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2021年11月14日日曜日

26.この世界のエントロピーの低い部分aと他の部分bとの関係をみると、低い部分の「痕跡」を他の部分に見つけることができる。aは原因と呼ばれbは結果と呼ばれる。aは過去と呼ばれbは現在と呼ばれる。痕跡は記憶であり、過去は定まったものと感知させる。痕跡とは何か?それは、人間が見るものだ。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))

因果関係とは何か

この世界のエントロピーの低い部分aと他の部分bとの関係をみると、低い部分の「痕跡」を他の部分に見つけることができる。aは原因と呼ばれbは結果と呼ばれる。aは過去と呼ばれbは現在と呼ばれる。痕跡は記憶であり、過去は定まったものと感知させる。痕跡とは何か?それは、人間が見るものだ。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))

 「そうはいっても、記憶や因果、流れや「定まった過去と不確かな未来」といったものは、 ある統計的な事実、すなわち宇宙の過去の状態としてありそうになるものがあるという事実が もたらす結果にわたしたちが与えた名前でしかない。 

 原因や記憶や痕跡、さらには何百年何千年にもわたる人間の歴史のみならず、何十億年にわ たる壮大な宇宙の物語においても展開されてきたこの世界の成り立ちの歴史、これらすべてが はるか昔の事物の配置が「特殊」だったという事実から生じた結果にすぎないのである。   

そのうえ「特殊」というのは相対的な単語で、あくまで一つの視点にとって「特殊」なの だ。あるぼやけに関して特殊なのであって、そのぼやけは問題の物理系とこの世界の残りの部 分との相互作用によって定まる。したがって因果や記憶や痕跡やこの世界自体の出来事の歴史もまた、視点がもたらす結果でしかないのかもしれない。

ちょうど天空の回転が、この世界で のわたしたちの特殊な視点がもたらす結果であるように......。こうして非情にも、時間の研究は わたしたちを自分自身に引き戻す。わたしたちはついに、己と向き合ることになるのだ。」

  (カルロ・ロヴェッリ(1956-),『時間の順序』,日本語書籍名『時間は存在しない』,第3部 時間の源へ,第11章 対称性から生じるもの,p.166,NHK出版(2019),冨永星(訳))






時間は存在しない [ カルロ・ロヴェッリ ]






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