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2019年4月10日水曜日

レントシーキングに都合の悪い規制の廃止、緩和方法:(a)規制の取り込み(規制対象セクターへの天下り)、(b)認知の取り込み(ロビー活動、規制当局の人事への影響力の行使)。(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))

レントシーキングに都合の悪い規制の廃止、緩和方法

【レントシーキングに都合の悪い規制の廃止、緩和方法:(a)規制の取り込み(規制対象セクターへの天下り)、(b)認知の取り込み(ロビー活動、規制当局の人事への影響力の行使)。(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))】

(4.3)(a)追記

 (4.3)都合の悪い規制の廃止、緩和
  レントシーキングに都合の悪い法律が作られないようにする。政府の規制は少ない方がいい。
  (a)ロビー活動と選挙支援に巨額の資金を投資することで、政策決定に影響力を行使する。
   (a.1)規制の取り込み
    (i)政治的影響力を使って、自分の意見に近い人々を規制当局へ送り込む。
    (ii)規制当局者が退任した後、規制対象のセクターへ天下りさせ、太っ腹な報酬で迎える。
   (a.2)認知の取り込み
    (i)大量のロビイストを送り込む。
    (ii)何らかの方法で“取り込み済み”の人々が規制当局者に任命されるよう、政府に対して働きかける。
    (iii)逆に「市場には自らを規制する能力があり、銀行には自らのリスクを管理する能力がある」という業界の綱領を踏みはずす候補者が現れれば、途方もなく大きな抗議の声によって、人事案を葬り去る。
  (b)反競争的行為が法律で禁止されないようにする。
  (c)仮に法律が存在する場合は、実効的な取り締まりが行なわれないようする。
  (d)法律家たちのインセンティブ。
   法律は複雑な方が、都合がよい。顧客に法律の回避方法を指南し、また法律の抜け穴を利用した複雑な取引を組み立て、合法的に見える契約をお膳立てし、レントシーキングと独占力を維持することが可能となる。

 「認知の取り込み
 “公正な”ゲームに勝利する能力と、ゲームのルールを設定する能力は、まったく別のものだ。

特定の人々の勝率が上がるようルールを設定する能力も別物であり、参加者が審判を選べれば、状況はもっと悪くなる。

現在、多くのセクターで規制当局が監督の任(ルールと規制の設定および執行)に就いている。たとえば、電気通信セクターでは連邦通信委員会(FCC)、証券セクターでは証券取引委員会(SEC)、銀行セクターのさまざまな分野では連邦準備銀行。

ここで問題となるのは、各セクターの有力者たちが政治的影響力を使って、自分の意見に近い人々を規制当局へ送り込んでしまうことだ。

 経済学者はこれを“規制の取り込み”と呼ぶ。

規制当局者が取り込まれる背景には、金銭的インセンティブが存在する場合もある。

なぜなら、彼らは規制対象のセクターから選ばれ、やがては規制対象のセクターへ戻っていくからだ。彼らのインセンティブは、残りの社会のインセンティブより、古巣のインセンティブのほうと一致している。規制当局者がセクターのために尽力すれば、退任後には太っ腹な報酬が待ち受けているのだ。

 しかし、取り込ま
れる動機が金だけとは限らない。規制当局者の思考様式が、規制対象者の思考様式に取り込まれてしまう場合もある。これは社会学的な現象で、“認知の取り込み”と呼ばれる。

アラン・グリーンスパンもティム・ガイトナーも大銀行で働いた経験はないが、連銀に来て以降、銀行業界に対して自然な親近感を抱いていった。ひょっとすると、同じ考え方を共有していたかもしれない。

銀行家たちはみずから大混乱を招いておきながら、政府救済のひきかえとして銀行にきびしい条件を課すべきでないと考えていた。

 規制に何らかの役割を果たしている人々全員に、銀行を規制するべきではないという主張を受け入れさせるため、これまで銀行業界は大量のロビイストを送り込んできた(推定では連邦議員1人あたり2.5人)。

しかし、ターゲットが初めから業界寄りの意見を持っていれば、説得の作業はたやすくなる。だからこそ銀行業界とそのロビイストたちは、何らかの方法で“取り込み済み”の人々が規制当局者に任命されるよう、政府に対して猛烈な働きかけを行なっているのだ。

逆に、考えのちがう人々が任命されそうになると、候補者が同じ業界の出身者であろうと、銀行家たちは拒否権を発動しようとする。

FRBの人事案が漏れるたびに繰り返されるこの動きを、わたしが初めて目の当たりにしたのはクリントン政権時代だった。

現在でも、市場にはみずからを規制する能力があり、銀行にはみずからのリスクを管理する能力がある、という業界の綱領を踏みはずす候補者が現れれば、途方もなく大きな抗議の声によって、人事案の提出は見送られるだろう。たとえ提出されても、議会の承認は決して得られないだろう。」 

