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2021年11月26日金曜日

物性理論では、系の時間発展を支配する法則と、系の状態とがはっきりと区別されている。しかし生物学の場合、法則は系の状態に依存する。(状態の関数としての法則、自己言及性)典型例がゲノムである。ゲノムはプログラム(法則)であり、データ(系の状態)でもある。(ナイジェル・ゴールデンフェルド(1957-))

自己言及性

物性理論では、系の時間発展を支配する法則と、系の状態とがはっきりと区別されている。しかし生物学の場合、法則は系の状態に依存する。(状態の関数としての法則、自己言及性)典型例がゲノムである。ゲノムはプログラム(法則)であり、データ(系の状態)でもある。(ナイジェル・ゴールデンフェルド(1957-))







「状態の関数として変化する法則は、「システムの振る舞いがシステムの状態に依存する」という自己言及の概念を一般化したものと言える。 第三章で述べたとおり、チューリングやフォン・ノイマンの研究によれば、万能コンピューティングと複製の両方において自己言及の概念はその中核をなして いる。法則は不変でなければならないという厳しい条件を緩めて、 自己言及の概念を考慮に入れるに は、科学と数学のまったく新たな分野が必要で、それはいまだほぼ未開拓である。この方法論の有望 さを認識している一握りの理論家の一人である、イリノイ大学の物理学者ナイジェル・ゴールデンフ エルドは、次のように書いている。 「自己言及は進化の適切な理解に欠かせない部分であるはずだが、 表立って考慮されることはめったにない」。ゴールデンフェルドは、生物学と相対するものとして、 物理学における物性理論などの一般的なテーマを挙げている。 「物性理論では、系の時間発展を支配 する法則と、系そのものの状態とがはっきりと区別されていて、 ······支配する方程式はその方程式自 体の解に依存しない。しかし生物学の場合、状況は違う。 系の時間発展を支配する法則は抽象的なも のにコード化されていて、そのもっともあからさまな例がゲノムそのものである。系が時間発展する とともにゲノム自体が変化し、それによって支配する法則自体も変化する。コンピュータ科学の観点 から見れば、物理世界はプログラムとデータという二つの相異なる要素によってモデル化されると考 えることができる。しかし生物の世界では、プログラムがデータで、 データがプログラムである」」

(ポール・デイヴィス(1946-),『機械の中の悪魔』(日本語書籍名『生物の中の悪魔』),エピローグ,pp.281-282,SBクリエイティブ,2019,水谷淳)

生物の中の悪魔 「情報」で生命の謎を解く [ ポール・デイヴィス ]





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