2018年5月25日金曜日

03.命題から虚飾をはぎとり、それらを、幾何学者が行なうように、明白で簡潔なしかたで表わす。ついで、それらを、相互依存の順序と主題の順序に従って配列する。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))

幾何学者の方法

【命題から虚飾をはぎとり、それらを、幾何学者が行なうように、明白で簡潔なしかたで表わす。ついで、それらを、相互依存の順序と主題の順序に従って配列する。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】
 命題から虚飾をはぎとり、それらを、幾何学者が行なうように、明白で簡潔なしかたで表わす。ついで、それらを、相互依存の順序と主題の順序に従って配列する。すなわち、われわれは党派的精神を離れ、目新しさに対する熱意を捨てなければならない。そこで幾何学者たちを真似なければならない。
 「この混乱から抜け出すためには、われわれは党派的精神を離れ、目新しさに対する熱意を捨てなければならない。そこで幾何学者たちを真似なければならない。彼らにあっては、ユークリッドもアルキメデスもいないが、誰もがユークリッドに従い、誰もがアルキメデスに従う。」(中略)「そこで、そういう命題から虚飾をはぎとり、それらを、幾何学者が行なうように、明白で簡潔なしかたで表わしさえすればよい。ついで、それらを、相互依存の順序と主題の順序に従って配列しさえすればよい。そうすると、飛躍しないようにしさえすれば、それらの命題の結合関係はすぐにもひとりでに現われ、一つの命題がもう一つの命題から証明されることになる。そして、無意識のうちに人間がすでに獲得したすべての知識の構成要素を形成することになるであろう。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『諸学問を進展させるための格率』、ライプニッツ著作集10、pp.239-240、[小林道夫・1991])
(索引:幾何学者の方法)

中国学・地質学・普遍学 (ライプニッツ著作集)



(出典:wikipedia
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「すべての実体は一つの全たき世界のようなもの、神をうつす鏡もしくは全宇宙をうつす鏡のようなものである。実体はそれぞれ自分の流儀に従って宇宙を表出するが、それはちょうど、同一の都市がそれを眺める人の位置が違っているのに応じて、さまざまに表現されるようなものである。そこでいわば、宇宙は存在している実体の数だけ倍増化され、神の栄光も同様に、神のわざについてお互いに異なっている表現の数だけ倍増化されることになる。また、どの実体も神の無限な知恵と全能という特性をいくぶんか具えており、できる限り神を模倣している、とさえ言える。というのは、実体はたとえ混雑していても、過去、現在、未来における宇宙の出来事のすべてを表出しており、このことは無限の表象ないしは無限の認識にいささか似ているからである。ところで、他のすべての実体もそれなりにこの実体を表出し、これに適応しているので、この実体は創造者の全能を模倣して、他のすべての実体に自分の力を及ぼしていると言うことができる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『形而上学叙説』九、ライプニッツ著作集8、pp.155-156、[西谷裕作・1990])

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02.「普遍的学問」とは何か。それは、手中にある所与のものから、必要なときには、人間の知力が引き出し得るものは何でも、確実な方法により発見させるようなものである。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))

普遍的学問の夢

【「普遍的学問」とは何か。それは、手中にある所与のものから、必要なときには、人間の知力が引き出し得るものは何でも、確実な方法により発見させるようなものである。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】
 理性の諸原理と本源的な諸経験とがそこに含まれている「普遍的学問」とは、どのようなものか。
(1)人間は、真理に関して、あるいは、少なくとも蓋然性の程度に関して誤ることなく、判断できるようになる。
(2)人間の手中にあるもの、あるいは、所与のものから、人間の知力によっていつか引き出されうるようになるものは何でも、必要なときに、確実な方法により発見できるようになる。
 これによって、人間の幸福を増加させるために、何世代にもわたる研究と途方もない費用とを費やして期待しうるよりも、多くの成果が、より少ない年月の間に、より小さな苦労と支出で引き出されることになる。
 「諸学問の刷新と拡大とに関しての、あるいは、次のような理性的根拠に関しての普遍的学問の基礎と範例[がここで論じられる]。すなわち、その根拠によって、人間は、注意を傾けることにより真理に関して、あるいは、少なくとも蓋然性の程度に関して誤ることなく、判断できるのであり、また、人間の手中にあるもの、あるいは、所与のものから人間の知力によっていつか引き出されうるようになるものは何でも、必要なときに、確実な方法により発見できるようになるだろう。その結果、人間の幸福を増加させるために、さもなければ、何世代にもわたる研究と途方もない費用とを費やして期待しうるよりも、多くの成果が、より少ない年月の間に、より小さな苦労と支出で引き出されることになる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『普遍学の基礎と範例』、ライプニッツ著作集10、p.224、[松田毅・1991])
(索引:普遍的学問)

中国学・地質学・普遍学 (ライプニッツ著作集)



