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2018年8月28日火曜日

(a)前意識状態における確率論的計算性 (b)自己調整性 (c)状態の非局所性 (d)前意識状態から意識への確定の計算不可能性 (e)時間の一方向に進む「意識の流れ」 (f)なお、500msのコヒーレント時間に関与するニューロン数は約1000個。(ロジャー・ペンローズ(1931-))

意識に量子論が関係すると思われる理由

【(a)前意識状態における確率論的計算性 (b)自己調整性 (c)状態の非局所性 (d)前意識状態から意識への確定の計算不可能性 (e)時間の一方向に進む「意識の流れ」 (f)なお、500msのコヒーレント時間に関与するニューロン数は約1000個。(ロジャー・ペンローズ(1931-))】

(1)前意識的なプロセスにおいては、コヒーレントな量子的重ね合わせとそれに基づく計算が、マイクロチューブル内のチューブリンで起こる。
 (1a)チューブリンの初期状態
 (1b)量子的な振動を制御するマイクロチューブル関連蛋白質(MAPs)が、「自己調整」する。
 (1c)(1a)、(1b)により、チューブリンがどのような状態になるかの確率が決まる。
 (1d)この量子的状態は、非局所的である。すなわち、収縮を誘発する質量の移動が小さな領域で起こることによっても生ずるし、あるいは大きな領域にわたって均一に起こることによっても生ずる。
 (1e)ノイズにあふれ、混沌とした細胞内の環境で果たして量子的コヒーレントな状態が維持できるのかという疑問がある。この点については、生化学的なラディカルのペアが、細胞質内で分離した後も相関を保つという、肯定的なデータがある。また、蛋白質の中のコヒーレントな励起状態の証拠が報告されている。
(2)前意識的な状態は、古典的に定義された状態へと落ち込む。この過程は、計算不可能である。すなわち、これらの状態は、量子的計算の最初の状態から、アルゴリズムに基づいて決定することはできない。このように、(1b)により「自己調整」されたこの収縮過程を、「調節された客観的収縮」(Orch OR)と呼ぶ。
(3)定量的な評価:T = h/2πE
 T:重ね合わされた状態が自己収縮するまでの寿命。「コヒーレント時間」と呼ぶ。
 E:二つの分布の間の差に対応する重力的自己エネルギー。
 T=500msとして見積もると(リベットらによって、前意識的なプロセスを特徴づける時間)
  チューブリン数:約109
  各ニューロンの中の10%のチューブリンがコヒーレントな量子的重ね合わせに参加しているとすると、
       ニューロン数:約103
 T=50msだと、ニューロン数:約104
 T=5ms だと、ニューロン数:約105
(4)一つ一つの自己組織化された「Orch OR」を、単一の意識的イベントとみなす。
(5)このようなイベントが次々と起こることによって、「意識の流れ」が形成され、また、一方向に進む時間の流れを形成する。

