高次の動機
【高次の動機:秩序、理解、感覚、優越、被害回避、遊び、自律、達成、反動、支配、顕示、屈辱回避、屈服、服従、愛育、性愛、親和、拒否、隔離、援助、防衛、攻撃(ヘンリー・マレー(1893-1988))】(1)マレーの列挙した、高次の動機の一覧
屈服:罰に従い、受け入れること
達成:目標に向けて、すばやく、うまく努力し、到達すること
親和:友情を形成すること
攻撃:他者を傷つけること
自律:独立に向けて努力すること
反動:挫折に打ち克つこと
防衛:防衛し、正当化すること
服従:喜んで仕えること
支配:他者を支配し、影響を与えること
顕示:興奮させ、衝撃を与え、自己脚色すること
被害回避:苦痛と傷害を避ける
屈辱回避:屈辱を避ける
愛育:無力な子どもを助け、あるいは守ること
秩序:秩序と清潔さを達成すること
遊び:リラックスすること
拒否:嫌いな人を拒絶すること
隔離:他者と離れたところにいること
感覚:感覚的満足を得ること
性愛:性愛関係をつくること
援助:栄養、愛情、援助を求めること
優越:障害物を乗り越えること
理解:疑問をもち、考えること
(2)以下は、マレーが抽出した欲求の分類の提案である。分類は、以下の仮説に従っている。すなわち、欲求とは、想起、想像、理解された対象や、言語などで表現された予測としての未来、または構想としての未来が、快または不快の情動を喚起する状態のことである。欲求の実体は、情動である。なお、人間の場合には、情動喚起刺激の種類によって、以下のような幾つかの特徴的な情動が生じる。
(2.1)驚き、恐怖の様相
秩序、理解
驚き、恐怖を回避する未来が指向される(秩序、理解欲求)
秩序:秩序と清潔さを達成すること
理解:疑問をもち、考えること
(2.2)快、不快の様相
(a)外的対象、快、嫌悪
感覚
外的対象が快となる未来が指向される(感覚欲求)
感覚:感覚的満足を得ること
(b)自己状態、喜び、悲しみ
優越、被害回避
不快な自己状態を回避する未来が指向される(優越、被害回避欲求)
優越:障害物を乗り越えること
被害回避:苦痛と傷害を避ける
(c)自己行為の自己評価、内的自己満足、後悔
遊び、自律、達成、反動
自己行為の自己評価が快となる未来が指向される(遊び、自律、達成欲求)
遊び:リラックスすること
自律:独立に向けて努力すること
達成:目標に向けて、すばやく、うまく努力し、到達すること
不快な自己行為の自己評価を回避する未来が指向される(反動欲求)
反動:挫折に打ち克つこと
(d)自己行為の他者評価、誇り、恥
支配、顕示、屈辱回避、屈服、服従
自己行為の他者評価が快となる未来が指向される(支配、顕示、屈辱回避欲求)
顕示:興奮させ、衝撃を与え、自己脚色すること
支配:他者を支配し、影響を与えること
屈辱回避:屈辱を避ける
不快な自己行為の他者評価を回避する未来が指向される(屈服、服従欲求)
屈服:罰に従い、受け入れること
服従:喜んで仕えること
(e)他者状態、喜び、憐れみ
愛育、性愛
他者状態が快となる未来が指向される(愛育、性愛欲求)
愛育:無力な子どもを助け、あるいは守ること
性愛:性愛関係をつくること
(f)他者行為、好意、憤慨
親和、拒否、隔離
他者行為が快となる未来が指向される(親和欲求)
親和:友情を形成すること
不快な他者行為を回避する未来が指向される(拒否、隔離欲求)
拒否:嫌いな人を拒絶すること
隔離:他者と離れたところにいること
(g)自己向け他者行為、感謝、怒り
援助、防衛、攻撃
自己向け他者行為が快となる未来が指向される(援助欲求)
援助:栄養、愛情、援助を求めること
不快な自己向け他者行為を回避する未来が指向される(防衛、攻撃欲求)
防衛:防衛し、正当化すること
攻撃:他者を傷つけること
(出典:wikipedia)
「マレーのグループが見つけた動機は、高次の動機とよばれる。
飢えや渇きや性のような基本的な生理学的欲求とは異なり、唾液の分泌や胃の収縮の増加などの特定の生理学的変化を含まないため、その名前を用いた。
代わりに、高次の動機は、人が価値をおく特定の目標や結果に対する心理的欲望あるいは願望である。表8.2は、古典的なリストにおけるマレーと共同研究者ら(Murray et al.,1938)が推察した多様な欲求の例を示している。これらの動機の多くは詳細に調査された(例:Emmons,1997; Koestner & McClelland,1990)。」
表8.2 ヘンリー・マレーによって仮定された人間の非生理学的欲求
屈服:罰に従い、受け入れること
達成:目標に向けて、すばやく、うまく努力し、到達すること
親和:友情を形成すること
攻撃:他者を傷つけること
自律:独立に向けて努力すること
反動:挫折に打ち克つこと
防衛:防衛し、正当化すること
服従:喜んで仕えること
支配:他者を支配し、影響を与えること
顕示:興奮させ、衝撃を与え、自己脚色すること
被害回避:苦痛と傷害を避ける
屈辱回避:屈辱を避ける
愛育:無力な子どもを助け、あるいは守ること
秩序:秩序と清潔さを達成すること
遊び:リラックスすること
拒否:嫌いな人を拒絶すること
隔離:他者と離れたところにいること
感覚:感覚的満足を得ること
性愛:性愛関係をつくること
援助:栄養、愛情、援助を求めること
