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2020年6月16日火曜日

無意識の精神機能が、持続時間500ms以上で意識化されるとする仮説は、意識されない刺激、知覚でも、意識的な知覚、選択、行為に影響を与え得ることを示唆する。(サブリミナル効果、プライミング)(ベンジャミン・リベット(1916-2007))

サブリミナル効果

【無意識の精神機能が、持続時間500ms以上で意識化されるとする仮説は、意識されない刺激、知覚でも、意識的な知覚、選択、行為に影響を与え得ることを示唆する。(サブリミナル効果、プライミング)(ベンジャミン・リベット(1916-2007))】

サブリミナル知覚
 (1)意識的でない知覚
  サブリミナル(閾下)の刺激に対して意識的な自覚が本人にない場合でも、そのサブリミナル刺激を無意識に知覚できる可能性がある。
 (2)普通の自然な感覚における意識できな知覚
  サブリミナルとアウェアネスを生み出す閾値上の感覚刺激の強さ、持続時間などの違いが通常小さいので、普通な自然の感覚刺激が使われる場合、立証するのはより難しくなる。
 (3)実験で確認されたもの
  意識を伴うアウェアネスにまでは到達しないような刺激が提示された後で、テスト時に加えられたさまざまな操作において、サブリミナル刺激の影響が現れる。
  (a)事例
   図や言葉を視覚的に提示した時間が1~2msのため、被験者はその内容にまったく気づかないにもかかわらず、言語連想法のテストにおける被験者の反応の選択に影響を与えた。
  (b)プライミング
   閾値より下であっても上であっても、すなわち見えたという自覚がなくてもあっても、図や言葉が先に提示されていると、その刺激または関連刺激への活性化が高まり、処理されやすくなる、あるいは選ばれやすくなる効果がある。

 「(10) サブリミナル知覚、つまりサブリミナル(閾下)の刺激に対して意識的な自覚が本人にない場合でも、そのサブリミナル刺激を無意識に知覚できる可能性が明らかにあります。このことについての直接的な証拠が、私たちのタイム-オン理論の実験的検証(この章の冒頭での議論を参照)に現われていました。サブリミナル知覚は、普通な自然の感覚刺激が使われる場合、立証するのがより難しくなります。これは、サブリミナルと(アウェアネスを生み出す)閾値上の感覚刺激の(強さ、持続時間などの)違いが通常小さいことからきています。しかし、かなり多くの間接的な証拠が、サブリミナル知覚の存在をサポートしています。これらの証拠は主に、意識を伴うアウェアネスにまでは到達しないような刺激が提示された後で、テスト時に加えられたさまざまな操作から得られたものです。こうした刺激提示後のテストでの被験者の反応には、単独ではアウェアネスを生み出さない、以前のサブリミナル刺激の影響が現れているのです。ハワード・シェヴリン(1973年)が行った初期の研究では、図や言葉を視覚的に提示した時間が非常に短かった(1~2ミリ秒間)ため、被験者はその内容にまったく気づきませんでした。しかし、その後の検査によって、これらの識閾外の内容は言語連想法のテストにおける被験者の反応の選択に影響を与えていたことがわかりましたが、被験者はこれらの影響い気づかないままでした。テストを受けた被験者ののちの反応が、識閾外の言葉の刺激によって「プライムされる」(すなわち促進される)のです。[訳注=閾値より下であっても上であっても、すなわち見えたという自覚がなくてもあっても、図や言葉が先に提示されていると、その刺激または関連刺激への活性化が高まり、処理されやすくなる、あるいは選ばれやすくなる効果を指して「プライミング」という。これは視覚に限らず、聴覚などでも生じることが知られている。]」
(ベンジャミン・リベット(1916-2007),『マインド・タイム』,第3章 無意識的/意識的な精神機能,岩波書店(2005),pp.137-138,下條信輔(訳))
(索引:サブリミナル効果,プライミング)

マインド・タイム 脳と意識の時間


(出典:wikipedia
ベンジャミン・リベット(1916-2007)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「こうした結果によって、行為へと至る自発的プロセスにおける、意識を伴った意志と自由意志の役割について、従来とは異なった考え方が導き出されます。私たちが得た結果を他の自発的な行為に適用してよいなら、意識を伴った自由意志は、私たちの自由で自発的な行為を起動してはいないということになります。その代わり、意識を伴う自由意志は行為の成果や行為の実際のパフォーマンスを制御することができます。この意志によって行為を進行させたり、行為が起こらないように拒否することもできます。意志プロセスから実際に運動行為が生じるように発展させることもまた、意識を伴った意志の活発な働きである可能性があります。意識を伴った意志は、自発的なプロセスの進行を活性化し、行為を促します。このような場合においては、意識を伴った意志は受動的な観察者にはとどまらないのです。
 私たちは自発的な行為を、無意識の活動が脳によって「かきたてられて」始まるものであるとみなすことができます。すると意識を伴った意志は、これらの先行活動されたもののうち、どれが行為へとつながるものなのか、または、どれが拒否や中止をして運動行動が現れなくするべきものなのかを選びます。」
(ベンジャミン・リベット(1916-2007),『マインド・タイム』,第4章 行為を促す意図,岩波書店(2005),pp.162-163,下條信輔(訳))
(索引:)

ベンジャミン・リベット(1916-2007)
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