 「私たちが提出しているモデルは、次のような内容を含んでいる。
(1) 量子力学のさまざまな側面(たとえば量子的コヒーレンス)と、前に示唆したような自己収縮の過程(客観的収縮、「OR」)は意識において本質的な役割を果たしている。これらの過程は、脳のニューロンの中で、細胞骨格のマイクロチューブルをはじめとする構造の中で起こっている。
(2) マイクロチューブルを構成するチューブリンの構造は、内部の量子状態と関連している。そして、チューブリン同士が共同的に相互作用することによって、古典的および量子的な計算が行なわれている。
(3) 量子的なコヒーレントな重ね合わせがチューブリンの間に起こる際には、環境からの熱的エネルギーと、生体分子からの生化学的エネルギーが関与する(この際、フレーリッヒが提案したようなメカニズムが働いているかもしれない)。最近になって、蛋白質の中のコヒーレントな励起状態の証拠が報告されている。
 さらに、マイクロチューブルの表面付近の水分子は、ランダムではなく、ある秩序の下に、蛋白質の表面と相互作用していると考えられる。マイクロチューブルの中の中空の構造は、量子的な波の伝導管として働き、量子的にコヒーレントな光子を作り出すかもしれない(ちょうど、「超光放射」(super-radiance)や、「自己誘導透明化」(self-induced transparancy)の現象のように)。コヒーレントな状態は、周りの環境から隔離された形で、最大数百ミリ秒にわたって保たれる必要がある。このようなコヒーレントな状態は、
 (a)マイクロチューブルの筒の中の中空
 (b)チューブリンの疎水性のポケット
 (c)コヒーレントに秩序づけられた水分子
 (d)ゾル-ゲル層
 の中で起こる可能性がある。
 ノイズにあふれ、混沌とした細胞内の環境で果たして量子的コヒーレントな状態が維持できるのかという疑問があるだろう。この点については、生化学的なラディカルのペアが、細胞質内で分離した後も相関を保つという、肯定的なデータがある。
(4) 前意識的なプロセスにおいては、コヒーレントな量子的重ね合わせとそれに基づく計算が、マイクロチューブル内のチューブリンで起こる。この重ね合わせの状態は、チューブリンの固有状態の間の質量分布の差が量子重力のしきい値に達するまで維持される。しきい値に達したとき、自己収縮(OR)が起こる。
(5) 自己収縮(OR)の結果、マイクロチューブル内のチューブリンは、古典的に定義された状態へと落ち込む。「OR」に関するある種の理論によれば、結果として生ずる古典的な状態は、計算不可能である。つまり、これらの状態は、量子的計算の最初の状態から、アルゴリズムに基づいて決定することはできない。
(6) 「OR」の結果、チューブリンがどのような状態になるかの確率は、チューブリンの初期状態や、量子的な振動を制御するマイクロチューブル関連蛋白質(MAPs)の状態によって決まる。このような理由で、私たちはマイクロチューブル内で自己調節しながら起こる「OR」のプロセスを、「調節された客観的収縮」(Orch OR)と呼ぶのである。
(7) ペンローズによって提出された「OR」に関する議論によれば、重ね合わされた状態は、それぞれが独自の時空構造の幾何学を持つことになる。コヒーレントな質量-エネルギー分布の違いが、十分に大きい時空の幾何学の分離をもたらしたときに、システムは単一の状態へと自己崩壊を起こす。こうして、「Orch OR」は、基本的な時空構造の幾何学における自己選択を含む。
(8) 十分によく定義された質量分布を持つ二つの状態が重ね合された状態から「Orch OR」が起こるプロセスを定量的に評価するためには、二つの分布の間の差に対応する重力的自己エネルギーEを求めればよい。ここから、重ね合わされた状態が自己収縮するまでの寿命Tが、
  T = h/2πE
 という式で求められる。私たちは、Tを、重ね合わせがコヒーレントに維持される時間=「コヒーレント時間」と呼ぶことにする。ここで、Tの大きさとして、T=500ミリ秒という値を採用してみよう。これは、リベットらによって、前意識的なプロセスを特徴づける時間とされてきた値である。この値からEを計算すると、コヒーレントな状態を500ミリ秒保つために必要なチューブリンの数が推定できる。答えは、約109個のチューブリンということになる。
(9) 典型的な脳のニューロンは、約107個のチューブリンを持っている。もし各ニューロンの中の10%のチューブリンがコヒーレントな量子的重ね合わせに参加しているとすると、約103個のニューロンが、コヒーレントな状態を500ミリ秒保つために必要とされることになる。
(10) 私たちは、一つ一つの自己組織化された「Orch OR」を、単一の意識的イベントとみなす。このようなイベントが次々と起こることによって、「意識の流れ」が形成される。もし、何らかの理由によって、生体が脅かされたり、興奮したとしよう。この時には、コヒーレントな量子的状態が速く現れ、たとえば、1010個のチューブリンが50ミリ秒以内に「Orch Or」を起こすと考えられる。もし、1011個のチューブリンが参加すれば、5ミリ秒で「Orch Or」が起こる。
 たとえば、あなたの前に突然ベンガル虎が現れたとすると、1012個のチューブリンが、0.5ミリ秒以内に「Orch OR」を起こすことになるかもしれない。もちろん、より遅い時間経過をたどるコヒーレント状態もあるだろう。ちなみに、単一の電子は、自己収縮を起こすために、宇宙の年齢以上の時間を要する。
(11) 量子的状態は、非局所的である。その理由は、量子的状態が、「巻き込み」(entanglement)を、すなわち、EPR(Einstein-Podolsky-Rosen)パラドックスのような効果を起こしうるからだ。収縮の過程では、このような非局所的な状態が、一気に一つの状態に落ち込む。非局所的な収縮は、収縮を誘発する質量の移動が小さな領域で起こることによっても生ずるし、あるいは大きな領域にわたって均一に起こることによっても生ずる。個々の瞬間的な「Orch Or」のイベントは、空間的、時間的な広がりを持つ重ね合わせの自己エネルギーが、特定の瞬間にしきい値に達することによって生ずる。情報は、このような瞬間的なイベント(意識の中での心理的な「今」)に結びついて表現される。このような一連の「Orch Or」が、私たちにとってなじみの深い「意識の流れ」を形成し、また、一方向に進む時間の流れを形成する。」
(ロジャー・ペンローズ(1931-),『影への疑念を超えて』(日本語名『ペンローズの量子脳理論』),意識は、マイクロチューブルにおける波動関数の収縮として起こる,5「Orch OR」による意識のモデルの要約,徳間書店(1997),pp.156-162,茂木健一郎(訳))
(索引:量子力学,意識)