優越:障害物を乗り越えること
理解:疑問をもち、考えること
(ウォルター・ミシェル(1930-2018),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅲ部 精神力動的・動機づけレベル、第8章 精神力動論の適用と過程、pp.239-240、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳))
(索引:高次の動機)
(出典:COLUMBIA UNIVERSITY IN THE CITY OF NEW YORK)
「個人が所有する自由や成長へのわくわくするような可能性には限りがない。人は可能自己について建設的に再考し、再評価し、効力感をかなりの程度高めることができる。しかし、DNAはそのときの手段・道具に影響を与える。生物学に加えて、役割における文化や社会的な力も、人が統制できる事象および自らの可能性に関する認識の両方に影響を与え、制限を加える。これらの境界の内側で、人は、将来を具体化しながら、自らの人生についての実質的な統制を得る可能性をもっているし、その限界にまだ到達していない。
数百年前のフランスの哲学者デカルトは、よく知られた名言「我思う、ゆえに我あり」を残し、現代心理学への道を開いた。パーソナリティについて知られるようになったことを用いて、私たちは彼の主張を次のよう に修正することができるだろう。「私は考える。それゆえ私を変えられる」と。なぜなら、考え方を変えることによって、何を感じるか、何をなすか、そしてどんな人間になるかを変えることができるからである。」
(ウォルター・ミシェル(1930-2018),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅶ部 各分析レベルの統合――全人としての人間、第18章 社会的文脈および文化とパーソナリティ、p.606、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳))
ウォルター・ミシェル(1930-2018)
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屈服:罰に従い、受け入れること
達成:目標に向けて、すばやく、うまく努力し、到達すること
親和:友情を形成すること
攻撃:他者を傷つけること
自律:独立に向けて努力すること
反動:挫折に打ち克つこと
防衛:防衛し、正当化すること
服従:喜んで仕えること
支配:他者を支配し、影響を与えること
顕示:興奮させ、衝撃を与え、自己脚色すること
被害回避:苦痛と傷害を避ける
屈辱回避:屈辱を避ける
愛育:無力な子どもを助け、あるいは守ること
秩序:秩序と清潔さを達成すること
遊び:リラックスすること
拒否:嫌いな人を拒絶すること
隔離:他者と離れたところにいること
感覚:感覚的満足を得ること
性愛:性愛関係をつくること
援助:栄養、愛情、援助を求めること
優越:障害物を乗り越えること
理解:疑問をもち、考えること
(ウォルター・ミシェル(1930-2018),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅲ部 精神力動的・動機づけレベル、第8章 精神力動論の適用と過程、pp.239-240、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳))
(索引:高次の動機)
(出典:COLUMBIA UNIVERSITY IN THE CITY OF NEW YORK)
「個人が所有する自由や成長へのわくわくするような可能性には限りがない。人は可能自己について建設的に再考し、再評価し、効力感をかなりの程度高めることができる。しかし、DNAはそのときの手段・道具に影響を与える。生物学に加えて、役割における文化や社会的な力も、人が統制できる事象および自らの可能性に関する認識の両方に影響を与え、制限を加える。これらの境界の内側で、人は、将来を具体化しながら、自らの人生についての実質的な統制を得る可能性をもっているし、その限界にまだ到達していない。
数百年前のフランスの哲学者デカルトは、よく知られた名言「我思う、ゆえに我あり」を残し、現代心理学への道を開いた。パーソナリティについて知られるようになったことを用いて、私たちは彼の主張を次のよう に修正することができるだろう。「私は考える。それゆえ私を変えられる」と。なぜなら、考え方を変えることによって、何を感じるか、何をなすか、そしてどんな人間になるかを変えることができるからである。」
(ウォルター・ミシェル(1930-2018),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅶ部 各分析レベルの統合――全人としての人間、第18章 社会的文脈および文化とパーソナリティ、p.606、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳))
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