2020年5月14日木曜日

種苗法改正は(1)登録品種の海外流出防止のため,栽培地域を制限できるようにし(2)現在,認められている登録品種の自家増殖を許諾制に変更する。(3)個人で懲役10年以下,1000万円以下,法人で3億円以下の罰則を設ける(農林水産省)

登録品種の海外流出防止策

【種苗法改正は(1)登録品種の海外流出防止のため,栽培地域を制限できるようにし(2)現在,認められている登録品種の自家増殖を許諾制に変更する。(3)個人で懲役10年以下,1000万円以下,法人で3億円以下の罰則を設ける(農林水産省)】

登録品種
 (1)購入した登録品種を海外へ持ち出すこと
  (a)登録品種が販売された後に海外に持ち出されることは、現行法上は違法ではない。
  (b)対策:輸出先国又は栽培地域を指定できるようにする
   登録品種について、育成者権者が利用条件(国内利用限定、国内栽培地域限定)を出願時に付した場合は、利用条件に反した行為を育成者権者が制限できることとする。
 (2)登録品種を自家増殖後に海外へ持ち出すこと(違法)
  登録品種が自家増殖された後に海外に持ち出されることは違法であるが、増殖の実態が把握できないため抑止できない。
  (a)農業者の自家増殖は、認められている。
  (b)対策:農業者による増殖は、育成者権者の許諾を必要とする。
   ※育成者権侵害は、流通差止や損害賠償請求等民事上の措置に加え、
   個人:懲役10年以下、罰金1千万円以下
   法人:罰金3億円以下
   の刑罰の対象となる。

 「登録品種の海外流出
1 近年、諸外国で我が国の登録品種が海外に流出。
2 これは、我が国農産物の輸出に影響する。
3 登録品種が販売された後に海外に持ち出されることは、現行法上は違法ではない。
4 登録品種が自家増殖された後に海外に持ち出されることは違法であるが、増殖の実態が把握できないため抑止できない。

出願期限が切れたシャインマスカットが中国・韓国に流出
①外国人と思われる者、非農業者と思われる者に販売
②ホームセンターで登録品種の種苗が不特定多数に販売
(いずれも違法ではない)

紅秀峰が豪州で産地化
①栽培を山形県内に限っていたサクランボ品種「紅秀峰」を県内農業者が増殖
②増殖した種苗を、育成者権者に無断で豪州人に譲渡

輸出先国又は栽培地域を指定できるようにする
・登録品種について、育成者権者が利用条件(国内利用限定、国内栽培地域限定)を出願時に付した場合は、利用条件に反した行為を育成者権者が制限できることとする

・登録品種には
①登録品種であること、
②利用制限を行った場合はその旨の表示を義務づける

農業者の自家増殖にも育成者権の効力が及ぶこととする
・登録品種に限り農業者による増殖は育成者権者の許諾を必要とする
(禁止ではない)

※育成者権侵害は、
流通差止や損害賠償請求等民事上の措置に加え
個人:懲役10年以下、罰金1千万円以下
法人:罰金3億円以下
の刑罰の対象となる。



種苗法の一部を改正する法律案について(農林水産省)種苗法の一部を改正する法律案について(農林水産省)
(索引:登録品種の海外流出)

人気の記事(週間)

人気の記事(月間)

人気の記事(年間)

人気の記事(全期間)

ランキング

ランキング


哲学・思想ランキング



FC2