2020年4月8日水曜日

17.(量子重力に関する仮説)質量に影響される重力場は揺らいで互いに重ね合わさり、相互作用が起きると持続時間は粒状になり、相互作用した相手との関わりにおいてのみその値が定まる。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))

時間とは何か

【(量子重力に関する仮説)質量に影響される重力場は揺らいで互いに重ね合わさり、相互作用が起きると持続時間は粒状になり、相互作用した相手との関わりにおいてのみその値が定まる。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))】

(1)(b)に追記。

時間とは何か?
 量子論は、実在する「事物」の状態の変化を記述しているのではなく、ある事物と他の事物の間のある相互作用から、起こり得る別の相互作用への推移の「過程」を記述する。相互作用の瞬間においてのみ「事物」の性質はあらわになる。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))
(1)
 (a)ある物理的な系A(対象系)
  (a.1)Aの状態 a1とは、情報(b.1)を表現している。
  (a.2)状態 a1は、未来におけるAとBの相互作用を予測する。
  (a.3)量子力学の粒性
   AとBの相互作用の結果、
   実現する可能性のあるBの結果 biの総数は、有限である。
  (a.4)不確定性
   Bからは、常に新しい情報 biを得ることが可能である。
 (b)他の物理的な系B(観測系)
  (b.1)時刻 t1において、
   AとBの相互作用の結果が、b1である。
  (b.2)これは、AとBが過去経験してきたあらゆる相互作用の最終結果である。
  (b.3)これは、未来におけるAとBの相互作用を予測可能にするための整理作業でもある。
   参考:(量子重力に関する仮説)質量に影響される重力場は揺らいで互いに重ね合わさり、相互作用が起きると持続時間は粒状になり、相互作用した相手との関わりにおいてのみその値が定まる。

(2)
 (a)ある物理的な系A(対象系)
  (a.1)Aの状態 a2とは、情報(b.1)を表現している。
 (b)他の物理的な系B(観測系)
  (b.1)時刻 t2において、
   AとBの相互作用の結果が、b2である。
(3)
 (a)ある物理的な系A(対象系)
  (a.1)Aの状態 a3とは、情報(b.1)を表現している。
 (b)他の物理的な系B(観測系)
  (b.1)時刻 t3において、
   AとBの相互作用の結果が、b3である。
 「時間の持続と隔たりを定める物理的な基層、すなわち重力場に、質量に影響される力学があるだけではない。

それは、何かほかのものと相互作用しないかぎり値が決まらない量子実体でもある。

相互作用が起きると持続時間は粒状になり、相互作用した相手との関わりにおいてのみその値が定まる。それでいて、宇宙のそのほかのすべてに対しては、不確かなままなのだ。
 時間は関係のネットワークのなかに溶け去り、もはや首尾一貫したキャンパスを織り上げてはいない。

揺らいで互いに重ね合わさり、特定のものに対しては具体になることもある(複数の)時空のイメージは、わたしたちからすればきわめて曖昧な像だが、微細な粒からなるこの世界に関していえることは、これで精一杯。わたしたちは今、量子重力の世界を覗いているのだ。」
(カルロ・ロヴェッリ(1956-),『時間の順序』,日本語書籍名『時間は存在しない』,第1部 時間の崩壊,第5章 時間の最小単位,p.92,NHK出版(2019),冨永星(訳))
(索引:時間とは何か)

時間は存在しない

カルロ・ロヴェッリ(1956-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)
(出典:wikipedia
カルロ・ロヴェッリ(1956-)
カルロ・ロヴェッリの関連書籍(amazon)
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