(出典:wikipedia
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「すべての実体は一つの全たき世界のようなもの、神をうつす鏡もしくは全宇宙をうつす鏡のようなものである。実体はそれぞれ自分の流儀に従って宇宙を表出するが、それはちょうど、同一の都市がそれを眺める人の位置が違っているのに応じて、さまざまに表現されるようなものである。そこでいわば、宇宙は存在している実体の数だけ倍増化され、神の栄光も同様に、神のわざについてお互いに異なっている表現の数だけ倍増化されることになる。また、どの実体も神の無限な知恵と全能という特性をいくぶんか具えており、できる限り神を模倣している、とさえ言える。というのは、実体はたとえ混雑していても、過去、現在、未来における宇宙の出来事のすべてを表出しており、このことは無限の表象ないしは無限の認識にいささか似ているからである。ところで、他のすべての実体もそれなりにこの実体を表出し、これに適応しているので、この実体は創造者の全能を模倣して、他のすべての実体に自分の力を及ぼしていると言うことができる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『形而上学叙説』九、ライプニッツ著作集8、pp.155-156、[西谷裕作・1990])

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01.理性の諸原理と本源的な諸経験とを含む「普遍的学問」を基礎に集成された、あらゆる有用なものを導き出すための公共の宝庫である「百科全書」が、人類の幸福のために重要である。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))

普遍的学問の必要性

【理性の諸原理と本源的な諸経験とを含む「普遍的学問」を基礎に集成された、あらゆる有用なものを導き出すための公共の宝庫である「百科全書」が、人類の幸福のために重要である。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】
(1)理性の諸原理と本源的な諸経験とがそこに含まれている、一種の「普遍的学問」が必要である。
(2)次に、普遍的学問を基礎に、あらゆる有用なものを導き出すために十分な、諸々の「真理」の秩序づけられた集成、すなわち一種の「百科全書」を作成すること。これは、あらゆる素晴らしい発見や観察が運び込まれうるような公共の宝庫にも等しいものとなるだろう。
(3)全知識の膨大さに比べ、一人の人間の人生は短く、また精神的にも弱い。しかし、人間は共同体に希望を託すことができ、人類の幸福のためには、これら普遍的学問と百科全書が重要である。
 「しかし、これらの学問をすべて知ることが人間にとって重要であるとか、また、それらをひとりひとりが認識しなくてはならないとか、考える必要はない。なぜなら、生命の短さや、学ぶべきことの多さ、そして人間「精神」の弱さのために、それらに応じて節約が追求されるべきだからであり、また「神」の恩寵のうち非常に大きな二つのもの、つまり、事物の探究において重荷を軽減する方向に自らを動かす人間の共同体と、忘却から認識されたものが一度に呼び起こされうるようにする文字の記録とが用いられるべきだからである。」(中略)「一種の「百科全書」、つまり、諸々の「真理」の秩序づけられた―――それが可能であるかぎり、そこからあらゆる有用なものを導き出すために十分なものの―――集成を作成することが、人類の幸福のために重要であることがここから帰結する。そして、そのような百科全書は、あらゆる素晴らしい発見や観察が運び込まれうるような公共の宝庫にも等しいものとなるだろう。しかし、そのような発見や観察の量は非常に大きいものとなるだろうから、それらのものがとくにその量に比例して国家と自然との研究のために役立つとはいえ、理性の諸原理と本源的な諸経験とがそこに含まれている一種の「普遍的学問」が必要となる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『百科全書あるいは普遍学のための予備知識』、ライプニッツ著作集10、pp.216-217、[松田毅・1991])
(索引:普遍的学問、百科全書)

中国学・地質学・普遍学 (ライプニッツ著作集)



(出典:wikipedia
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「すべての実体は一つの全たき世界のようなもの、神をうつす鏡もしくは全宇宙をうつす鏡のようなものである。実体はそれぞれ自分の流儀に従って宇宙を表出するが、それはちょうど、同一の都市がそれを眺める人の位置が違っているのに応じて、さまざまに表現されるようなものである。そこでいわば、宇宙は存在している実体の数だけ倍増化され、神の栄光も同様に、神のわざについてお互いに異なっている表現の数だけ倍増化されることになる。また、どの実体も神の無限な知恵と全能という特性をいくぶんか具えており、できる限り神を模倣している、とさえ言える。というのは、実体はたとえ混雑していても、過去、現在、未来における宇宙の出来事のすべてを表出しており、このことは無限の表象ないしは無限の認識にいささか似ているからである。ところで、他のすべての実体もそれなりにこの実体を表出し、これに適応しているので、この実体は創造者の全能を模倣して、他のすべての実体に自分の力を及ぼしていると言うことができる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『形而上学叙説』九、ライプニッツ著作集8、pp.155-156、[西谷裕作・1990])

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