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2020年7月23日木曜日

動機は、人間の統合的全体性の観点から解明される。すなわち、階層づけられた多数の無意識的な欲求に基盤を持ち、文化的な環境と相互作用する意識的な目標と、力動的に解釈された環境との相互作用から人間の行動が理解できるだろう。(アブラハム・マズロー(1908-1970))

動機の理論

【動機は、人間の統合的全体性の観点から解明される。すなわち、階層づけられた多数の無意識的な欲求に基盤を持ち、文化的な環境と相互作用する意識的な目標と、力動的に解釈された環境との相互作用から人間の行動が理解できるだろう。(アブラハム・マズロー(1908-1970))】

(1)生体の統合的全体性が再び強調されなくてはならない。
(2)局所的,身体的,部分的な動因を動機理論のパラダイムとしてはならない。
(3)動機研究で強調すべきことは,部分目標よりは究極目標,また手段よりは目的にある。意識的な動機だけでなく無意識的な動機が,動機理論の出発点となるべきである。
(4)通例,一つの目標に到達するのに文化的に異なった経路がある。それゆえ,動機理論の構築にあたり,根本的で無意識的な目標の方が,意識的で特殊的・局所的な願望よりも有益である。
(5)動機づけられた行動は,事前的であれ完了的であれ,多数の欲求が表明または充足され得る一つの経路であると理解されなくてはならない。通常の行為は,複数の動機から生じている。
(6)生体の状態の殆どすべては,動機づけられていると理解されるべきである。
(7)人間は常に何かを欲している動物である。一つの欲求が現出するかどうかは,直前の状況すなわち他の優勢な諸欲求がどのような状況にあるかに依存する。欲求や願望は優勢度のヒエラルキーの下で配列されている。
(8)個別の動因をいくら列挙しても無意味である。動機の分類を行うのであれば,分類のレベルや特殊性についての問題を取り扱う必要がある。
(9)動機の分類は,駆動因よりも目標に基づいてなされなくてはならない。
(10)動機理論は,動物を中心にするのではなく,人間を中心として形成されるべきである。
(11)生体が反応する状況や場が考慮されなくてはならないが,その際,状況や場について力動的な解釈が伴われなくてはならない。
(12)生体の統合的な在り方だけでなく,分離的,特殊的,部分的な反応行動も考慮されなくてはならない。

《概念図》(1)(10)
┌───────────────┐
│┌────────────┐ │
││┌─────────┐ │ │
│││意識的な動機   ← │ │
│││ 究極目標(目的)→ │ │(3)(9)
│││  ↓      │ │ │
│││ 部分目標(手段)│ │ │
│││  └───┐  ←── │
│││環境(状況)│  ──→ │(11)
│││ 過去・現在│  │ │ │
│││ 予測・規範│  │ │ │
│││  │┌──┘  │ │ │
│││  ││ 分離的←─── │(12)
│││  ││ 特殊的 │ │ │
│││  ││ 反応  │ │ │
│││  ↓↓ ↓   │ │ │
│││ 反応・行動   │ │ │
││└─────────┘ │ │
││文化(特殊的、局所的) │ │(4)
│└────────────┘ │
│生体の状態(身体)      │(6)
│ 多数の欲求、複数の動機   │(5)
│ 欲求の優先度の階層     │(7)(8)
│ 無意識的な動機(根本的)  │(3)
│ 局所的に見られた「動因」  │(2)
└───────────────┘

(出典:wikipedia
アブラハム・マズロー(1908-1970)の命題集(Propositions of great philosophers)
「他方,1943年の第1番目の発表論文「動機理論序説」では,基本欲求の階層性と自己実現欲求について萌芽的な記述がみられる。この論文は,従来の心理学の研究方法論について疑問を提起し,今後自らが目指すべき心理学(健全な心理学sound motivation theory と称した)の要件として,次の12命題(1954年以降では16命題に増加)を指摘している)。
(1)生体の統合的全体性(the integrated wholeness of the organism)が再び強調されなくてはならない。
(2)局所的,身体的,部分的な動因(drive)を動機理論のパラダイムとしてはならない。
(3)動機研究で強調すべきことは,部分目標よりは究極目標(ultimate goals),また手段よりは目的(ends)にある。意識的な動機だけでなく無意識的な動機(unconscious motivations)が,動機理論の出発点となるべきである。
(4)通例,一つの目標に到達するのに文化的に異なった経路(different cultural paths)がある。それゆえ,動機理論の構築にあたり,根本的で無意識的な目標(fundamental, unconscious goals)の方が,意識的で特殊的・局所的な願望よりも有益である。
(5)動機づけられた行動は,事前的であれ完了的であれ,多数の欲求(many needs)が表明または充足され得る一つの経路(a channel)であると理解されなくてはならない。通常の行為は,複数の動機(more than one motivation)から生じている。
(6)生体の状態の殆どすべては,動機づけられていると理解されるべきである。
(7)人間は常に何かを欲している動物(a perpetually wanting animal)である。一つの欲求が現出するかどうかは,直前の状況すなわち他の優勢な諸欲求がどのような状況にあるかに依存する。欲求や願望は優勢度のヒエラルキー(hierarchies of prepotency)の下で配列されている。
(8)個別の動因をいくら列挙しても無意味である。動機の分類を行うのであれば,分類のレベルや特殊性についての問題を取り扱う必要がある。
(9)動機の分類は,駆動因よりも目標に基づいてなされなくてはならない。
(10)動機理論は,動物を中心にするのではなく,人間を中心として形成されるべきである。
(11)生体が反応する状況や場が考慮されなくてはならないが,その際,状況や場について力動的な解釈が伴われなくてはならない。
(12)生体の統合的な在り方だけでなく,分離的,特殊的,部分的な反応行動も考慮されなくてはならない。」
(出典:パーソナリティ研究におけるマズローの基本視座(三島斉紀,河野昭三,2010))
(索引:動機の理論.三島斉紀,河野昭三,1908-1970_アブラハム・マズロー)

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