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2020年5月1日金曜日

学ぶ必要がある。2008年の経済危機時、問題の原因となった銀行を膨大な税金で救済、労働者は失業、銀行の責任は問われず規制も曖昧となった。その後、新自由主義は正当化・強化され、世界中で貧富の格差が拡大した。(岸本聡子(1974-))

世界経済危機時の教訓

【学ぶ必要がある。2008年の経済危機時、問題の原因となった銀行を膨大な税金で救済、労働者は失業、銀行の責任は問われず規制も曖昧となった。その後、新自由主義は正当化・強化され、世界中で貧富の格差が拡大した。(岸本聡子(1974-))】
 「2008年、問題を起こした張本人である銀行だけを「大きすぎてつぶせない」と膨大な税金を使って救済し、多くの労働者を失業に追い込んだリーマン・ショック。銀行の責任も問わず、公的管理も及ばないばかりか、その後の国際金融取引の規制にもつながらなかった。当時、左派知識人や社会運動の反応は鈍く、連帯して明確な要求を政府に圧力をかけられなかった反省は深い。さらに新自由主義が正当化・強化され、文字通り「失われた10年」の間に世界中で貧富の格差は危険なまでに拡大したのだ。その時と今は随分様相が違っているように思える。社会運動も各国もかつての世界経済危機から学んでいる。」
第9回:コロナ危機下で人々の暮らしをどう守るのか(岸本聡子)岸本聡子マガジン9
(索引:リーマン・ショック,世界経済危機,新自由主義,貧富の格差)

(出典:トランスナショナル研究所
Satoko-Kishimoto(1974-)の命題集(Propositions of great philosophers) 「私は国家の役割について考えている。ニナが福祉国家の恩恵を受けて最後まで尊厳をもって過ごせたように、国家というのは一人の尊厳を守ることのできる力をもつ。それと同時に、今回の難民危機に見るように多くの人の命を奪うことができる力ももっている。
 国家は、私たちが目指す変化をもたらす主体なのか、変化を阻む張本人なのか。国家を民主化することは可能なのか、それとも真の民主主義は草の根にしかありえないのか。自治体の潜在力のみに戦略を集中するべきか、国家の変革を優先すべきか――これらはおそらく100年以上の間、左派の間で議論されてきた終わりのないテーマだ。今日的には、ミュニシパリズム、つまり国家よりも地域に根付いた自治体での民主主義を拡大し深めていくことに集中すべきなのか、ラディカルな地方政治の実現だけで満足していいのか、という問いになる。」(中略)「格差と生活苦に対する抵抗運動が起きているチリから、若き研究者であり活動家のアレキサンダーが登壇。「国家とともに(with)、国家に対抗して(against)、国家を超える(beyond)」戦略を見つけなくてはいけないと語っていた。(中略)「自治体が国家を待たずに、市民の命と尊厳を守るための行動を起こし、それによって国家に圧力をかけていく。そんな戦略も大ありだと、私は信じている。」
第8回:コロナ騒動のなか、あえて難民危機と国家について考える(岸本聡子)岸本聡子マガジン9
(索引:)

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