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2018年1月14日日曜日

ビッグバンに由来する電磁場の「宇宙背景放射」が観測されているように、ビッグバンの直後に発生した原初の「重力波の背景放射」もまた、存在しているはずである。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))

重力場の背景輻射

【ビッグバンに由来する電磁場の「宇宙背景放射」が観測されているように、ビッグバンの直後に発生した原初の「重力波の背景放射」もまた、存在しているはずである。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))】
 ビッグバンに由来する電磁場の「宇宙背景放射」が観測されているように、量子重力理論によると、ビッグバンの直後に発生した原初の「重力波の背景放射」もまた、存在しているはずである。LIGOは、二つのブラックホールの衝突に由来する重力波を、直接に観測している。三つの人工衛星を、地球のまわりではなく太陽のまわりの軌道に投入して、同様に重力波を観測するための、LISA(「発展型のLISA」という意味をこめて、eLISAに改名されている)という構想があり、このような観測が行われることにより、「重力波の背景放射」の検証が行われるだろう。


(レーザー干渉計重力波観測所(LIGO) 出典:wikipedia


((構想段階)宇宙重力波望遠鏡(LISA) 出典:wikipedia
 「重力場もまた、原初のすさまじい熱気の痕跡を帯びているはずである。重力場、つまり空間それ自体もまた、海面のように震えているはずである。つまり、「重力場の背景輻射」もまた存在しているはずであり、それは電磁場の「宇宙背景放射」よりも長い歴史をもっているはずである。なぜなら、重力波は電磁波よりも物質からの干渉を受けにくいと考えられるため、電磁波が自由に行き来できないようなきわめて圧縮された宇宙のなかでも、重力波はほかの物質にじゃまされることなく移動できるからである。
 アメリカのLIGOという観測所の検出器が、すでに重力波を直接に観測している。長さ数キロメートルの二本のアームがL字型に組み合わさって、検出器を形成している。この検出器は、レーザーを利用して、三つの定点の距離を正確に測定する。重力波が通過するとき、空間はほんのわずかに伸びたり縮んだりする。検出器のレーザーが、このかすかな変化を明るみに出す。LIGOで観測された重力波は、天体物理学に関連する一事象に由来するものだった。それはつまり、二つのブラックホールの衝突である。量子重力理論を援用せずとも、一般相対性理論さえあれば、この事象を完全に記述できる。
 もうひとつ、いまだ準備段階ではあるが、より野心的なLISAという試みがある(数年前に、「発展型のLISA」という意味をこめて、eLISAに改名されている)。これは、LIGOと同じ観測を、はるかに大きなスケールで実現するための計画である。予定としては、三つの人工衛星を、地球のまわりではなく太陽のまわりの軌道に投入することになっている。人工衛星は、小型の惑星のようにして、地球とある程度の距離を保ちながら、太陽のまわりを回る地球を追いかけていく。三つの人工衛星は、たがいの距離を計測するレーザー光線によって結びつけられている。重力波の通過によって、わずかに変化する衛星間の距離を、レーザーが観測する仕組みである。eLISAの計画が実現すれば、天体やブラックホールから発せられる重力波だけでなく、ビッグバンの直後に発生した原初の重力波の背景放射をも観測できる可能性がある。これらの波が、量子的な「反発」の真相を、わたしたちに伝えてくれるはずである。」
(カルロ・ロヴェッリ(1956)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第4部 空間と時間を超えて、第9章 実験による裏づけとは?、pp.216-218、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))
(索引:重力場の背景輻射)

すごい物理学講義


カルロ・ロヴェッリ(1956-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)
(出典:wikipedia
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