(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『不平等の代価』(日本語書籍名『世界の99%を貧困にする経済』),第2章 レントシーキング経済と不平等な社会のつくり方,pp.96-98,徳間書店(2012),楡井浩一,峯村利哉(訳))
(索引:レントシーキング,規制の取り込み,認知の取り込み)

世界の99%を貧困にする経済


(出典:wikipedia
ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「改革のターゲットは経済ルール
 21世紀のアメリカ経済は、低い賃金と高いレントを特徴として発展してきた。しかし、現在の経済に組み込まれたルールと力学は、常にあきらかなわけではない。所得の伸び悩みと不平等の拡大を氷山と考えてみよう。
 ◎海面上に見える氷山の頂点は、人々が日々経験している不平等だ。少ない給料、不充分な利益、不安な未来。
 ◎海面のすぐ下にあるのは、こういう人々の経験をつくり出す原動力だ。目には見えにくいが、きわめて重要だ。経済を構築し、不平等をつくる法と政策。そこには、不充分な税収しか得られず、長期投資を妨げ、投機と短期的な利益に報いる税制や、企業に説明責任をもたせるための規制や規則施行の手ぬるさや、子どもと労働者を支える法や政策の崩壊などがふくまれる。
 ◎氷山の基部は、現代のあらゆる経済の根底にある世界規模の大きな力だ。たとえばナノテクノロジーやグローバル化、人口動態など。これらは侮れない力だが、たとえ最大級の世界的な動向で、あきらかに経済を形づくっているものであっても、よりよい結果へ向けてつくり替えることはできる。」(中略)「多くの場合、政策立案者や運動家や世論は、氷山の目に見える頂点に対する介入ばかりに注目する。アメリカの政治システムでは、最も脆弱な層に所得を再分配し、最も強大な層の影響力を抑えようという立派な提案は、勤労所得控除の制限や経営幹部の給与の透明化などの控えめな政策に縮小されてしまう。
 さらに政策立案者のなかには、氷山の基部にある力があまりにも圧倒的で制御できないため、あらゆる介入に価値はないと断言する者もいる。グローバル化と人種的偏見、気候変動とテクノロジーは、政策では対処できない外生的な力だというわけだ。」(中略)「こうした敗北主義的な考えが出した結論では、アメリカ経済の基部にある力と闘うことはできない。
 わたしたちの意見はちがう。もし法律やルールや世界的な力に正面から立ち向かわないのなら、できることはほとんどない。本書の前提は、氷山の中央――世界的な力がどのように現われるかを決める中間的な構造――をつくり直せるということだ。
 つまり、労働法コーポレートガバナンス金融規制貿易協定体系化された差別金融政策課税などの専門知識の王国と闘うことで、わたしたちは経済の安定性と機会を最大限に増すことができる。」

  氷山の頂点
  日常的な不平等の経験
  ┌─────────────┐
  │⇒生活していくだけの給料が│
  │ 得られない仕事     │
  │⇒生活費の増大      │
  │⇒深まる不安       │
  └─────────────┘
 経済を構築するルール
 ┌─────────────────┐
 │⇒金融規制とコーポレートガバナンス│
 │⇒税制              │
 │⇒国際貿易および金融協定     │
 │⇒マクロ経済政策         │
 │⇒労働法と労働市場へのアクセス  │
 │⇒体系的な差別          │
 └─────────────────┘
世界規模の大きな力
┌───────────────────┐
│⇒テクノロジー            │
│⇒グローバル化            │
└───────────────────┘

(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『アメリカ経済のルールを書き換える』(日本語書籍名『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』),序章 不平等な経済システムをくつがえす,pp.46-49,徳間書店(2016),桐谷知未(訳))
(索引:)

ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-)
スティグリッツの関連書籍(amazon)
検索(スティグリッツ)


2019年4月9日火曜日

法律は複雑な方が、都合がよい。顧客に法律の回避方法を指南し、また法律の抜け穴を利用した複雑な取引を組み立て、合法的に見える契約をお膳立てし、レントシーキングと独占力を維持することが可能となる。(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))

法律家たちのインセンティブ

【法律は複雑な方が、都合がよい。顧客に法律の回避方法を指南し、また法律の抜け穴を利用した複雑な取引を組み立て、合法的に見える契約をお膳立てし、レントシーキングと独占力を維持することが可能となる。(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))】

