自然の永遠の諸法則
【生じるものはすべて永遠の次第に従い、自然のある決まった諸法則に従って生じることを知れば、善とか悪と言われるのは、ただ視点に照らしてであることがわかる。完全、不完全も同様である。(バールーフ・デ・スピノザ(1632-1677))】「ここで、真の善ということでわたしが解るのは何か、併せて最高の善とは何かということをほんの手短に言っておこう。そのことをただしく解るには、善と言われ、悪と言われるのは、ただ視点に照らしてであるということに注意しなくてはならない。一つの同じ物が、視点を別にするにしたがい善いとも悪いとも言われうるほどだが、それは完全、不完全ということが言われる場合と同様である。というのは何ものも、それの自然の性を観察すれば、完全もしくは不完全と言われないだろうから。なかんずく、生じるものはすべて永遠の次第にしたがい、また自然の或るきまった諸法則にしたがって生じることをわれわれが識ったあとではそうである。」
(バールーフ・デ・スピノザ(1632-1677)『知性改善論』(12)(書名『スピノザ 知性改善論、神、人間とそのさいわいについての短論文』)、pp.13-14、みすず書房(2018)、佐藤一郎(訳))
(索引:)
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(出典:wikipedia)
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「だから私の志す目的は、このような本性を獲得すること、並びに、私と共々多くの人々にこれを獲得させるように努めることにある。」(中略)「次に、出来るだけ多くの人々が、出来るだけ容易に且つ確実にこの目的へ到達するのに都合よいような社会を形成しなければならない。なお、道徳哲学並びに児童教育学のために努力しなければならない。また健康はこの目的に至るのに大切な手段だから、全医学が整備されなければならない。また技術は多くの難しい事柄を簡単なものにして、我々に、生活における多くの時間と便宜を得させてくれるから、機械学を決してなおざりにしてはならない。」(バールーフ・デ・スピノザ(1632-1677)『知性改善論』(12)(13)(14)(15)、pp.17-19、岩波文庫(1968)、畠中尚志(訳))
バールーフ・デ・スピノザ(1632-1677)
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