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2020年3月24日火曜日

4次元構造には“いま”を客観的に表す切断はもはや存在しないから、物理的実在は、3次元的存在の生成と考える代わりに、時空の4次元的存在として考えるほうが「ずっと自然であると思われる」。(アルベルト・アインシュタイン(1879-1955))

時空の4次元的存在

【4次元構造には“いま”を客観的に表す切断はもはや存在しないから、物理的実在は、3次元的存在の生成と考える代わりに、時空の4次元的存在として考えるほうが「ずっと自然であると思われる」。(アルベルト・アインシュタイン(1879-1955))】

 「古典力学におけるようにまたここでも、空間は物理的実在を表現する独立成分である。

(慣性)空間――またはもっと正確にいえば、その一部をなす時間こみの空間――は、物質と場が除かれたと考えられる場合でもそのあとに残っているのである。この四次元構造(ミンコフスキー空間)は物質と場のにない手と考えられる。

慣性空間はそれに付属する時間とともに、線形なローレンツ変換によって相互に結びつくように、四次元基準系のうちでも特に選ばれたものである。

この四次元構造には“いま”を客観的に表す切断はもはや存在しないから、生起とか生成という概念は、確かにまったく棚上げされたわけではないが、面倒にはなっている。

それゆえ物理的実在を、これまでのように三次元的存在の生成として考えるかわりに、四次元的存在として考えるほうがずっと自然であると思われる。

 特殊相対性理論のこのような静止四次元空間は、H・A・ローレンツの静止三次元エーテルのいわば四次元類似体である。

この理論についてもまた、つぎの言明――すなわち、空間が前から与えられていて、独立に存在しているものであることを、物理的状態の記述においては前提にしている――があてはまる。

したがってこの特殊相対性理論もまた、“空虚な空間”という、自立した、まさにア・プリオリな存在にまつわるデカルトの不安を除いていない。この疑念が一般相対性理論によってどこまで克服できるかを示すことが、ここで初歩的な検討をしてきた本来の目的なのである。」

(アルベルト・アインシュタイン(1879-1955)A.Einstein著(金子努訳)「わが相対性理論」白揚社(1973年刊)FNの高校物理(分野別目次)
(索引:4次元的存在)

アルベルト・アインシュタイン(1879-1955)の命題集(Propositions of great philosophers)
(出典:wikipedia
アルベルト・アインシュタイン(1879-1955)
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