(4.3)(d)追記。


(4)市場を通じて、社会に対する貢献以上の報酬を獲得するための方法
  社会に対する貢献以上の報酬を得る方法:(a)公正さや社会的正義より自分の利益を最優先する、(b)レントシーキング、(c)都合の悪い法律が作られないための政治的対策、(d)都合のよい税制、労働法、会社法、その他の経済政策。(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))

 (4.1)基本的な考え方
  (a)公正なルールに従ったフェアプレイは問題ではなく、重要なのは勝つか負けるかだ。市場は勝ち負けの基準をはっきりと示してくれる。持っている金の量である。
  (b)必要とあれば“アンフェア”なプレーをする意志もなければならない。例えば、
   (b.1)法律をかいくぐる能力や、法律を都合よくねじ曲げる能力。
   (b.2)貧困者をふくむ他人の弱味につけ込む意志。
 (4.2)レントシーキングの例
   社会に対する貢献以上の報酬を得る方法:(a)参入障壁の構築と独占の維持、(b)競争障壁の構築、(c)市場の透明性を低下させること、(d)これら反競争的行為が規制されないための政治的対策。(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))

   レントシーキングの例:(a)市場の独占、(b)市場の透明性を低下させ、他者を食いものにする、(c)政府から資源を移転する(例:補助金給付,天然資源へのアクセス権,独占輸入権,社会へのコスト転嫁,損失補填)(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))

  (a)市場の競争性を低下させ、独占力を確保する。(独占利益(モノポリー・レント))
   (a.1)参入障壁や、競争の障壁を構築する。
   (a.2)政府に、市場の競争性を低下させる法律を、作らせる。
  (b)市場の透明性を低下させ、情報の非対称性を利用する。
   (b.1)公開市場ではなく店頭市場を利用し、買い手に必要な情報を与えず、取引を有利に進める。
   (b.2)略奪的貸付や濫用的クレジットカード業務。
   (b.3)他者を食いものにすることを規制する法律を、政府に作らせない。
  (c)政府からの、公然または非公然の資源移転と、補助金給付。
   (c.1)政府から、天然資源へのアクセス権を有利な条件で入手する。
   (c.2)政府から、独占輸入権(輸入割当(クオータ))を与えられる。
   (c.3)政府から、コストを社会に転嫁することを許される。
   (c.4)過剰なリスクを取ったことによる失敗の損失を、政府に補填してもらう。

 (4.3)都合の悪い規制の廃止、緩和
  レントシーキングに都合の悪い法律が作られないようにする。政府の規制は少ない方がいい。
  (a)ロビー活動と選挙支援に巨額の資金を投資することで、政策決定に影響力を行使する。
  (b)反競争的行為が法律で禁止されないようにする。
  (c)仮に法律が存在する場合は、実効的な取り締まりが行なわれないようする。
  (d)法律家たちのインセンティブ。
   法律は複雑な方が、都合がよい。顧客に法律の回避方法を指南し、また法律の抜け穴を利用した複雑な取引を組み立て、合法的に見える契約をお膳立てし、レントシーキングと独占力を維持することが可能となる。
 (4.4)税制を、自分に都合のよいものに変える。
   (a)ロビー活動と選挙支援に巨額の資金を投資することで、税制の設計に影響力を行使する。
   (b)実態が隠蔽できるような複雑さを持った“逆累進課税制度”を実現させる。
 (4.5)労働法や会社法を、自分に都合のよいものに変える。
 (4.6)政府のマクロ経済政策を、自分に都合のよいものに変える。


 「最後に挙げるレントシーキング集団は、第一級の法律家たちで構成されている。

彼らは顧客の刑務所行きを(おおむね)防ぎつつ、法律の回避方法を指南することで、富を築き上げてきた。

法曹界は、顧客に税金逃れをさせるべく、抜け穴のある複雑な法律を案出しておき、その後は、抜け穴を利用するための込み入った取引を組み立てる。

複雑かつ不透明なデリバティブ市場の設計に手を貸したのも彼らだ。独占力を創り出すため、合法的に見える契約をお膳立てするのも、法律家たちの仕事だ。

彼らはこのような支援活動を通じて、市場が本来果たすべき機能を妨げ、上層を利する道具としての機能を発揮させ、結果として太っ腹な報酬にありついているのだ。」
(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『不平等の代価』(日本語書籍名『世界の99%を貧困にする経済』),第2章 レントシーキング経済と不平等な社会のつくり方,p.90,徳間書店(2012),楡井浩一,峯村利哉(訳))
(索引:法律家たちのインセンティブ,レントシーキング)

