統治行為論
【統治行為論は、政治問題については、裁判所よりも国民の意思が直接反映されている国会で判断するほうが民主主義に適合することに支えられている。不十分な審議経過と異常な議決によって成立した法律に対して、適用することはできない。(伊藤真(1958-))】「2 統治行為論について
仮に統治行為論を概念として肯定したとしても、本件訴訟は司法判断がなされるべき事案である。まず、砂川判決の統治行為類似の理論に従って今回の新安保法制法を判断するのであれば、「一見極めて明白に」違憲無効か否かの判断を避けて通ることはできない。
そもそも、統治行為論は、政治問題については、裁判所よりも国民の意思が直接反映されている国会で判断するほうが民主主義に適合することに支えられている。ところが、新安保法制法は先に述べたように不十分な審議経過と異常な議決によって成立し、権力間のバランスが崩れる中でなされたものであり、国会判断に敬意と謙譲を払うべき場面ではない。
仮に政治部門が憲法破壊を進める状況にありながらも、司法府が何もできないとしたら、憲法 81 条で違憲審査権が認められたことの意義が大きく減殺される。」
(出典:国家賠償請求訴訟 平成28年(ワ)13525号 2017年9月28日 第5回 口頭弁論 市民集会プログラムより抜粋<裁判資料・国家賠償請求訴訟<安保法制違憲訴訟の会)
(索引:統治行為論)
(出典:安保法制違憲訴訟の会)
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