無意識
【精神のうちには、精神が意識してはいない多くのものがありうるのではないか。(アントワーヌ・アルノー(1612-1694))】「書き落としたことをひとつ付け加えておきます。尊敬すべき著者が確実であると断定なさっていること、すなわち、「思惟する事物としての、彼[デカルト]のうちには、彼が意識していないものは、何ものもありはしない。」ということは、虚偽であると私には思えるのです。と申しますのも、思惟する事物としての彼[という言葉]によって、著者は、身体と区別されている限りにおいての、彼の精神だけを知解しているのです。ですが、精神のうちには、精神が意識してはいない多くのものがありうることを、分からない人がいるでしょうか? 胎児の精神は、思惟する力を有していますが、それを意識してはいないのです。これに類する多くのことは省くことにいたします。」
(アントワーヌ・アルノー(1612-1694)『省察 第四反論』デカルト著作集[二]、p.260、[廣田昌義・1993])
(索引:無意識)
(出典:wikipedia)
アントワーヌ・アルノー(1612-1694)