一部の人に恩恵をほどこそうとするばかりに、それ以外の連中にいやな思いをさせることのないように注意するがよい(フランチェスコ・グィッチャルディーニ(1483-1540)
「一部の人に恩恵をほどこそうとするばかりに、それ以外の連中にいやな思いをさせることのないように注意するがよい。なぜなら不愉快な目にあわされた人間は、それを忘れはしないどころか、実際にうけたよりも大げさに感じるものであり、他方、恩をうけた人間はそれを忘れてしまうか、実際に与えられたものより過少にしか感じないものだからである。したがって、他の条件が同一だと仮定すれば、君は得るものより、はるかに多くのものを失うことになるだろう。」
(フランチェスコ・グィッチャルディーニ(1483-1540)、『リコルディ』C、二五 一部の者への恩恵、フィレンツェ名門貴族の処世術、p.63、[永井三明・1998])
フィレンツェ名門貴族の処世術―リコルディ (講談社学術文庫) |