世界の99%を貧困にする経済


(出典:wikipedia
ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「改革のターゲットは経済ルール
 21世紀のアメリカ経済は、低い賃金と高いレントを特徴として発展してきた。しかし、現在の経済に組み込まれたルールと力学は、常にあきらかなわけではない。所得の伸び悩みと不平等の拡大を氷山と考えてみよう。
 ◎海面上に見える氷山の頂点は、人々が日々経験している不平等だ。少ない給料、不充分な利益、不安な未来。
 ◎海面のすぐ下にあるのは、こういう人々の経験をつくり出す原動力だ。目には見えにくいが、きわめて重要だ。経済を構築し、不平等をつくる法と政策。そこには、不充分な税収しか得られず、長期投資を妨げ、投機と短期的な利益に報いる税制や、企業に説明責任をもたせるための規制や規則施行の手ぬるさや、子どもと労働者を支える法や政策の崩壊などがふくまれる。
 ◎氷山の基部は、現代のあらゆる経済の根底にある世界規模の大きな力だ。たとえばナノテクノロジーやグローバル化、人口動態など。これらは侮れない力だが、たとえ最大級の世界的な動向で、あきらかに経済を形づくっているものであっても、よりよい結果へ向けてつくり替えることはできる。」(中略)「多くの場合、政策立案者や運動家や世論は、氷山の目に見える頂点に対する介入ばかりに注目する。アメリカの政治システムでは、最も脆弱な層に所得を再分配し、最も強大な層の影響力を抑えようという立派な提案は、勤労所得控除の制限や経営幹部の給与の透明化などの控えめな政策に縮小されてしまう。
 さらに政策立案者のなかには、氷山の基部にある力があまりにも圧倒的で制御できないため、あらゆる介入に価値はないと断言する者もいる。グローバル化と人種的偏見、気候変動とテクノロジーは、政策では対処できない外生的な力だというわけだ。」(中略)「こうした敗北主義的な考えが出した結論では、アメリカ経済の基部にある力と闘うことはできない。
 わたしたちの意見はちがう。もし法律やルールや世界的な力に正面から立ち向かわないのなら、できることはほとんどない。本書の前提は、氷山の中央――世界的な力がどのように現われるかを決める中間的な構造――をつくり直せるということだ。
 つまり、労働法コーポレートガバナンス金融規制貿易協定体系化された差別金融政策課税などの専門知識の王国と闘うことで、わたしたちは経済の安定性と機会を最大限に増すことができる。」

  氷山の頂点
  日常的な不平等の経験
  ┌─────────────┐
  │⇒生活していくだけの給料が│
  │ 得られない仕事     │
  │⇒生活費の増大      │
  │⇒深まる不安       │
  └─────────────┘
 経済を構築するルール
 ┌─────────────────┐
 │⇒金融規制とコーポレートガバナンス│
 │⇒税制              │
 │⇒国際貿易および金融協定     │
 │⇒マクロ経済政策         │
 │⇒労働法と労働市場へのアクセス  │
 │⇒体系的な差別          │
 └─────────────────┘
世界規模の大きな力
┌───────────────────┐
│⇒テクノロジー            │
│⇒グローバル化            │
└───────────────────┘

(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『アメリカ経済のルールを書き換える』(日本語書籍名『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』),序章 不平等な経済システムをくつがえす,pp.46-49,徳間書店(2016),桐谷知未(訳))
(索引:)

ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-)
スティグリッツの関連書籍(amazon)
検索(スティグリッツ)

2019年4月5日金曜日

4.レントシーキングの例:(a)市場の独占、(b)市場の透明性を低下させ、他者を食いものにする、(c)政府から資源を移転する(例:補助金給付,天然資源へのアクセス権,独占輸入権,社会へのコスト転嫁,損失補填)(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))

レントシーキング

【レントシーキングの例:(a)市場の独占、(b)市場の透明性を低下させ、他者を食いものにする、(c)政府から資源を移転する(例:補助金給付,天然資源へのアクセス権,独占輸入権,社会へのコスト転嫁,損失補填)(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))】

