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2018年6月7日木曜日

魂は自らの法則に従い、身体もまた自らの法則に従う。それでも両者が一致するのは、あらゆる実体のあいだに存する予定調和のためである。なぜなら、どの実体も同じ一つの宇宙の表現なのであるから。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))

予定調和(心身問題)

【魂は自らの法則に従い、身体もまた自らの法則に従う。それでも両者が一致するのは、あらゆる実体のあいだに存する予定調和のためである。なぜなら、どの実体も同じ一つの宇宙の表現なのであるから。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】
(a) 魂は目的原因の法則に従い、物体がないかのように、欲求や目的や手段によって作用する。
(b) 物体は作用原因の法則つまり運動の法則に従って、魂がないかのように、作用する。
(c) 魂は自らの法則に従い、身体もまた自らの法則に従う。それでも両者が一致するのは、あらゆる実体のあいだに存する予定調和のためである。なぜなら、どの実体も同じ一つの宇宙の表現なのであるから。
 「七八―――これらの原理によって、私は魂と有機的な身体との結合、すなわち一致ということを自然的に説明する方法を得たのである。魂はみずからの法則にしたがい、身体もまたみずからの法則にしたがう。それでも両者が一致するのは、あらゆる実体のあいだに存する予定調和のためである、どの実体も同じ一つの宇宙の表現なのであるから。
 七九―――魂は目的原因の法則にしたがい、欲求や目的や手段によって作用する。物体[身体]は作用原因の法則つまり運動の法則にしたがって作用する。しかもこの二つの領域、作用原因の領域と目的原因の領域のあいだには調和が存している。」
「八一―――この説によると、物体[身体]は魂がないかのように(これはありえない仮定だけれど)作用し、魂は物体[身体]がないかのように作用する。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『モナドロジー』七八・七九・八一、ライプニッツ著作集9、pp.237-238、[西谷裕作・1989])
(索引:心身問題、予定調和)

ライプニッツ著作集 (9)


(出典:wikipedia
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「すべての実体は一つの全たき世界のようなもの、神をうつす鏡もしくは全宇宙をうつす鏡のようなものである。実体はそれぞれ自分の流儀に従って宇宙を表出するが、それはちょうど、同一の都市がそれを眺める人の位置が違っているのに応じて、さまざまに表現されるようなものである。そこでいわば、宇宙は存在している実体の数だけ倍増化され、神の栄光も同様に、神のわざについてお互いに異なっている表現の数だけ倍増化されることになる。また、どの実体も神の無限な知恵と全能という特性をいくぶんか具えており、できる限り神を模倣している、とさえ言える。というのは、実体はたとえ混雑していても、過去、現在、未来における宇宙の出来事のすべてを表出しており、このことは無限の表象ないしは無限の認識にいささか似ているからである。ところで、他のすべての実体もそれなりにこの実体を表出し、これに適応しているので、この実体は創造者の全能を模倣して、他のすべての実体に自分の力を及ぼしていると言うことができる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『形而上学叙説』九、ライプニッツ著作集8、pp.155-156、[西谷裕作・1990])

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表象も表象に依存しているものも、機械的な理由によっては説明できない。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))

心身問題、風車小屋の喩え

【表象も表象に依存しているものも、機械的な理由によっては説明できない。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】
 「それはそうと、言っておかなければならないのは、表象も表象に依存しているものも機械的な理由によっては説明できない、すなわち形と運動からは説明できない、ということである。いま仮に、考えたり感じたり表象をもったりできる仕組みをもった機械があるとしよう。その機械が同じ釣合いを保ちながら大きくなり、風車小屋にはいるようにそこにはいれるようになった、と考えてみよう。そこでそう仮定して、その中にはいってみたとき、見えるものといってはいろんな部分がお互いに動かし合っていることだけで、表象を説明するに足りるものは決して見出せないだろう。そこで、表象を求むべきところは単純実体の中であって、複合的なものや機械の中ではない。さらに、単純実体の中に見出すことができるのは、それのみすなわち表象とその変化のみである。また、それのみが単純実体の内的作用のすべてなのである。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『モナドロジー』一七、ライプニッツ著作集9、pp.210-211、[西谷裕作・1989])
(索引:心身問題、風車小屋の喩え)

