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2020年3月27日金曜日

ある現象のなかで実現する可能性のある、互いに区別可能な状態の総数は、有限個である。従って、その現象について私たちが所持していない情報の量も、有限である。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))

情報は有限である

【ある現象のなかで実現する可能性のある、互いに区別可能な状態の総数は、有限個である。従って、その現象について私たちが所持していない情報の量も、有限である。(カルロ・ロヴェッリ(1956-))】
【情報は有限である】
「ここで、ひとつ想像してみてほしい。あなたは、ある物理現象の計測を行い、その現象がどのような状態にあるかを突きとめようとしている。たとえば、振り子の振り幅を計測して、五センチと六センチのあいだであることが分かったとしよう(物理学ではどんな計測も、完璧に正確であるということはありえない)。量子力学が確立される以前は、五センチと六センチのあいだに、振り幅が取りうる値は無限に存在していた(たとえば、5.1センチであったり、5.101センチであったり、5.101001センチであったり……)。したがって、振り子の動きには「無限」の可能性が存在することになる。振り子に関するわたしたちの無知もまた、文字通り「無限」の状態にあるわけである。
 一方で、量子力学はわたしたちにこう教えている。五センチと六センチのあいだで、振り幅が取りうる値の数は「有限」である。だから、振り子についてわたしたちが所持していない情報の量もまた、「有限」であるといえる。
 この議論はあらゆる文脈に適用できる。つまり、量子力学の第一の重要な意義は、ある現象のうちに存在する「情報」の総量に限界を設けたことにある。ここでいう「情報」とは、「ある現象のなかで生じうる、たがいに区別可能な状態」を指している。自然の奥底に潜む粒性が、「無限」にたいして「限界」を設定する。デモクリトスが洞察したこの粒性こそ、量子論を支える第一の側面である。このような粒性があらわになる極小のスケールは、プランク定数hによって規定されている。」
(カルロ・ロヴェッリ(1956)『現実は私たちに現われているようなものではない』(日本語名『すごい物理学講義』)第2部 革命の始まり、第4章 量子――複雑奇怪な現実の幕開け、pp.130-131、河出書房新社(2017)、竹内薫(監訳)、栗原俊秀(訳))
(索引:情報は有限である)

すごい物理学講義 (河出文庫)



カルロ・ロヴェッリ(1956-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)
(出典:wikipedia
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