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2018年5月8日火曜日

8.推論式による通常の論理学がすべての学問に適用できるように、帰納法も、自然哲学だけでなく、残りの諸学、論理学・倫理学・政治学についても、適用される。(フランシス・ベーコン(1561-1626))

帰納法の適用範囲

【推論式による通常の論理学がすべての学問に適用できるように、帰納法も、自然哲学だけでなく、残りの諸学、論理学・倫理学・政治学についても、適用される。(フランシス・ベーコン(1561-1626))】

 「また人は次のように反対する、というよりむしろ疑いもするであろ、果して我々は自然哲学だけについて言うのか、それとも残りの諸学、論理学・倫理学・政治学についても、我々の方法で行なわるべきだと語っているのかと。

ところでたしかに我々は、言われたことはすべてについてであると解しており、そして事物を推論式で支配する通常の論理学が、単に自然的のみならずすべての学に及ぶごとく、「帰納法」によって進行する我々の論理学も、一切を包括するわけである。

というのは我々は怒り・恐れ・恥じらいその他同様のものについて、また政治的事例についても、〔自然〕誌および発見表を作り上げるし、また、寒熱や光や植物の生育等について劣らず、記憶・合成および分割・判断その他の精神的働きについても同様である。

とは言え我々のいう「解明」の仕方は、誌が用意され整序された後には、(通常の論理学のように)単に精神の働きおよび運びを見るだけではなく、事物の本性をも考察するのであるから、我々は精神をばあらゆる点で適切な仕方で、事物の本性に適用されるように指導する。」

(フランシス・ベーコン(1561-1626)『ノヴム・オルガヌム』アフォリズム 第一巻、一二七、p.191、[桂寿一・1978])
(索引:論理学、倫理学、政治学、帰納法)

ノヴム・オルガヌム―新機関 (岩波文庫 青 617-2)



(出典:wikipedia
フランシス・ベーコン(1561-1626)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「不死こそ、子をうみ、家名をあげる目的であり、それこそ、建築物と記念の施設と記念碑をたてる目的であり、それこそ、遺名と名声と令名を求める目的であり、つまり、その他すべての人間の欲望を強めるものであるからである。そうであるなら、知力と学問の記念碑のほうが、権力あるいは技術の記念碑よりもずっと永続的であることはあきらかである。というのは、ホメロスの詩句は、シラブル一つ、あるいは文字一つも失われることなく、二千五百年、あるいはそれ以上も存続したではないか。そのあいだに、無数の宮殿と神殿と城塞と都市がたちくされ、とりこわされたのに。」(中略)「ところが、人びとの知力と知識の似姿は、書物のなかにいつまでもあり、時の損傷を免れ、たえず更新されることができるのである。これを似姿と呼ぶのも適当ではない。というのは、それはつねに子をうみ、他人の精神のなかに種子をまき、のちのちの時代に、はてしなく行動をひきおこし意見をうむからである。それゆえ、富と物資をかなたからこなたへ運び、きわめて遠く隔たった地域をも、その産物をわかちあうことによって結びつける、船の発明がりっぱなものであると考えられたのなら、それにもまして、学問はどれほどほめたたえられねばならぬことだろう。学問は、さながら船のように、時という広大な海を渡って、遠く隔たった時代に、つぎつぎと、知恵と知識と発明のわけまえをとらせるのである。
(フランシス・ベーコン(1561-1626)『学問の進歩』第一巻、八・六、pp.109-110、[服部英次郎、多田英次・1974])(索引:学問の船)


フランシス・ベーコン(1561-1626)
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