私という存在
【何事が君に起ろうとも、それは永遠の昔から君に用意されていたことなのだ。そしてもろもろの原因の交錯は永遠の昔から君の存在とその出来事とを結び合わせていたのだ。(マルクス・アウレーリウス(121-180))】「何事が君に起ろうとも、それは永遠の昔から君に用意されていたことなのだ。そしてもろもろの原因の交錯は永遠の昔から君の存在とその出来事とを結び合わせていたのだ。」
(マルクス・アウレーリウス(121-180)『自省録』第一〇巻、五、p.189、[神谷美恵子・2007])
(索引:私という存在)
(出典:wikipedia)
「波の絶えず砕ける岩頭のごとくあれ。岩は立っている、その周囲に水のうねりはしずかにやすらう。『なんて私は運が悪いんだろう、こんな目にあうとは!』否、その反対だ、むしろ『なんて私は運がいいのだろう。なぜならばこんなことに出会っても、私はなお悲しみもせず、現在におしつぶされもせず、未来を恐れもしていない』である。なぜなら同じようなことは万人に起りうるが、それでもなお悲しまずに誰でもいられるわけではない。それならなぜあのことが不運で、このことが幸運なのであろうか。いずれにしても人間の本性の失敗でないものを人間の不幸と君は呼ぶのか。そして君は人間の本性の意志に反することでないことを人間の本性の失敗であると思うのか。いやその意志というのは君も学んだはずだ。君に起ったことが君の正しくあるのを妨げるだろうか。またひろやかな心を持ち、自制心を持ち、賢く、考え深く、率直であり、謙虚であり、自由であること、その他同様のことを妨げるか。これらの徳が備わると人間の本性は自己の分を全うすることができるのだ。今後なんなりと君を悲しみに誘うことがあったら、つぎの信条をよりどころとするのを忘れるな。曰く『これは不運ではない。しかしこれを気高く耐え忍ぶことは幸運である。』」
(マルクス・アウレーリウス(121-180)『自省録』第四巻、四九、p.69、[神谷美恵子・2007])
(索引:波の絶えず砕ける岩頭の喩え)
マルクス・アウレーリウス(121-180)
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