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2018年7月28日土曜日

心身問題。(マイケル・S・ガザニガ(1939-))

心身問題

【心身問題。(マイケル・S・ガザニガ(1939-))】

(a) M1からM2にはどうやって移ったのか?
 時間1 物理的状態P1 精神状態M1
  ↓    ↓     ↓
 時間2 物理的状態P2 精神状態M2

(b) 精神状態は脳内のプロセスから生じるとすると?
 時間1 物理的状態P1⇒精神状態M1
  ↓    ↓
 時間2 物理的状態P2⇒精神状態M2
 これだと、精神活動は何の仕事もしていないことになる。しかし、これが事実であろう。「実行された一連の行動は意志的な選択のように見えるが、実は相互に作用する複雑な環境がそのとき選んだ、創発的な精神状態の結果なのだ。」

(c) M1が直接M2を生成するならば?
 時間1 物理的状態P1 精神状態M1
  ↓    ↓     ↓
 時間2 物理的状態P2 精神状態M2
 それでもなお、物理的状態と精神状態は並行して同期しているのか?

(d) M1はP2を手引きしてM2に影響を与えているのだろうか?
 時間1 物理的状態P1⇒精神状態M1
  │    │┌────┘
  ↓    ↓↓
 時間2 物理的状態P2⇒精神状態M2
「下向きの因果関係は私たちを惑わせるだろう」。

 「ある精神状態が出現したら、そこに下向きの因果関係は存在しているか。思考はその製造元である脳を制約することがあるのか。全体は部分を制約するか。いずれもこの業界では100万ドルの価値がある古典的かつ重要な問題だ。これはよく次のように表現される。時間1において、物理的状態P1が精神状態M1を生みだすとする。そこから少しだけ時間が経過した時間2には、別の物理的状態P2があり、それが精神状態M2を生みだす。M1からM2にはどうやって移ったのか?
 これが難問だ。精神状態は脳内のプロセスから生じるわけだから、脳の関与なしにM1が直接M2を生成することはないだろう。P1からP2、さらにM2になったのだとしたら、精神活動はただのひやかしで、何の仕事もしていないことになる。それでは誰も納得しない。下向きに制約をかけるプロセスにおいて、M1はP2を手引きしてM2に影響を与えているのだろうか? これは難問だ。」(中略)
 「行動の道筋を定める作業は自動的かつ決定論的だ。それをある時点でモジュール化して推進するのはひとつの物理系ではなく、数百、数千、いや数百万の物理系である。実行された一連の行動は意志的な選択のように見えるが、実は相互に作用する複雑な環境がそのとき選んだ、創発的な精神状態の結果なのだ。内外で生まれる相補的な要素が行動を形づくっている。脳という装置はそうやって動いているのである。下向きの因果関係は私たちを惑わせるだろう。ジョン・ドイルが言うように、「原因はどこにある?」とつい探りたくなる。しかし実際は、つねに存在しているいくつもの精神状態と、外からの文脈の影響力がぶつかりあっているなかで、脳は機能している。そのうえで、私たちのインタープリターは「自由意志で選択した」と結論づけているのである。」
(マイケル・S・ガザニガ(1939-),『「わたし」はどこにあるのか』,第4章 自由意志という概念を捨てる,紀伊國屋書店(2014),pp.175-177,藤井留美(訳))
(索引:心身問題)

〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義


(出典:scholar google
マイケル・S・ガザニガ(1939-)の命題集(Collection of propositions of great philosophers)  「私たちは、人類共通の倫理が存在するという立場に立って、その倫理を理解し、定義する努力をしなければならない。信じ難い考え方であるし、一見すると荒唐無稽にも思える。だが、他に手立てはない。世界について、また人間の経験の本質について、私たちが信じていることは実際には偏っている。また、私たちが拠り所にしてきたものは過去に作られた物語である。ある一面では、誰もがそれを知っている。しかしながら、人間は何かを、何らかの自然の秩序を信じたがる生き物だ。その秩序をどのように特徴づけるべきかを考える手助けをすることが、現代科学の務めである。」
(マイケル・S・ガザニガ(1939-),『脳のなかの倫理』,第4部 道徳的な信念と人類共通の倫理,第10章 人類共通の倫理に向けて,紀伊國屋書店(2006),p.214,梶山あゆみ(訳))
(索引:)

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