(4.2.2)へ追記。

 (4.2.2)レントシーキング
  (a)市場の競争性を低下させ、独占力を確保する。(独占利益(モノポリー・レント))
   (a.1)参入障壁や、競争の障壁を構築する。
   (a.2)政府に、市場の競争性を低下させる法律を、作らせる。
  (b)市場の透明性を低下させ、情報の非対称性を利用する。
   (b.1)公開市場ではなく店頭市場を利用し、買い手に必要な情報を与えず、取引を有利に進める。
   (b.2)略奪的貸付や濫用的クレジットカード業務。
   (b.3)他者を食いものにすることを規制する法律を、政府に作らせない。
  (c)政府からの、公然または非公然の資源移転と、補助金給付。
   (c.1)政府から、天然資源へのアクセス権を有利な条件で入手する。
   (c.2)政府から、独占輸入権(輸入割当(クオータ))を与えられる。
   (c.3)政府から、コストを社会に転嫁することを許される。
   (c.4)過剰なリスクを取ったことによる失敗の損失を、政府に補填してもらう。


 「さまざまなレントシーキング

 これまで本書は、富裕層が残りの人々を食いものにする目的で政治プロセスの協力を求める手法の多くに、“レントシーキング”のレッテルを貼ってきた。レントシーキングはさまざまな形態をとる。

政府からの公然・非公然の資源移転と補助金給付。

市場の競争力を低下させる法規。既存の競争法にかんする甘い取り締まり。

企業が他者を食いものにすることをゆるす法律や、企業がコストを社会に転嫁することをゆるす法律……。

地代(レント)という用語はもともと、土地からあがる収益を指していた。地主は地代を得るために、何かを“行なう”必要はなく、ただ土地を所有しているだけでいい。この状況は、“努力”の提供とひきかえに資金を得る労働者と対照的だ。

やがて“レント”は地代の意味だけでなく、独占状態を管理することで得る利益(独占利益もしくはモノポリー・レントと呼ばれる)という意味を含むようになり、さらには、所有権から生まれる同じような収益を全般的に指すようになった。

たとえば、政府が一企業に砂糖の独占輸入権(輸入割当(クオータ))を与えた場合、権利の所有によって生み出される余分な収益は、“クオータ・レント”と呼ばれる。

 天然資源に恵まれた国々は、レントシーキングが活発なことで知られている。資源へのアクセス権を有利な条件で入手すれば、みずから富を創出するより、はるかにたやすく財産を築き上げることができるからだ。

資源国ではたいていの場合、マイナスサム・ゲームが繰り広げられる。原因のひとつとして挙げられるのは、天然資源に恵まれていない国と比べて、資源国の経済成長率がおおむね低くなるという点だ。

 豊かな資源を持っているなら、貧困者の援助に使ったり、国民皆教育や国民皆保険の財源に使ったりできると思われがちだが、情けないことにそうはなっていない。

労働と貯蓄に対する課税がインセンティブを弱める可能性があるのに対して、土地や石油やほかの資源から生じる“レント”に課税をしても、天然資源は同じ場所に存在しつづけ、いつかは採掘されるため、インセンティブに悪影響がおよぶ心配はない。基本的に、レントからの豊かな税収は、社会保障支出と公共投資――たとえば医療や教育――の両分野に振りむけることができる。

しかし、世界の不平等大国の中には、名だたる資源大国がふくまれている。このような国では、少数の人々(たいていは政治権力を持つ人々)が、ほかの人々より上手にレントシーキングを行い、資源から生じる利益の大部分を確保してしまう。

ラテンアメリカで最も豊かな産油国のベネズエラでは、ウゴ・チャベス大統領が登場するまで、国民の半分が貧困生活を余儀なくされていた。豊かさと貧しさが混在する国情が、チャベスのような変革者を生み出したのである。」

(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『不平等の代価』(日本語書籍名『世界の99%を貧困にする経済』),第2章 レントシーキング経済と不平等な社会のつくり方,pp.85-87,徳間書店(2012),楡井浩一,峯村利哉(訳))
(索引:レントシーキング)

