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2020年5月9日土曜日

「xが必要である」という言明は,もしxが奪われれば,互恵性や協調を支える規範遵守の再検討が公言可能で,しかも道徳的なことであると感受されるような社会道徳の存在を前提に,xに対する要求権や権原を生み出す。(デイヴィッド・ウィギンズ(1933-))

「xが必要である」という言明

【「xが必要である」という言明は,もしxが奪われれば,互恵性や協調を支える規範遵守の再検討が公言可能で,しかも道徳的なことであると感受されるような社会道徳の存在を前提に,xに対する要求権や権原を生み出す。(デイヴィッド・ウィギンズ(1933-))】

「xが必要である」という言明
(1)要求権、権原
 xに対する抽象的な要求権や権原を生み出す。
(2)社会道徳Sの存在
 (1.1)社会道徳Sの目的
  (a)人々は、自ら身を立てることができる。
 (1.2)社会道徳S
  (a)Sによって維持されている互恵性や協調という規範が存在する。
  (b)Sが社会道徳であるとは、コンセンサスの取り消しが、Sの内部ですら理解可能で自然なことであるということが判明するような、何らかの条件が確かに存在するということである。
  (c)規範遵守の再検討を公言可能にする理由
   (i)規範に対するその当該人物の遵守を再検討するために、Sの内部で公言可能かつ公的に持続可能であるような理由が存在する。
   (ii)規範遵守の再検討の公言は、協調への期待に依拠する共有された感受性の内側で、道徳的に理解され得るものとみなされる。


「あるニーズ言明の場合、それらの言明は、あるものに対するニーズを伝えるのだが、そのものが必要となるということは、そのものに対する抽象的な権利や権原をまさに生み出すものの一部である。ここで示唆されているのは次のことである。すなわち、実際に存続しており、自ら身を立てるという共有された関心事を行為者に提案することに成功しているような、そうしたある社会道徳Sの目的のために、《条件Cのもとでのxに対する抽象的な要求権や権原》が存在する。そう言えるのはまさに以下の場合である。すなわち、《xは、それが条件Cのもとで否定されたり奪われたりすることで、否定され奪われた当該人物に、ある理由の部分ないしはすべてが与えられる(また、与えていると思われうる)ような何かであり、その理由とは、Sによって維持されている互恵性や協調という規範に対するその当該人物の遵守を再検討するために、Sの内部で公言可能かつ公的に持続可能であるような理由である》、という場合である。要するに、もしそのような場合にxを奪われた犠牲者が、口にされたか前もって口にされなかったかする協調への期待のなかで、われわれを失望させるのならば、そのことは、この期待に依拠する共有された感受性の内側で道徳的に理解されうるものとみなされる、ということである。
 ある権利の存在のためのこうしたきわめて差し迫った条件がもつ完全な意味合いをつかむためには、それが依拠する想定を述べることが役立つであろう。それは、以下のような想定である。すなわち、コンセンサスの取り消しがS《の内部ですら》理解可能で自然なことであるということが判明するような《何らかの》条件――言い換えれば、Sに属する誰かが自らを不正に(それどころか正当化不可能な仕方で)犠牲になってきた者だと考えることをSが少なくとも許容するような何らかの条件――が確かに存在していたのでない限り、Sが社会道徳とみなされることはほとんどありえない、という想定である。」
(デイヴィッド・ウィギンズ(1933-)『ニーズ・価値・真理』第1章 ニーズの要求、17、pp.41-42、勁草書房(2014)、大庭健(監訳)・奥田太郎(訳))
(索引:ニーズ,ニーズの要求,社会道徳,要求権,権原,規範遵守の再検討)

ニーズ・価値・真理: ウィギンズ倫理学論文集 (双書現代倫理学)



(出典:Faculty of Philosophy -- University of Oxford
デイヴィッド・ウィギンズ(1933-)の命題集(Propositions of great philosophers)

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