世界3の符号としての世界1、世界2の対象
【世界2は、直接的に世界3への関係を持つのではなく、世界1を経由しているのではないか。世界2は、世界3の符号である世界1の対象、または世界2の対象へ働きかけることで、新たな世界3を生成する。(ジョン・エックルス(1903-1997))】(b2.3)追加記載。
(b2)世界3は、世界2との相互作用によって、新たな世界3を生成する。
時間1 世界1・P1(世界3・C1⇔世界2・M1)
│ │ │┌───┘
↓ ↓ ↓↓
時間2 世界1・P2(世界3・C2⇒世界2・M2)
(b2.3)世界2は、直接的に世界3への関係を持つのではなく、世界1を経由しているのではないか。世界2は、世界3の符号である世界1の対象、または世界2の対象へ働きかけることで、新たな世界3を生成する。
(b2.3.1)世界3の対象は、世界1の物質的対象の上に符号化されている。
(b2.3.2)世界2は、世界1の符号から意識経験を引き出している。
(符号)⇔(符号の意識経験)⇔(世界3)
世界1・S1⇔世界2・S1⇔世界3・C1
世界1・S2⇔世界2・S2⇔世界3・C2
(b2.3.3)世界2は、世界3の符号である世界1の対象へ働きかけることで、新たな世界3を生成する。
時間1 世界1・P1⊃世界1・S1⇔世界2・S1⊂世界2・M1
│ │ │ ↓↑ │
│ │ │ 世界3・C1 │
│ │ │┌─────────┘
↓ ↓ ↓↓
時間2 世界1・P2⊃世界1・S2⇔世界2・S2⊂世界2・M2
↓↑
世界3・C2
(b2.3.4)世界2は、世界3の符号である世界2の対象へ働きかけることで、新たな世界3を生成する。
時間1 世界1・P1 世界2・S1⊂世界2・M1
│ │ │↓↑ │
│ │ │世界3・C1 │
│ │ │┌────┘
↓ ↓ ↓↓
時間2 世界1・P2 世界2・S2⊂世界2・M2
↓↑
世界3・C2
「E――『エンカウンター』誌にカールが提出した論文「非決定論は十分でない」についての議論をしましょう。
私の言いたい第一のことは、世界1、2、3の関係についてです。世界1は世界2に対して因果的に開いていなければならない、という言明にはまったく賛成ですが、世界2の世界3への直接的な行動による因果的な開放性について語るならば、誤解が生じるのではないかと感じられます。
その間には常に世界1を通しての段階が挿入されていると言いたいのです。
これはもちろん、ある物質対象の上に符号化された世界3の表現から意識経験を導き出しているならば、十分明らかなことです。
すると明らかに、意識経験は、受容と伝達の世界1の段階のすべてを通して起こっている感覚を介して知覚されねばなりません。
他方、特別な領野での大脳のいくつかの記憶過程によってニューロン回路に世界3が符号化されるより十分な条件があります。
その場合でさえ、私が強調するのは、意識経験はニューロン結合の中に符号化される世界3を世界1から取り出さなければならない、ということです。
P――世界3が大脳に符号化されると言う代わりに、世界3の対象は大脳に記録される、そしてそれゆえ、いわば具現化される、と言うべきではないでしょうか。
P――世界3が大脳に符号化されると言う代わりに、世界3の対象は大脳に記録される、そしてそれゆえ、いわば具現化される、と言うべきではないでしょうか。
世界3の全体はどこにもありません。しばしば具現化され、それゆえ、局在化できるのは、いくつかの個々の世界3の対象だけなのです。
E――それら対象は記憶として思い出され、表現できます。しかし、そこにおいてさえ、世界3の対象は、いわばニューロンの仕組みの上に符号化され、それから自己意識的な心の働きによって抽出されなければなりません。
ですから、ある意味で、この連関に入ってくる世界1があるのです。このことはまったくつまらないことだとは思いますが、それに触れたいのです。
というのは、自己意識的な心、つまり世界2と、外部世界、または大脳いずれかの中で対象上に符号化された情報(世界3)との間には、ある直接的な関係(透視(clairvoyance))があるらしいことがいくつかの批判によって指摘できるからです。
結局、「非決定論は十分ではない」の中で語られた話はもちろん受け入れることができます。私がしたいのはささいな批判にすぎないのです。」
(ジョン・エックルス(1903-1997)『自我と脳』第3部、DX章、(下)pp.763-764、思索社(1986)、西脇与作(訳))
(索引:世界3の符号)
(出典:wikipedia)
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(ジョン・エックルス(1903-1997)『自我と脳』第3部、DX章、(下)pp.763-764、思索社(1986)、西脇与作(訳))
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