予定調和(心身問題)
【魂は自らの法則に従い、身体もまた自らの法則に従う。それでも両者が一致するのは、あらゆる実体のあいだに存する予定調和のためである。なぜなら、どの実体も同じ一つの宇宙の表現なのであるから。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】(a) 魂は目的原因の法則に従い、物体がないかのように、欲求や目的や手段によって作用する。
(b) 物体は作用原因の法則つまり運動の法則に従って、魂がないかのように、作用する。
(c) 魂は自らの法則に従い、身体もまた自らの法則に従う。それでも両者が一致するのは、あらゆる実体のあいだに存する予定調和のためである。なぜなら、どの実体も同じ一つの宇宙の表現なのであるから。
「七八―――これらの原理によって、私は魂と有機的な身体との結合、すなわち一致ということを自然的に説明する方法を得たのである。魂はみずからの法則にしたがい、身体もまたみずからの法則にしたがう。それでも両者が一致するのは、あらゆる実体のあいだに存する予定調和のためである、どの実体も同じ一つの宇宙の表現なのであるから。
七九―――魂は目的原因の法則にしたがい、欲求や目的や手段によって作用する。物体[身体]は作用原因の法則つまり運動の法則にしたがって作用する。しかもこの二つの領域、作用原因の領域と目的原因の領域のあいだには調和が存している。」
「八一―――この説によると、物体[身体]は魂がないかのように(これはありえない仮定だけれど)作用し、魂は物体[身体]がないかのように作用する。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『モナドロジー』七八・七九・八一、ライプニッツ著作集9、pp.237-238、[西谷裕作・1989])
(索引:心身問題、予定調和)
(出典:wikipedia)
「すべての実体は一つの全たき世界のようなもの、神をうつす鏡もしくは全宇宙をうつす鏡のようなものである。実体はそれぞれ自分の流儀に従って宇宙を表出するが、それはちょうど、同一の都市がそれを眺める人の位置が違っているのに応じて、さまざまに表現されるようなものである。そこでいわば、宇宙は存在している実体の数だけ倍増化され、神の栄光も同様に、神のわざについてお互いに異なっている表現の数だけ倍増化されることになる。また、どの実体も神の無限な知恵と全能という特性をいくぶんか具えており、できる限り神を模倣している、とさえ言える。というのは、実体はたとえ混雑していても、過去、現在、未来における宇宙の出来事のすべてを表出しており、このことは無限の表象ないしは無限の認識にいささか似ているからである。ところで、他のすべての実体もそれなりにこの実体を表出し、これに適応しているので、この実体は創造者の全能を模倣して、他のすべての実体に自分の力を及ぼしていると言うことができる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『形而上学叙説』九、ライプニッツ著作集8、pp.155-156、[西谷裕作・1990])
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)
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