世界の99%を貧困にする経済


(出典:wikipedia
ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「改革のターゲットは経済ルール
 21世紀のアメリカ経済は、低い賃金と高いレントを特徴として発展してきた。しかし、現在の経済に組み込まれたルールと力学は、常にあきらかなわけではない。所得の伸び悩みと不平等の拡大を氷山と考えてみよう。
 ◎海面上に見える氷山の頂点は、人々が日々経験している不平等だ。少ない給料、不充分な利益、不安な未来。
 ◎海面のすぐ下にあるのは、こういう人々の経験をつくり出す原動力だ。目には見えにくいが、きわめて重要だ。経済を構築し、不平等をつくる法と政策。そこには、不充分な税収しか得られず、長期投資を妨げ、投機と短期的な利益に報いる税制や、企業に説明責任をもたせるための規制や規則施行の手ぬるさや、子どもと労働者を支える法や政策の崩壊などがふくまれる。
 ◎氷山の基部は、現代のあらゆる経済の根底にある世界規模の大きな力だ。たとえばナノテクノロジーやグローバル化、人口動態など。これらは侮れない力だが、たとえ最大級の世界的な動向で、あきらかに経済を形づくっているものであっても、よりよい結果へ向けてつくり替えることはできる。」(中略)「多くの場合、政策立案者や運動家や世論は、氷山の目に見える頂点に対する介入ばかりに注目する。アメリカの政治システムでは、最も脆弱な層に所得を再分配し、最も強大な層の影響力を抑えようという立派な提案は、勤労所得控除の制限や経営幹部の給与の透明化などの控えめな政策に縮小されてしまう。
 さらに政策立案者のなかには、氷山の基部にある力があまりにも圧倒的で制御できないため、あらゆる介入に価値はないと断言する者もいる。グローバル化と人種的偏見、気候変動とテクノロジーは、政策では対処できない外生的な力だというわけだ。」(中略)「こうした敗北主義的な考えが出した結論では、アメリカ経済の基部にある力と闘うことはできない。
 わたしたちの意見はちがう。もし法律やルールや世界的な力に正面から立ち向かわないのなら、できることはほとんどない。本書の前提は、氷山の中央――世界的な力がどのように現われるかを決める中間的な構造――をつくり直せるということだ。
 つまり、労働法コーポレートガバナンス金融規制貿易協定体系化された差別金融政策課税などの専門知識の王国と闘うことで、わたしたちは経済の安定性と機会を最大限に増すことができる。」

  氷山の頂点
  日常的な不平等の経験
  ┌─────────────┐
  │⇒生活していくだけの給料が│
  │ 得られない仕事     │
  │⇒生活費の増大      │
  │⇒深まる不安       │
  └─────────────┘
 経済を構築するルール
 ┌─────────────────┐
 │⇒金融規制とコーポレートガバナンス│
 │⇒税制              │
 │⇒国際貿易および金融協定     │
 │⇒マクロ経済政策         │
 │⇒労働法と労働市場へのアクセス  │
 │⇒体系的な差別          │
 └─────────────────┘
世界規模の大きな力
┌───────────────────┐
│⇒テクノロジー            │
│⇒グローバル化            │
└───────────────────┘

(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『アメリカ経済のルールを書き換える』(日本語書籍名『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』),序章 不平等な経済システムをくつがえす,pp.46-49,徳間書店(2016),桐谷知未(訳))
(索引:)

ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-)
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2019年3月31日日曜日

3.社会に対する貢献以上の報酬を得る方法:(a)公正さや社会的正義より自分の利益を最優先する、(b)レントシーキング、(c)都合の悪い法律が作られないための政治的対策、(d)都合のよい税制、労働法、会社法、その他の経済政策。(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))

社会に対する貢献以上の報酬を獲得する方法

【社会に対する貢献以上の報酬を得る方法:(a)公正さや社会的正義より自分の利益を最優先する、(b)レントシーキング、(c)都合の悪い法律が作られないための政治的対策、(d)都合のよい税制、労働法、会社法、その他の経済政策。(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))】

(4.2)追記。

(4.2)社会に対する貢献以上の報酬を獲得するための方法
 (4.2.1)基本的な考え方
  (a)公正なルールに従ったフェアプレイは問題ではなく、重要なのは勝つか負けるかだ。市場は勝ち負けの基準をはっきりと示してくれる。持っている金の量である。
  (b)必要とあれば“アンフェア”なプレーをする意志もなければならない。例えば、
   (b.1)法律をかいくぐる能力や、法律を都合よくねじ曲げる能力。
   (b.2)貧困者をふくむ他人の弱味につけ込む意志。
 (4.2.2)レントシーキング
  (a)市場の競争性を低下させ、独占力を確保する。
   (a.1)参入障壁や、競争の障壁を構築する。
  (b)市場の透明性を低下させ、情報の非対称性を利用する。
   (b.1)公開市場ではなく店頭市場を利用し、買い手に必要な情報を与えず、取引を有利に進める。
   (b.2)略奪的貸付や濫用的クレジットカード業務。
  (c)自分にとって都合のいい制度を利用して、過剰なリスクを取る。
 (4.2.3)レントシーキングに都合の悪い法律が作られないようにする。政府の規制は少ない方がいい。
  (a)ロビー活動と選挙支援に巨額の資金を投資することで、政策決定に影響力を行使する。
  (b)反競争的行為が法律で禁止されないようにする。
  (c)仮に法律が存在する場合は、実効的な取り締まりが行なわれないようする。
 (4.2.4)税制を、自分に都合のよいものに変える。
  (a)ロビー活動と選挙支援に巨額の資金を投資することで、税制の設計に影響力を行使する。
  (b)実態が隠蔽できるような複雑さを持った“逆累進課税制度”を実現させる。
 (4.2.5)労働法や会社法を、自分に都合のよいものに誘導する。
 (4.2.6)政府のマクロ経済政策を、自分に都合のよいものに誘導する。

