情報の信憑性、情報の入手先
【情報の信憑性の確認:(a)提供者の利害関係、(b)入手経路、(c)別の筋の情報、(d)裏づけ事実。入手先候補者:(a)当事者、(b)不平家、感情家、(c)大臣の談話、身振り表情、(d)見栄で話す人、(e)口の軽い人。(フランソワ・ド・カリエール(1645-1717))】情報の信憑性の確認方法は、
(a)情報を提供した人たちの利害関係と情熱
(b)情報の対象になっている企みごとを、彼らがどうやって発見できたのか
(c)別の筋から知っていることと一致するか
(d)その情報を本当らしく思わせるような動きや準備が何かされているか
その他、問題の情報をめぐるすべての事情
情報収集の相手方の候補者は、
(a)交渉家の誘惑にのるような直接の当事者
(b)憤懣を晴らすために時折は重大な事柄を洩らす不平家や感情家
(c)最も有能で忠実な大臣たちの不用意にした談話や身振り表情
(d)自分の洞察力を人に誉められたいために、喜んでとかく人に話してしまう連中
(e)しばしば言うべきでないことまでしゃべる口の軽い人間
「有能な交渉家は、彼が受け取る情報を、すべてそのまま軽々に信じはしない。その前に、問題の情報をめぐるすべての事情や、情報を提供した人たちの利害関係と情熱や、情報の対象になっている企みごとを、彼らがどうやって発見できたのか、その情報は彼が同じ事柄の様子について別の筋から知っていることと一致するか、その情報を本当らしく思わせるような動きや準備が何かされているか、を検討する。」(中略)
「交渉家は、任国の秘密を、国事にたずさわっている人々、または、その連中の打ち明け話しをきいている人々から探り出すことができる。交渉家の誘惑にのるような直接の当事者、しばしばいうべきでないことまでしゃべる口の軽い人間、憤懣を晴らすために時折は重大な事柄を洩らす不平家や感情家が、ほとんど必ずといってよいほどに、何人かは存在するものである。
最も有能で忠実な大臣たちでさえも、常に身構えて用心しているとは限らない。君主と国家に対して一所懸命な大臣でも、不用意にした談話や身振り表情から、いちばん秘密にしていた利害の結びつきや色恋の関係までも、人に見破られた例がいくつかある。
顧問会議のメンバーでない廷臣でも、その宮廷の政務を長年見聞してきた経験にものをいわせて、顧問会議で決定したことをかぎつけ、自分の洞察力を人に誉められたいために、喜んでとかく人に話してしまう連中がいる。」
(フランソワ・ド・カリエール(1645-1717)『外交談判法』第8章 交渉家の職務について、pp.62-64、岩波文庫(1978)、坂野正高(訳))
(索引:情報の信憑性、情報の入手先)
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(出典:wikipedia)
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(フランソワ・ド・カリエール(1645-1717)『外交談判法』第8章 交渉家の職務について、pp.58-59、岩波文庫(1978)、坂野正高(訳))
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