ペンローズの量子脳理論―21世紀を動かす心とコンピュータのサイエンス (Naturaーeye science)


(出典:wikipedia
ロジャー・ペンローズ(1931-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「さらには、こうしたことがらを人間が理解する可能性があるというそのこと自体が、意識がわれわれにもたらしてくれる能力について何らかのことを語っているのだ。」(中略)「「自然」の働きとの一体性は、潜在的にはわれわれすべての中に存在しており、いかなるレヴェルにおいてであれ、われわれが意識的に理解し感じるという能力を発動するとき、その姿を現すのである。意識を備えたわれわれの脳は、いずれも、精緻な物理的構成要素で織り上げられたものであり、数学に支えられたこの宇宙の深淵な組織をわれわれが利用するのを可能ならしめている――だからこそ、われわれは、プラトン的な「理解」という能力を介して、この宇宙がさまざまなレヴェルでどのように振る舞っているかを直接知ることができるのだ。
 これらは重大な問題であり、われわれはまだその説明からはほど遠いところにいる。これらの世界《すべて》を相互に結びつける性質の役割が明らかにならないかぎり明白な答えは現れてこないだろう、と私は主張する。これらの問題は互いに切り離し、個々に解決することはできないだろう。私は、三つの世界とそれらを互いに関連づけるミステリーを言ってきた。だが、三つの世界ではなく、《一つの》世界であることに疑いはない。その真の性質を現在のわれわれは垣間見ることさえできないのである。」

    プラトン的
    /世界\
   /    \
  3      1
 /        \
心的───2────物理的
世界         世界


(ロジャー・ペンローズ(1931-),『心の影』,第2部 心を理解するのにどんな新しい物理学が必要なのか,8 含意は?,8.7 三つの世界と三つのミステリー,みすず書房(2001),(2),pp.235-236,林一(訳))

ロジャー・ペンローズ(1931-)
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2018年8月27日月曜日

量子力学の法則と、観測結果とを結びつける明確な理解に、私たちは未だ到達していない。観測過程を客観的な時間発展の結果として記述できるような法則の解明には、私たちの意識の理解が関わっていると思われる。(ロジャー・ペンローズ(1931-))