 「ピラミッドの下から上へ金を移動させる
 上流階層の人々が金を稼ぎ出す方法のひとつは、市場と政治に対する影響力を、自分たちに都合よく利用し、残りの人々を犠牲にして収益を得ることだ。

 金融業界はさまざまな形態のレントシーキングについて腕をみがいてきた。すでにいくつかは紹介したが、レントシーキングの手法はほかにもまだまだある。

情報の非対称性を利用する方法(買い手が絶対に気づかないと知りながら、破綻するよう仕組んだ証券化商品を売りつける)。

過剰なリスクをとる方法(政府が命綱を握ってくれて、窮地から救い出してくれて、損失を肩代わりしてくれるという知識を利用する。この知識を使えば、通常より低い金利で金を借りることも可能になる)。FRBから低金利で資金を調達する方法(現在の金利はほぼ0パーセント)などである。

 しかし、最も悪名高いレントシーキングの形態――近年になって最もみがきのかかった手法――は、金融界が略奪的貸付や濫用的クレジットカード業務を通じて、貧困者層と情報弱者層から大金を搾り取るというものだ。

貧困者のひとりひとりはそれほど金を持っていなくても、大勢の貧困者から少しずつ巻き上げれば、莫大な儲けを手に入れることができる。

政府に社会正義の感覚――もしくは経済全体の効率性に対する懸念――が少しでもあれば、これらの活動を禁止するための措置が施されただろう。貧困層から富裕層へ金が移動するプロセスでは、かなりの量の資源が失われる。だからこそ、これはマイナスサム・ゲームと呼ばれるのだ。

しかし、実態がどんどんあきらかになってきた2007年ごろでさえ、政府は金融界の行為を禁止しようとはしなかった。理由は明快。金融界はロビー活動と選挙支援に巨額の資金を投じてきており、その投資が実を結んだのだ。

 ここで金融界をとりあげる理由のひとつは、現在のアメリカ社会で見られる不平等が、金融界から強い影響を受けてきたことにある。今回の世界金融危機の発生に金融界が果たした役割は、誰の目にもあきらかだ。

金融界で働く人々でさえ責任を否定していない。内心では、業界内の別部門に責任があると思っているのかもしれないが……。とはいえ、わたしがこれまで金融界について述べてきたことは、現在の不平等を創り出してきたほかの経済主体にもあてはまる。

 近代資本主義は複雑なゲームと化しており、少し頭が切れるくらいでは勝者になれないが、多くの場合、勝者は感心できない特性を持ち合せている。

法律をかいくぐる能力や、法律を都合よくねじ曲げる能力や、貧困者をふくむ他人の弱味につけ込む意志や、必要とあれば”アンフェア”なプレーをする意志だ。

このゲームで成功している達人のひとりは、「勝負は問題ではない。重要なのはどうプレーするかだ」という昔の金言をたわごとと切り捨てる。重要なのは勝つか負けるかだけなのだ。市場は勝ち負けの基準をはっきりと示してくれる。持っている金の量だ。

 レントシーキングのゲームに勝利して、アメリカ最上層の多くの人々は財を築いてきた。しかし、富を獲得する方法はレントシーキングだけではない。

あとでくわしく説明するが、税制も重要な役割を担っている。最上層の人々は、税制の設計に影響力を行使し、払うべき税金を払わずにすませてきた。彼らの所得に占める税金の割合は、貧困層の人々より低いのである。わたしたちはこのような税制を“逆累進課税制度”と呼ぶ。

 この逆累進課税とレントシーキングが中心となって、とりわけ最上層における格差を拡大させてきた。

いっぽう、アメリカの不平等をめぐる二つの側面――中間層の空洞化と貧困層の増加――には、幅広い分野から強い影響力が加えられている。企業を律する法規は、企業内の規範と相互作用を起こし、経営者の行動を誘導するとともに、経営陣とほかの利害関係者(労働者と株主と社債保有者)の利益配分を決定する。

また、政府のマクロ経済政策は、労働市場の需給――失業率の水準――を決定する。つまり、労働者の取り分を変化させる市場の仕組みに、政府の政策が影響を与えているわけだ。もしもインフレを恐れる金融当局の行動が、失業率の高止まりを招いた場合、労働者の賃金は抑制されるだろう。

