2026年7月31日金曜日

007必ずわかる難問題3

007_必ずわかる難問題3

(1)前回、宇宙の構造と、法則の概要を話しました。現代の物理学は、かなりの精度で真理を掴んでいて、高度な技術の基礎知識にもなっています。(2)この宇宙の法則から、生命が生まれて進化することが理解できるだろうか。

(3)意識が生まれ、その意識が宇宙の法則を理解することを、説明できるだろうか。

(4)宇宙の出来事の生成は、確率の法則に従っているが、出来事の生成は、偶然に支配されている。

(5)ところが生命は、良くなろうとする傾向がある。物理学の法則とは矛盾しないのか?

★代謝のプロセス

 有機体は、内部環境の変化を検出し、その変化が有機体の自己保存と効率的機能にとって良いか悪いかを評価して反応し、代謝のプロセスで内部環境を調整する。

(仮説)はじめの一歩は、小さな一歩で、偶然だったのだろう。ある分子の配列が、「自己保存」に適したものを探り当てたとき、変化はランダムではなく、方向性を持つことになった。もしかしたら、最初の探り当ても、無数の分子配列の量子的な重ね合わせの中から、まさに「自己保存する」がゆえに出来事として発生するのではないのか? 量子コンピュータのような速さで、無数組み合わせが一瞬のうちに試行され、自己保存する配列が生き残る。この仮説が正しいなら、生命の発生は、必然だったことになる。

《定義》

・内部の化学的作用のバランスを維持するための、化学的要素(内分泌、ホルモン分泌)と機 械的要素(消化と関係する筋肉の収縮など)

《機能》

・体内に適正な血液を分配するための、心拍数や血圧の調整。

・血液中や細胞と細胞の間にある液の酸度とアルカリ度の調整。

・運動、化学酵素の生成、有機体組織の維持と再生に必要なエネルギーを供給するための、タ ンパク質、脂質、炭水化物の貯蔵と配備の調整。


2026年7月29日水曜日

006必ずわかる難問題2

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006a_必ずわかる難問題2

物理学


難問題に入っていく前に、物理学が理解している宇宙の姿を、知って欲しい。次の記述は、簡潔で丁寧にまとめて書かれているので、何回も読んで欲しい。復習します。

今回は、(6)を、説明します。 


★(1)「わたしたちが生きる世界には、屈曲した時空間が広がっている。


★(2)どのようにしてかは分からないが、それは今から一四〇億年前に、巨大な爆発によって誕生した。以来、時空間はずっと膨張を続けている。


★(3)この空間は実在する「事物」であり、物理的な「場」である。時空間の力学は、アインシュタインの方程式によって記述される。物質の重みのもとで、空間は折れたり曲がったりする。物質が極度に凝縮されたときには、空間がブラックホールへ呑みこまれていくこともある。

★(4)宇宙には無数の銀河が散らばっており、ひとつひとつの銀河に無数の星が散らばっている。銀河を形づくっている物質は、量子場によって形づくられている。量子場は、電子や光子のように、粒子の形態をとって現われる。または、量子場は電磁波のように、波の形で現われることもある。テレビの映像や、太陽の光や、星の輝きをわたしたちに伝えているのは、電磁波である。

★(5)原子や光をはじめ、宇宙に存在するあらゆる事物は、量子場によって記述される。量子場は奇妙な存在である。量子場を形成するひとつひとつの粒子は、別のなにかと相互作用を起こすときだけ、ある一点に居場所を定め、その姿をあらわにする。ひとたび相互作用を終えるなり、粒子は「確率の雲」のなかへ溶けこんでいく。世界とは、素粒子が起こす事象の湧出である。波のように振動する、大きく躍動的な空間の海に、素粒子は浸かっている。

★(6)世界のこのようなイメージと、このイメージを形づくるわずかな方程式によって、わたしたちの目に映るほとんどすべてのものを記述することができる。そう。あくまで、「ほとんど」である。肝心な何かが、まだ欠けている。今日のわたしたちが要求しているのは、その何かである。」(カルロ・ロヴェッリ(1956-)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第3部 量子的な空間と相関的な時間、pp.142-143、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))


★(6.1)「一般相対性理論は、宇宙論、天体物理学、重力波やブラックホール研究の基礎である。一方の量子力学は、原子物理学、核物理学、素粒子物理学、物性物理学をはじめ、多くの分野の研究基礎となっている。しかし、二つの理論を並置すると、周囲には不協和音が響きわたる。少なくとも、現今の形式においては、二つの理論のどちらもが正しいということはありえない。(中略)