ライプニッツ著作集 (9)


(出典:wikipedia
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「すべての実体は一つの全たき世界のようなもの、神をうつす鏡もしくは全宇宙をうつす鏡のようなものである。実体はそれぞれ自分の流儀に従って宇宙を表出するが、それはちょうど、同一の都市がそれを眺める人の位置が違っているのに応じて、さまざまに表現されるようなものである。そこでいわば、宇宙は存在している実体の数だけ倍増化され、神の栄光も同様に、神のわざについてお互いに異なっている表現の数だけ倍増化されることになる。また、どの実体も神の無限な知恵と全能という特性をいくぶんか具えており、できる限り神を模倣している、とさえ言える。というのは、実体はたとえ混雑していても、過去、現在、未来における宇宙の出来事のすべてを表出しており、このことは無限の表象ないしは無限の認識にいささか似ているからである。ところで、他のすべての実体もそれなりにこの実体を表出し、これに適応しているので、この実体は創造者の全能を模倣して、他のすべての実体に自分の力を及ぼしていると言うことができる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『形而上学叙説』九、ライプニッツ著作集8、pp.155-156、[西谷裕作・1990])

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2018年5月28日月曜日

全宇宙を表出する魂は、その襞が無限に及んでおり、自分の襞を一挙にすっかり開いてみることはできない。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))

無限の襞

【全宇宙を表出する魂は、その襞が無限に及んでおり、自分の襞を一挙にすっかり開いてみることはできない。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】
 どの物体も、宇宙の中で起こることすべてを、時間的、場所的に遠くはなれているものをも、何らかの観点からすべて現在において感知し表出する。しかし魂は、自分の襞を一挙にすっかり開いてみることはできない。なぜなら、その襞は無限に及んでおり、魂が自分自身のうちに読み取ることができるのは、そこに判明に表現されているものだけだからである。
 「そこで、どの物体も宇宙の中で起こることをすべて感知するから、なんでも見える人があれば、どの物体の中にもあらゆる所でいま起こっていることだけではなく、いままでに起こったことやこれから起こるであろうことさえも、読み取ることができるであろう。つまり、時間的、場所的に遠くはなれているものを、現在の中に認めることができることになろう。「スベテガ共ニ呼吸ヲシテイル」とヒポクラテスは言った。しかし、魂が自分自身のうちに読み取ることができるのは、そこに判明に表現されているものだけである。魂は自分の襞を一挙にすっかり開いてみることはできない。その襞は無限に及んでいるからである。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『モナドロジー』六一、ライプニッツ著作集9、pp.231-232、[西谷裕作・1989])
(索引:表出、魂、無限の襞の喩え)

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(出典:wikipedia
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「すべての実体は一つの全たき世界のようなもの、神をうつす鏡もしくは全宇宙をうつす鏡のようなものである。実体はそれぞれ自分の流儀に従って宇宙を表出するが、それはちょうど、同一の都市がそれを眺める人の位置が違っているのに応じて、さまざまに表現されるようなものである。そこでいわば、宇宙は存在している実体の数だけ倍増化され、神の栄光も同様に、神のわざについてお互いに異なっている表現の数だけ倍増化されることになる。また、どの実体も神の無限な知恵と全能という特性をいくぶんか具えており、できる限り神を模倣している、とさえ言える。というのは、実体はたとえ混雑していても、過去、現在、未来における宇宙の出来事のすべてを表出しており、このことは無限の表象ないしは無限の認識にいささか似ているからである。ところで、他のすべての実体もそれなりにこの実体を表出し、これに適応しているので、この実体は創造者の全能を模倣して、他のすべての実体に自分の力を及ぼしていると言うことができる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『形而上学叙説』九、ライプニッツ著作集8、pp.155-156、[西谷裕作・1990])

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