量子力学と意識

【量子力学の法則と、観測結果とを結びつける明確な理解に、私たちは未だ到達していない。観測過程を客観的な時間発展の結果として記述できるような法則の解明には、私たちの意識の理解が関わっていると思われる。(ロジャー・ペンローズ(1931-))】

1.(U)波動関数の時間発展(シュレーディンガー方程式)
 量子的コヒーレントな重ね合わせ。収縮は起こらない。
2.(R、SR)収縮、主観的収縮
 通常の量子力学(コペンハーゲン解釈)。環境との巻き込み観測。意識を持つ観測者による観測。
3.(OR)客観的収縮
 新しい物理学(Penrose 1994)。自己収縮。量子重力によって引き起こされる(Penrose,Doisi他)。
4.(Orch OR)調節された客観的収縮
 意識(この論文)。自己収縮。マイクロチューブルにおける量子重力的しきい値がMAPsなどによって調節される。

 「現在の物理学は、なぜ、どのようにして波動関数の収縮「R」が起こるのかを明確に説明することができないと断言してよいだろう。1930年代を通して、実験的あるいは理論的な証拠に基づく物理学者たち(たとえば、シュレーディンガー、ディラック、フォン・ノイマンその他)の考えは、量子力学におけるコヒーレントな重ね合わせは、時間的にはいつまでも続きうるというものだった。したがって、原理的には、ミクロなスケールからマクロのスケールまで重ね合わせが維持されうると考えられた。あるいは、意識を持つ観測者によって観測が行なわれ、その結果波動関数が収縮するまで、重ね合わせは維持されると考えられた。このような波動関数の収縮を、主観的収縮、「SR」(subjective reduction)と呼ぼう。「RS」の考え方によれば、マクロな物体でさえ、もし観測されないまま放っておかれれば、重ね合わせの状態のままでいることになる。このような考えがいかに馬鹿げているかを示すために、エルヴィン・シュレーディンガーは、有名な「シュレーディンガーの猫」の思考実験を提出した。つまり、観測者が箱を開けて見るまで、中の猫は死んでいる状態と生きている状態の重ね合わせ状態にとどまっているという常識では受け入れがたい結論だ。
 このような困った状況を避けるために、客観的な基準による波動関数の収縮(客観的収縮、「OR」)のメカニズムが最近になって提案されている。このようなメカニズムに基づくと、重ね合わせられた状態は、時間発展して、やがてしきい値に達し、そこで波動関数の収縮、すなわち「OR」が、急速に起こる。これらのメカニズムのうちのいくつかは、重力の効果が「OR」を引き起こすとしている。」

(以下、p.139の図1(波動関数の収縮メカニズムの分類)を元に、意味を変えずに記載し直してある。)
1.(U)波動関数の時間発展(シュレーディンガー方程式)
 量子的コヒーレントな重ね合わせ。収縮は起こらない。
2.(R、SR)収縮、主観的収縮
 通常の量子力学(コペンハーゲン解釈)。環境との巻き込み観測。意識を持つ観測者による観測。
3.(OR)客観的収縮
 新しい物理学(Penrose 1994)。自己収縮。量子重力によって引き起こされる(Penrose,Doisi他)。
4.(Orch OR)調節された客観的収縮
 意識(この論文)。自己収縮。マイクロチューブルにおける量子重力的しきい値がMAPsなどによって調節される。
(ロジャー・ペンローズ(1931-),『影への疑念を超えて』(日本語名『ペンローズの量子脳理論』),意識は、マイクロチューブルにおける波動関数の収縮として起こる,2 時間と空間:量子力学とアインシュタインの重力理論,徳間書店(1997),pp.137-139,茂木健一郎(訳))
(索引:量子力学,意識,観測,主観的収縮,客観的収縮)

ペンローズの量子脳理論―21世紀を動かす心とコンピュータのサイエンス (Naturaーeye science)


