必然的命題と偶然的命題
【必然的命題と偶然的命題の違いは? 可能な命題とは? 真なる偶然的命題、偽なる偶然的命題とは? (ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】真なる必然的命題:自同命題に還元される命題、あるいはその対立命題が矛盾命題に還元される命題。
不可能な命題:矛盾命題に還元される命題、あるいはその対立命題が自同命題に還元されるような命題。
以上は、数学の命題についての真偽である。この世界についての命題については、以下のとおり。
可能な命題:それから決して分解において矛盾が生じないであろうことが証明され得る命題。
しかし、分解を継続して、いかなる矛盾も生じないであろうことが確実であるだけで、真理性を証明するのに十分であるか疑問であると思われる。何故ならばそこから、すべての可能なものは真であることが帰結するからである。したがって、私たちはこの命題を真なる必然的命題と呼ぶことはできない。
真なる偶然的命題:無限に継続される分解を必要とする命題。
しかし、真なる偶然的命題は、経験によって、この命題が真であることがあり得ないと証明される可能性がつねに存在する。これが「偶然的」の意味である。
偽なる偶然的命題:偽なることが証明されるのは、その真である証明があり得ないということによってのみであるような命題。
「六〇――またここから必然的真理と他の真理の区分を論ずることができると考えられる。即ち必然的な真なる命題は自同命題に還元される命題、あるいはその対立命題が矛盾命題に還元される命題である。不可能な命題は矛盾命題に還元される命題、あるいはその対立命題が自同命題に還元されるような命題である。
六一――可能な命題は、それから決して分解において矛盾が生じないであろうことが証明され得る命題である。真なる偶然的命題は無限に継続される分解を必要とする命題である。偽なる偶然的命題は、その偽なることが証明されるのはその真である証明があり得ないということによってのみであるような命題である。真理性を証明するのに、分解を継続して、いかなる矛盾も生じないであろうことが確実であるだけで十分であるか疑問であると思われる。何故ならばそこから、すべての可能なものは真であることが帰結するからである。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『概念と真理の解析についての一般的研究』六〇~六一、ライプニッツ著作集1、pp.171-172、[澤口昭聿・1988])
(索引:必然的命題、偶然的命題、可能な命題、不可能な命題)
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(出典:wikipedia)
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(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『形而上学叙説』九、ライプニッツ著作集8、pp.155-156、[西谷裕作・1990])
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)
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