★(6.2)一般相対性理論の重力場は、量子力学を考慮に入れずに記述されている。つまり一般相対性理論は、「量子化された場(量子場)」を想定していない。量子力学はというと、「時空間は曲がる」という点を無視して定式化されている。量子力学の扱う空間に、アインシュタインの方程式は当てはまらない。」(カルロ・ロヴェッリ(1956-)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第3部 量子的な空間と相関的な時間、第5章 時空間は量子的である、p.144、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))★

https://sententiarum2.blogspot.com/2018/01/1956_92.html

2026年7月28日火曜日

005必ずわかる難問題1

 


005a_必ずわかる難問題1

世界3と心身問題


★何百年も議論されても、明確に解けたと思えないような難しい問題が、いくつかあります。その中の一つ。

宇宙が誕生し、星々ができ、地球上で生命が生まれ進化して、人間が生まれ、心を持つようになった。

私たちは、たしかに、自分で考えて、自由に選択する、Aを選ぶか、Bを選ぶか? しかし人間も、物質には違いなく、宇宙を支配している物理学の法則に従っているはずだ。

生命とは何か?

意識とは何か?

人間に自由意志はあるのか?

未来は選べるのか?

しばらくは、ポパーの考えたことを、

紹介してみたい。


(1)物質の世界を世界1、心の世界を、世界2と呼ぶことにする。ポパーは。もう一つの世界があるという。世界3だ。世界3とは、人間の心が作ったものの世界だ。

(2)たぶん誰でも、ごく素朴な直感として、物質の世界1の存在を、確信している。

(3)ところが良く考えると、物質があると思っているのは、私ではないのか。科学や技術は、物質の世界を、解明している? 私が勝手に思っているだけということはないのか。少なくとも、私の心の世界2は存在する。

(4)私は決して他者の心の世界2を経験できないが、他者の心の世界2も存在する。

(5)物質の世界を解明しているという科学や技術とは何か。誰か個人の心の中にあるというようなものではない。それは、膨大な書籍に書いてあったり、コンピュータシステムに記録されたデータやプログラムだったり、観測機器や製造装置だったりする。これらは、物質の世界1の存在だ。仮に、人間が滅びて1人もいない世界を考えると、これらの物質の塊が何か働き出すことはない。

(6)ところが、これらの、人間の心が作り出したものが、人間と相互作用しあうと、宇宙の秘密を解き明かしたり、ロケットを飛ばしたりできる。

https://sententiarum2.blogspot.com/2018/08/31902-1994.html


2026年7月25日土曜日

013必ずわかる難問題9

 ★012必ずわかる難問題9

★自己意識の発生


(1)主観的な意識は、時空におけるイベントであるとしてみる。

(2)イベントが生成されるには、なんらかのマクロ系の「モナド」が存在していなければならない。

(3)「総じて主観というものが存在しうるためには、なんらかの持久するものが現存していなくてはならない〔そして同様に多くの同等性と類似性が現存していなくてはならない〕。」(フリードリヒ・ニーチェ(1844-1900)『遺稿集・生成の無垢』Ⅰ認識論/自然哲学/人間学 六三、ニーチェ全集 別巻4 生成の無垢(下)、pp.49-50、[原佑・吉沢伝三郎・1994])

(4)マクロ系の存在は、ある特定の状態を構成する無数のミクロ状態から生成される。


 

https://sententiarum2.blogspot.com/2018/07/abcd1844-1900.html

2026年7月24日金曜日

011必ずわかる難問題7

 ★011必ずわかる難問題7

★多様な文化と歴史をつくる力


世界の動きがおかしい。人間の未来はどうなるのか? どこに向かっているのか?

個人があがいても、大きな流れは、変えられないものなのか? 


★(1)歴史的決定論は、誤りである。

 (a)人間は、歴史の目的や説明を求める。

 (b)もちろん、個々人や国民の生活の形成を決定していく、大きな非人格的な要因は存在する。

 (c)しかし、歴史の法則というものには、あまりにも多くの明白な例外と、逆の事例が存在する。

★(2)個々人の決断と行為が歴史をつくる。

 様々な要因が多少とも均等にバランスしている時において、大抵は予測することができない偶然や、個々人の決断や行為が、歴史の進路を決定するというような決定的な瞬間、転換点が存在する。

