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2018年7月27日金曜日

日常語で規定された素朴な心理的概念を、科学的に獲得された適切な概念に置き換えていけば、生得的な内観機構の一部は、より真実で深く豊かなものへと学習、訓練し、習慣化することができる。交響曲の指揮者やワイン鑑定家、天文学者を考えてみよ。(ポール・チャーチランド(1942-))

消去主義的唯物論

【日常語で規定された素朴な心理的概念を、科学的に獲得された適切な概念に置き換えていけば、生得的な内観機構の一部は、より真実で深く豊かなものへと学習、訓練し、習慣化することができる。交響曲の指揮者やワイン鑑定家、天文学者を考えてみよ。(ポール・チャーチランド(1942-))】

 「本章の最後の積極的な提案が、ここから浮上してくる。最終的に唯物論が正しいなら、私たちの内的本性についてもっとも重要な知恵を内包しているのは、完成した神経科学の概念枠組だということになる。(さし当りここでは、唯物論のさまざまな形態を分かつ微妙な違いについては考慮しない。)そこで、「完成した」神経科学、もしくは現状よりはるかに進展した神経科学の概念枠組のもとで、自分の内的生活の豊かな詳細を記述し、思考し、そして内観的に把握することを学習していけるという可能性について考えてみよう。とくに、私たちが自分の生得的な内観メカニズムを訓練して、もっと厳密な新しい一群の区別を行えるようになるとしよう。この区別は、現在の日常語の素朴な心理的分類に基づくものではなく、脳活動についてのもっと発展した神経機能的説明から引き出されるもっと深くて豊かな説明力をもつ分類に基づくものである。つまり、私たちが自分を訓練して、そのように捉え直された内的活動に対して、神経科学の適切な概念で形成された判断でもって習慣的に反応するようになるとしよう。
 内観能力の増強については、交響曲の指揮者やワイン鑑定家、天文学者が良い参考例になるとすれば、新しい概念枠組によって可能となる内観能力の増強も驚くべきものとなるだろう。」
(ポール・チャーチランド(1942-),『物質と意識(原書第3版)』,第8章 遥かなる展望,2 内観的意識の拡張,森北出版(2016),pp.298-300,信原幸弘(訳),西堤優(訳))
(索引:消去主義的唯物論)

物質と意識(原書第3版) 脳科学・人工知能と心の哲学


(出典:Open-mind.net
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