的事物と誤認している。社会現象の解明においても、自然科学と同じような方法論的唯名論が科学的方法である。すなわち、社会学的モデルを、個人に関してその態度や期待や人間関係の観点から慎重に構築していく(方法論的個人主義)等の方法が必要だ。...
例えば電子とは何か。物理学では、現象を記述する諸法則とモデルの便宜的な名称として、この言葉を使用する(方法論的唯名論)。これに対して社会科学では、定量的方法の困難さもあり、対象の本質を言葉で定義する(本質主義)。しかし、本質とは何なのか。(カール・ポパー(1902-1994))
›
方法論的唯名論と本質主義 例えば電子とは何か。物理学では、現象を記述する諸法則とモデルの便宜的な名称として、この言葉を使用する(方法論的唯名論)。これに対して社会科学では、定量的方法の困難さもあり、対象の本質を言葉で定義する(本質主義)。しかし、本質とは何なのか。(カール・ポパー...
特定の出来事の因果的説明は、初期状態を仮定して、それと法則とからその出来事を演繹することで足りる。しかし、ある規則性の因果的説明には、主張されている規則性が成立する、ある種類の状況を特徴付ける条件自体も、一般法則から演繹する必要がある。(カール・ポパー(1902-1994))
›
規則性の因果的説明とは何か 特定の出来事の因果的説明は、初期状態を仮定して、それと法則とからその出来事を演繹することで足りる。しかし、ある規則性の因果的説明には、主張されている規則性が成立する、ある種類の状況を特徴付ける条件自体も、一般法則から演繹する必要がある。(カール・ポパー...
進化の法則はあり得るのだろうか。「その答えはノーであるに違いないと私は信じている」。生命の進化、あるいは人間社会の進化は、あらゆる因果関係の連鎖によって織り合わされているとはいえ、プロセスの記述は法則ではなく、単称的な歴史的言明に過ぎない。(カール・ポパー(1902-1994))
›
進化の法則はあるのか 進化の法則はあり得るのだろうか。「その答えはノーであるに違いないと私は信じている」。生命の進化、あるいは人間社会の進化は、あらゆる因果関係の連鎖によって織り合わされているとはいえ、プロセスの記述は法則ではなく、単称的な歴史的言明に過ぎない。(カール・ポパー(...
社会的・経済的・政治的な現象においても、事実や真理の探究には自然科学と同じ科学的方法が必要である。社会的現象の歴史性と新奇性は事実であるが、科学的な仮説の全てが法則ではない。医学的な診断や進化論は単称言明であるが科学的な仮説である。(カール・ポパー(1902-1994))
›
単称言明である仮説 社会的・経済的・政治的な現象においても、事実や真理の探究には自然科学と同じ科学的方法が必要である。社会的現象の歴史性と新奇性は事実であるが、科学的な仮説の全てが法則ではない。医学的な診断や進化論は単称言明であるが科学的な仮説である。(カール・ポパー(1902-...
‹
›
ホーム
ウェブ バージョンを表示