★(3)我々は、多様な文化の中に生きている。

 (a)文化は、新規で予想もされないような世界観を持っており、互いに矛盾しているような場合もある。

 (b)文化は、世界がそれぞれの社会にとって何を意味するかという感覚に影響を与える。

 (c)文化は、思想、感情、態度、行動の特殊な形態に影響を与える。


https://sententiarum2.blogspot.com/2019/11/1909-1997.html


2026年7月22日水曜日

010必ずわかる難問題6

 ★010必ずわかる難問題6


★市場の失敗と政府の役割


【(a)不完全な競争、(b)情報の不完全性、非対称性、(c)外部性の働き、(d)リスク市場の非存在によって、市場の失敗が発生する。高い効率性と繁栄のためには、政府による適切な矯正作業が必要である。(ジョセフ・E・スティグリッツ(1943-))】


★(1)効率的な市場

 市場において個々人が自己利益を最大化させることで、全体の社会的利益を最大化させることができる。

★(2)市場の失敗

 市場は、独力で効率的な結果を生み出せない。すなわち、以下の諸原因により、個々人が社会にもたらす利益と個人的報酬が等しくなくなり、全体の社会的利益を最大化させることができなくなる。

★ 市場の失敗の原因

★(2.1)競争が不完全なとき。

 (2.2)情報の不完全性や情報の非対称性が存在するとき。

  市場取引に関する情報を、誰かが持っている一方で、他の誰かが持っていない状況。

★(2.3)外部性が働いているとき。

  ひとつの集団の行動によって、正もしくは負の影響が他に及ぶ可能性があるものの、集団が正の影響から利益を得ることも、負の影響の代償を支払うこともない状況。

★(2.4)リスク市場が存在しないとき

  たとえば、直面する重大なリスクの多くに対して、保険をかけることができない状況。

★(3)政府の役割

 (3.1)政府は、税金と規制にかんする制度設計を通じて、個人のインセンティブと、社会的利益を同調させる必要がある。

 (3.2)重大な市場の失敗に対して、納得できる矯正作業を政府が行なわないかぎり、経済の繁栄は望めないだろう。

★(4)2つの考え方

 (4.1)みんなの幸せを考える。全体の社会的利益を最大化させようとするには、政府の適切な矯正作業が必要である。

 (4.2)私だけ、儲かれば良い。社会に対する貢献以上の個人的報酬を獲得しようとするには、政府の規制は少ないほうが都合がいい。

★(5)歴史

 世界大恐慌以降の40年間、すぐれた金融規制によって、アメリカと世界は大きな危機を回避してきた。1980年代に規制が緩和されると、その後の30年間は、危機が立て続けに起きるようになった。


https://sententiarum2.blogspot.com/2019/03/abcde1943.html

2026年7月21日火曜日

009必ずわかる難問題5

 ★009必ずわかる難問題5


社会学では、人類の歴史を考えます。私たちが、どのように形成されてきたのか?


★(1)社会性と集団が無ければ生存できなかった 

「アフリカ・サヴァンナでの類人猿の生存にとっての大きな障害が、社会性と凝集的な集団構造の不足であったと仮定すれば、選択力は社会性と結合を増進するためにヒト科の脳の再組織化の方向に向ったにちがいない。」

(ジョナサン・H・ターナー(1942-)『感情の起源』第2章 選択力と感情の進化、p.61、明石書店 (2007)、正岡寛司(訳))


★(2)感情能力が強化されることで社会性が獲得された

★(3)社会性を強化する感情能力に依存する6つの仕組み

 先天的に社会性が低い動物を、より社会的で凝集的に組織される種に変えるために、必要となったものである。それらすべてが、ヒト科の感情能力の綿密な仕上げに依存している。

(a)感情エネルギーの動員と経路づけ

(b)対面反応の調整

(c)裁可

(d)道徳的記号化

(e)資源評価と資源交換

(f)合理的意思決定


本の抜粋を読みたいときは、


https://sententiarum2.blogspot.com/2020/04/Jonathan-H.-Turner-1942-.html


2026年7月20日月曜日

008必ずわかる難問題4

 ★008難問題4


心理テストです。あなたは、(a)ですか(b)ですか?


(a)あるテストが重要な能力を診断すると言われたなら、成績がよくなる。


(b)テストが重要な能力を診断するものではないと伝えられたほうが、よりよい成績をとる。


何がわかるか?


https://sententiarum2.blogspot.com/2018/05/m1943.html

 ★

007必ずわかる難問題3

 007_必ずわかる難問題3

(1)前回、宇宙の構造と、法則の概要を話しました。現代の物理学は、かなりの精度で真理を掴んでいて、高度な技術の基礎知識にもなっています。(2)この宇宙の法則から、生命が生まれて進化することが理解できるだろうか。

(3)意識が生まれ、その意識が宇宙の法則を理解することを、説明できるだろうか。

(4)宇宙の出来事の生成は、確率の法則に従っているが、出来事の生成は、偶然に支配されている。

(5)ところが生命は、良くなろうとする傾向がある。物理学の法則とは矛盾しないのか?


