2024年4月22日月曜日

行動査定と行動変容の間の密接な関係は機能分析、つまり刺激条件の変化と選択された行動パターンの変化の間の密接な共変動の分析において最も明らかである(ウォルター・ミシェル(1930-2018)

 行動査定と行動変容の間の密接な関係は機能分析、つまり刺激条件の変化と選択された行動パターンの変化の間の密接な共変動の分析において最も明らかである(ウォルター・ミシェル(1930-2018)

 「ある子どもの読書の問題が、視力の悪さによって引き起こされると仮定したら、矯正メガネや矯正手術のような適切な治療をすれば、例えば読書行動の向上など、行動上の変化がもたらされるはずである。

心理的原因に関しても、同じであるのは間違いない。例えば、もし子どもの読書の困難さが、読書するようにという母親からの圧力についての不安で引き起こされていると信じるなら、母親が圧力を減少させたとき、読書行動に期待された改善が生じるかどうか、試してみるべきである。

つまり、行動を完全に理解するには、それを引き起こす条件を知る必要がある。条件の変化が反応パターンの予測された変化を生じさせることを示すことができたとき、それら条件の意味を理解できたと、確信をもっていうことができる。

 行動査定と、例えば行動の変化などの治療との間の明確な区別は、このように考えると、意味はないし可能でもない。実際、行動査定における最も重要な革新のいくるかは、問題行動を変容させる治療的努力から派生している。

これらの査定方法の主要な特徴は、それらが行動変容と密接に結びついており、実際に行動変容とは分離することはできないということである。

 行動査定と行動変容の間の密接な関係は機能分析、つまり刺激条件の変化と選択された行動パターンの変化の間の密接な共変動の分析において最も明らかである。そのような機能分析は、行動査定の基本であり、そのことは行動を系統的に変化させようとする研究において最もはっきりと示される。」

(ウォルター・ミシェル(1930-2018),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅳ部 行動・条件づけレベル、第11章 行動の分析と変容、pp.342-343、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳))

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