市場支配力を抑制すれば、より公平で、より力強いアメリカ経済を維持できるはずだ(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-)
「支配力が増すと、競争が減少する
■競争は、成功する経済には必須の特性であり、企業を効率的にし、価格を下げさせる。競争は市場関係者の力を制限し、彼らに都合のよい経済および政治成果を摘み取る。
■アメリカ経済のかなりの部分が、この競争の理想型からかけ離れた場所をさまよってきた。市場支配力が、人々の快適な暮らしや経済実績全体にとって重要な領域で大きな役割を演じている。
■テクノロジーとグローバル化における変化は、市場支配力の増大に一定の役割を担ってきた。しかし、政府が選択した明確な政策も同様だ。多くの場合、政府は市場支配力を抑制しない方向を選んできた。
■このような活動は経済効率を低下させ、人々の意欲を失わせうるので、市場支配力を抑制すれば、より公平で、より力強いアメリカ経済を維持できるはずだ。」
(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『アメリカ経済のルールを書き換える』(日本語書籍名『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』),第1部 世界を危機に陥れた経済学の間違い,第1章 “自由な市場”が何を引き起こしたか,pp.60-61,徳間書店(2016),桐谷知未(訳))
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