次の記事を読んでみて欲しい

ダマシオは清泉の講義にも、登場してました

https://sententiarum2.blogspot.com/2018/06/1231944.html


2026年7月18日土曜日

006_必ずわかる難問題2

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006a_必ずわかる難問題2(第1回)

物理学


難問題に入っていく前に、物理学が理解している宇宙の姿を、知って欲しい。次の記述は、簡潔で丁寧にまとめて書かれているので、何回も読んで欲しい。

後に、詳しく説明していきます。


 「わたしたちが生きる世界には、屈曲した時空間が広がっている。


どのようにしてかは分からないが、それは今から一四〇億年前に、巨大な爆発によって誕生した。以来、時空間はずっと膨張を続けている。


この空間は実在する「事物」であり、物理的な「場」である。時空間の力学は、アインシュタインの方程式によって記述される。物質の重みのもとで、空間は折れたり曲がったりする。物質が極度に凝縮されたときには、空間がブラックホールへ呑みこまれていくこともある。

 宇宙には無数の銀河が散らばっており、ひとつひとつの銀河に無数の星が散らばっている。銀河を形づくっている物質は、量子場によって形づくられている。量子場は、電子や光子のように、粒子の形態をとって現われる。または、量子場は電磁波のように、波の形で現われることもある。テレビの映像や、太陽の光や、星の輝きをわたしたちに伝えているのは、電磁波である。

 原子や光をはじめ、宇宙に存在するあらゆる事物は、量子場によって記述される。


量子場は奇妙な存在である。量子場を形成するひとつひとつの粒子は、別のなにかと相互作用を起こすときだけ、ある一点に居場所を定め、その姿をあらわにする。ひとたび相互作用を終えるなり、粒子は「確率の雲」のなかへ溶けこんでいく。


世界とは、素粒子が起こす事象の湧出である。波のように振動する、大きく躍動的な空間の海に、素粒子は浸かっている。

 世界のこのようなイメージと、このイメージを形づくるわずかな方程式によって、わたしたちの目に映るほとんどすべてのものを記述することができる。


 そう。あくまで、「ほとんど」である。肝心な何かが、まだ欠けている。今日のわたしたちが要求しているのは、その何かである。」


(カルロ・ロヴェッリ(1956-)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第3部 量子的な空間と相関的な時間、pp.142-143、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))

カルロ・ロヴェッリ(1956 - )は、イタリアの理論物理学者、サイエンスコミュニケーターである。イタリア、ヴェローナ生まれ。ループ量子重力理論を提唱した。 


https://sententiarum2.blogspot.com/2018/01/1956_43.html

今後の予定

3 脳科学、神経科学7/20

4 心理学、精神分析7/21

5 社会学、人類学7/22

6 経済学7/23

7 政治哲学7/24

8 法哲学、倫理学7/25

9 いわゆる哲学7/26

10 人生の知恵7/27

005_必ずわかる難問題1

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005a_必ずわかる難問題1(第1回)


何百年も議論されても、明確に解けたと思えないような難しい問題が、いくつかあります。その中の一つ。

宇宙が誕生し、星々ができ、地球上で生命が生まれ進化して、人間が生まれ、心を持つようになった。

私たちは、たしかに、自分で考えて、自由に選択する、Aを選ぶか、Bを選ぶか? しかし人間も、物質には違いなく、宇宙を支配している物理学の法則に従っているはずだ。

生命とは何か?

意識とは何か?

人間に自由意志はあるのか?

未来は選べるのか?

しばらくは、ポパーの考えたことを、

紹介してみたい。


カール・ポパー(1902 - 1994)は、オーストリア出身のイギリスの哲学者。純粋な科学的言説の必要条件として反証可能性を提起し、批判的合理主義に立脚した科学哲学及び科学的方法の研究の他、社会主義や全体主義を批判する『開かれた社会とその敵』を著すなど社会哲学や政治哲学も展開した。

物質の世界を世界1、心の世界を、世界2と呼ぶことにする。ポパーは。もう一つの世界があるという。世界3だ。

世界3とは、人間の心が作ったものの世界。


ぜひ、次の記事を読んでみて欲しいです。

https://sententiarum2.blogspot.com/2018/08/233331902-1994.html


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