筋骨格系
【感情が引き起こす身体変化のうち筋骨格系は、視床下部が、他の辺縁系からの入力情報を横紋筋の収縮へと伝えることで迅速に起こる。特に顔面の変化は、文化によって変わらず、役割取得に重要な役割を果す。(ジョナサン・H・ターナー(1942-))】筋骨格系
(1)視床下部
(a)視床下部が、他の辺縁系からの入力情報を横紋筋の収縮へと伝える。
(2)横紋筋
(a)横紋筋は、自律神経系の平滑筋よりもより敏捷に反応するので、その刺激と関係する感情興奮ならびにその収縮からのフィードバックは迅速である。
(b)個人の最初の役割取得は筋骨格系、とくに顔の筋肉からの信号を頼りにしている。顔の原基的感情反応は文化によって変わるということがない。なぜなら、人間はことごとく顔面に設定された同一の筋肉構成をもっているからである。そして横紋筋の刺激は速やかに働く。
「筋骨格系は身体運動を指令する骨格構造を制御する横紋筋の刺激に関与する。この系で働く基礎過程は図4-5に略図化されている。ここでも、視床下部が他の辺縁系からの入力情報を横紋筋の収縮へと伝える際にとくに重要である。そして横紋筋は自律神経系の平滑筋よりもより敏捷に反応するので、その刺激と関係する感情興奮ならびにその収縮からのフィードバックは迅速である(Le Doux 1996)。事実、個人の最初の役割取得(および、意図的か意図的でないかにかかわらず、役割づくり)は筋骨格系、とくに顔の筋肉からの信号を頼りにしている。エクマン(Ekman 1982,1992b)と同僚たちが検証しているように、顔の原基的感情反応は文化によって変わるということがない。なぜなら、人間はことごとく顔面に設定された同一の筋肉構成をもっているからである。そして横紋筋の刺激は速やかに働く(ミリ秒単位で)。さらに、神経伝達物質は筋肉収縮に関与しているので、顔の表情の読解は筋骨格系と神経伝達身体系の両方を対象にしていることになる。」
(ジョナサン・H・ターナー(1942-)『感情の起源』第4章 人間感情の神経学、p.141、明石書店 (2007)、正岡寛司(訳))
(索引:筋骨格系)
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(出典:Evolution Institute)
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(ジョナサン・H・ターナー(1942-)『社会という檻』第8章 人間は社会的である、と考えすぎることの誤謬、pp.276-277、明石書店 (2009)、正岡寛司(訳))
ジョナサン・H・ターナー(1942-)
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