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2018年5月6日日曜日

10.嫌悪的な課題や、ストレスや苦痛を伴う出来事を、予測可能で自分で統制できると信じると、そう信じることがたとえ現実と合わない幻想のような場合でさえ、否定的な感情が弱まり、課題遂行の悪化がかなり防げる。(ウォルター・ミシェル(1930-))

予測可能性

【嫌悪的な課題や、ストレスや苦痛を伴う出来事を、予測可能で自分で統制できると信じると、そう信じることがたとえ現実と合わない幻想のような場合でさえ、否定的な感情が弱まり、課題遂行の悪化がかなり防げる。(ウォルター・ミシェル(1930-))】
 「とても痛い歯医者の治療のように、ある課題が嫌悪的であり、それをがまんしなければならないし、統制することもできない場合でさえ、その出来事やストレスを予測したり統制したりすることが可能だと信じることは、適応的な行動にとって重要な要素となる。

例えば古典的な研究において、女子大生が課題遂行中に不快なノイズを浴びせられた。そのノイズは、条件によって予測可能なタイミングか、不可能なタイミングで起きた(Glass,Singer & Friedman,1969)。このフラストレーション状況にがまんできるかどうかと課題遂行の質は、予測不可能なノイズ条件でのみ悪化したのである。

この結果と同じように興味深いのは、ストレスがかかった状況のとき、そのストレスが終わる時期を決めることができると実験参加者が信じた場合には、課題遂行の悪化がかなり防げたという結果である。

一般的にいえば、ストレスが生じる出来事や苦痛な出来事を、自分で予測でき統制できると信じると、そう信じることがたとえ現実と合わない幻想のような場合でさえ(Taylor & Brown,1988)、ほとんどの人で否定的な感情が弱まる傾向がある(Staub,Tursky & Schwarts,1971)。」 

(ウォルター・ミシェル(1930-),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅵ部 社会認知的レベル、第15章 社会認知的プロセス、p.487、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳))
(索引:知覚された統制、予測可能性)

パーソナリティ心理学―全体としての人間の理解



(出典:COLUMBIA UNIVERSITY IN THE CITY OF NEW YORK
ウォルター・ミシェル(1930-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers) 「個人が所有する自由や成長へのわくわくするような可能性には限りがない。人は可能自己について建設的に再考し、再評価し、効力感をかなりの程度高めることができる。しかし、DNAはそのときの手段・道具に影響を与える。生物学に加えて、役割における文化や社会的な力も、人が統制できる事象および自らの可能性に関する認識の両方に影響を与え、制限を加える。これらの境界の内側で、人は、将来を具体化しながら、自らの人生についての実質的な統制を得る可能性をもっているし、その限界にまだ到達していない。
 数百年前のフランスの哲学者デカルトは、よく知られた名言「我思う、ゆえに我あり」を残し、現代心理学への道を開いた。パーソナリティについて知られるようになったことを用いて、私たちは彼の主張を次のよう に修正することができるだろう。「私は考える。それゆえ私を変えられる」と。なぜなら、考え方を変えることによって、何を感じるか何をなすか、そしてどんな人間になるかを変えることができるからである。」
(ウォルター・ミシェル(1930-),オズレム・アイダック,ショウダ・ユウイチ『パーソナリティ心理学』第Ⅶ部 各分析レベルの統合――全人としての人間、第18章 社会的文脈および文化とパーソナリティ、p.606、培風館 (2010)、黒沢香(監訳)・原島雅之(監訳))

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