これまで、強い労働組合は不平等の縮小をうながしてきたが、組合が弱い企業のCEOは、やすやすと不平等を拡大してきた。CEOたちが市場の力の形成に手を貸し、その力を不平等の拡大に利用することもあった。

ともあれ、組合の強弱にしても、企業統治の実効性にしても、金融政策の舵取りにしても、決定に中心的役割を果たすのは政治だ。

 形成時に政治からの影響を一部受けるとはいえ、市場の力も重要な役割を果たしている。たとえば、熟練労働者の需給は、技術と教育の変化を反映しつつ、市場がバランスをとっているのだ。

しかし、市場の力と政治はたがいに均衡を働かせようとはしない。市場の力が格差を悪化させそうなときでも、政治は不平等の拡大を抑え込もうとはしないし、市場の行き過ぎを政府が“調整”するようなこともない。むしろ今日のアメリカでは、両者が手を取り合って、所得と富の格差を広げているのである。」

(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『不平等の代価』(日本語書籍名『世界の99%を貧困にする経済』),第2章 レントシーキング経済と不平等な社会のつくり方,pp.82-85,徳間書店(2012),楡井浩一,峯村利哉(訳))
(索引:レントシーキング)

世界の99%を貧困にする経済


(出典:wikipedia
ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「改革のターゲットは経済ルール
 21世紀のアメリカ経済は、低い賃金と高いレントを特徴として発展してきた。しかし、現在の経済に組み込まれたルールと力学は、常にあきらかなわけではない。所得の伸び悩みと不平等の拡大を氷山と考えてみよう。
 ◎海面上に見える氷山の頂点は、人々が日々経験している不平等だ。少ない給料、不充分な利益、不安な未来。
 ◎海面のすぐ下にあるのは、こういう人々の経験をつくり出す原動力だ。目には見えにくいが、きわめて重要だ。経済を構築し、不平等をつくる法と政策。そこには、不充分な税収しか得られず、長期投資を妨げ、投機と短期的な利益に報いる税制や、企業に説明責任をもたせるための規制や規則施行の手ぬるさや、子どもと労働者を支える法や政策の崩壊などがふくまれる。
 ◎氷山の基部は、現代のあらゆる経済の根底にある世界規模の大きな力だ。たとえばナノテクノロジーやグローバル化、人口動態など。これらは侮れない力だが、たとえ最大級の世界的な動向で、あきらかに経済を形づくっているものであっても、よりよい結果へ向けてつくり替えることはできる。」(中略)「多くの場合、政策立案者や運動家や世論は、氷山の目に見える頂点に対する介入ばかりに注目する。アメリカの政治システムでは、最も脆弱な層に所得を再分配し、最も強大な層の影響力を抑えようという立派な提案は、勤労所得控除の制限や経営幹部の給与の透明化などの控えめな政策に縮小されてしまう。
 さらに政策立案者のなかには、氷山の基部にある力があまりにも圧倒的で制御できないため、あらゆる介入に価値はないと断言する者もいる。グローバル化と人種的偏見、気候変動とテクノロジーは、政策では対処できない外生的な力だというわけだ。」(中略)「こうした敗北主義的な考えが出した結論では、アメリカ経済の基部にある力と闘うことはできない。
 わたしたちの意見はちがう。もし法律やルールや世界的な力に正面から立ち向かわないのなら、できることはほとんどない。本書の前提は、氷山の中央――世界的な力がどのように現われるかを決める中間的な構造――をつくり直せるということだ。
 つまり、労働法コーポレートガバナンス金融規制貿易協定体系化された差別金融政策課税などの専門知識の王国と闘うことで、わたしたちは経済の安定性と機会を最大限に増すことができる。」

  氷山の頂点
  日常的な不平等の経験
  ┌─────────────┐
  │⇒生活していくだけの給料が│
  │ 得られない仕事     │
  │⇒生活費の増大      │
  │⇒深まる不安       │
  └─────────────┘
 経済を構築するルール
 ┌─────────────────┐
 │⇒金融規制とコーポレートガバナンス│
 │⇒税制              │
 │⇒国際貿易および金融協定     │
 │⇒マクロ経済政策         │
 │⇒労働法と労働市場へのアクセス  │
 │⇒体系的な差別          │
 └─────────────────┘
世界規模の大きな力
┌───────────────────┐
│⇒テクノロジー            │
│⇒グローバル化            │
└───────────────────┘

(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-),『アメリカ経済のルールを書き換える』(日本語書籍名『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』),序章 不平等な経済システムをくつがえす,pp.46-49,徳間書店(2016),桐谷知未(訳))
(索引:)

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