2018年5月26日土曜日

全体体系において上位の学問や普遍学ないしは発見術をもとにして、当該学問の全体を再生できるような公理や経験則を基礎づけることで、全体系が整合する。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))

諸学問の体系

【全体体系において上位の学問や普遍学ないしは発見術をもとにして、当該学問の全体を再生できるような公理や経験則を基礎づけることで、全体系が整合する。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】
 ある学問は、その学問を生む機会と手段を与えた経験上の観察事項や精神の所見からなるごくわずかの命題に依存する。そのような命題は、仮にその学問が消失したとした場合に、再生させるのにはそれだけで十分足りるような命題である。また、その学問に十分専念しようと思った場合に、教師なしに学ぶためにはそれだけで足りるような命題である。そのような命題を、すでに知られているとされるある上位の学問の規則を結合しなければならない。その上位の学問とは、時には普遍学ないしは発見術であったり、時には他の学問であったりするところの、問題となっているその学問がその下位の部門であるような学問である。

上位の学問の規則
(普遍学ないしは発見術)
(他の学問)
   │
   ↓
経験上の観察事項や精神の所見からなるごくわずかの命題
(この命題を基礎にすれば、この学問全体を再生することができる命題)
(この命題を基礎にすれば、教師なしでも学ぶことができるような命題)

 「学問を発見する原理についていえば、重要なのは、おのおのの学問は普通、学問を生む機会と手段を与えた経験上の観察事項や精神の所見からなるごくわずかの命題に依存するということである。そのような命題とは、仮にその学問が消失したとした場合に、再生させるのにはそれだけで十分足りるような命題である。それはまた、その学問に十分専念しようと思った場合に、教師なしに学ぶためにはそれだけで足りるような命題である。ただし、そうするには普通は、そのような命題に、すでに知られているとされるある上位の学問の規則を結合しなければならない。その上位の学問とは、時には普遍学ないしは発見術であったり、時には他の学問であったりするところの、問題となっているその学問がその下位の部門であるような学問である。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『諸学問を進展させるための格率』、ライプニッツ著作集10、p.255、[小林道夫・1991])
(索引:諸学問の体系)

中国学・地質学・普遍学 (ライプニッツ著作集)



(出典:wikipedia
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「すべての実体は一つの全たき世界のようなもの、神をうつす鏡もしくは全宇宙をうつす鏡のようなものである。実体はそれぞれ自分の流儀に従って宇宙を表出するが、それはちょうど、同一の都市がそれを眺める人の位置が違っているのに応じて、さまざまに表現されるようなものである。そこでいわば、宇宙は存在している実体の数だけ倍増化され、神の栄光も同様に、神のわざについてお互いに異なっている表現の数だけ倍増化されることになる。また、どの実体も神の無限な知恵と全能という特性をいくぶんか具えており、できる限り神を模倣している、とさえ言える。というのは、実体はたとえ混雑していても、過去、現在、未来における宇宙の出来事のすべてを表出しており、このことは無限の表象ないしは無限の認識にいささか似ているからである。ところで、他のすべての実体もそれなりにこの実体を表出し、これに適応しているので、この実体は創造者の全能を模倣して、他のすべての実体に自分の力を及ぼしていると言うことができる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『形而上学叙説』九、ライプニッツ著作集8、pp.155-156、[西谷裕作・1990])

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