2021年11月26日金曜日

地球上の広大で複雑な生命の情報ネットワークは、細菌から人間 社会まで、あらゆるレベルの個体や集団どうしの情報交換によって編み上げられている。社会性昆虫は、その興味深い中間段階の一例である。(ポール・デイヴィス(1946-))

生命のネットワーク

地球上の広大で複雑な生命の情報ネットワークは、細菌から人間 社会まで、あらゆるレベルの個体や集団どうしの情報交換によって編み上げられている。社会性昆虫は、その興味深い中間段階の一例である。(ポール・デイヴィス(1946-))

「社会性昆虫は、生命の組織構造に関して興味深い中間段階に位置しており、その情報処理のしくみ は特別な関心が持たれている。しかし地球上の広大で複雑な生命のネットワークは、細菌から人間 社会まで、あらゆるレベルの個体や集団どうしの情報交換によって編み上げられている。ウイルスで さえ、世界中をうようよする移動可能な情報の束とみなすことができる。このように生態系全体を情報の流れと保存のネットワークとしてとらえると、いくつか重要な疑問が浮かんでくる。たとえば、 遺伝子制御ネットワークから深海の熱水噴出口の生態系、さらには熱帯雨林へと、複雑さ階層を上 がるにつれて、情報の流れの特徴は何らかのスケーリング則に従うのだろうか? 地球上の生命全 体が、何らかの明確な情報の特色やモチーフによって特徴付けられるのは、ほぼ間違いないだろう。 そして、もし地球上の生命に特別な点が何一つないとしたら、ほかの天体の生命も同じスケーリング 則に従って同じ性質を示すと予想でき、太陽系外惑星で生命の決定的な証拠を探す取り組みにとってそれは大きな助けになるだろう。」

(ポール・デイヴィス(1946-),『機械の中の悪魔』(日本語書籍名『生物の中の悪魔』),第3章 生命のロジック,p.136,SBクリエイティブ,2019,水谷淳)


生物の中の悪魔 「情報」で生命の謎を解く [ ポール・デイヴィス ]





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