(出典:wikipedia
ロジャー・ペンローズ(1931-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「さらには、こうしたことがらを人間が理解する可能性があるというそのこと自体が、意識がわれわれにもたらしてくれる能力について何らかのことを語っているのだ。」(中略)「「自然」の働きとの一体性は、潜在的にはわれわれすべての中に存在しており、いかなるレヴェルにおいてであれ、われわれが意識的に理解し感じるという能力を発動するとき、その姿を現すのである。意識を備えたわれわれの脳は、いずれも、精緻な物理的構成要素で織り上げられたものであり、数学に支えられたこの宇宙の深淵な組織をわれわれが利用するのを可能ならしめている――だからこそ、われわれは、プラトン的な「理解」という能力を介して、この宇宙がさまざまなレヴェルでどのように振る舞っているかを直接知ることができるのだ。
 これらは重大な問題であり、われわれはまだその説明からはほど遠いところにいる。これらの世界《すべて》を相互に結びつける性質の役割が明らかにならないかぎり明白な答えは現れてこないだろう、と私は主張する。これらの問題は互いに切り離し、個々に解決することはできないだろう。私は、三つの世界とそれらを互いに関連づけるミステリーを言ってきた。だが、三つの世界ではなく、《一つの》世界であることに疑いはない。その真の性質を現在のわれわれは垣間見ることさえできないのである。」

    プラトン的
    /世界\
   /    \
  3      1
 /        \
心的───2────物理的
世界         世界


(ロジャー・ペンローズ(1931-),『心の影』,第2部 心を理解するのにどんな新しい物理学が必要なのか,8 含意は?,8.7 三つの世界と三つのミステリー,みすず書房(2001),(2),pp.235-236,林一(訳))

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2018年1月12日金曜日

一般相対性理論は、宇宙論、天体物理学、重力波やブラックホール研究の基礎であり、量子力学は、原子物理学、核物理学、素粒子物理学、物性物理学など多くの分野の研究基礎となっている。ところが、この二つの理論は、いまだ統一されていない。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))

一般相対論と量子力学

【一般相対性理論は、宇宙論、天体物理学、重力波やブラックホール研究の基礎であり、量子力学は、原子物理学、核物理学、素粒子物理学、物性物理学など多くの分野の研究基礎となっている。ところが、この二つの理論は、いまだ統一されていない。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))】
 一般相対性理論は、宇宙論、天体物理学、重力波やブラックホール研究の基礎である。一方の量子力学は、原子物理学、核物理学、素粒子物理学、物性物理学をはじめ、多くの分野の研究基礎となっている。ところが、一般相対性理論の重力場は、「量子化された場(量子場)」を想定していない。一方、量子力学は「時空間は曲がる」という点を無視して定式化されている。
 「わたしたちが現代物理学から得ている豊かな知識の中心には、どこか矛盾した要素が潜んでいる。一般相対性理論と量子力学という、二〇世紀の物理学が遺した二つの宝は、世界を理解するうえでも、今日のテクノロジーを成り立たせるうえでも、計り知れない恵みをわたしたちにもたらした。一般相対性理論は、宇宙論、天体物理学、重力波やブラックホール研究の基礎である。一方の量子力学は、原子物理学、核物理学、素粒子物理学、物性物理学をはじめ、多くの分野の研究基礎となっている。
 しかし、二つの理論を並置すると、周囲には不協和音が響きわたる。少なくとも、現今の形式においては、二つの理論のどちらもが正しいということはありえない。なぜなら、一般相対性理論と量子力学のあいだには、明白な矛盾が認められるからである。一般相対性理論の重力場は、量子力学を考慮に入れずに記述されている。つまり一般相対性理論は、「量子化された場(量子場)」を想定していない。量子力学はというと、「時空間は曲がる」という点を無視して定式化されている。量子力学の扱う空間に、アインシュタインの方程式は当てはまらない。」
(カルロ・ロヴェッリ(1956-)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第3部 量子的な空間と相関的な時間、第5章 時空間は量子的である、p.144、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))
(索引:一般相対性理論、量子力学)

すごい物理学講義


カルロ・ロヴェッリ(1956-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)
(出典:wikipedia
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