普遍的学問の必要性
【理性の諸原理と本源的な諸経験とを含む「普遍的学問」を基礎に集成された、あらゆる有用なものを導き出すための公共の宝庫である「百科全書」が、人類の幸福のために重要である。(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716))】(1)理性の諸原理と本源的な諸経験とがそこに含まれている、一種の「普遍的学問」が必要である。
(2)次に、普遍的学問を基礎に、あらゆる有用なものを導き出すために十分な、諸々の「真理」の秩序づけられた集成、すなわち一種の「百科全書」を作成すること。これは、あらゆる素晴らしい発見や観察が運び込まれうるような公共の宝庫にも等しいものとなるだろう。
(3)全知識の膨大さに比べ、一人の人間の人生は短く、また精神的にも弱い。しかし、人間は共同体に希望を託すことができ、人類の幸福のためには、これら普遍的学問と百科全書が重要である。
「しかし、これらの学問をすべて知ることが人間にとって重要であるとか、また、それらをひとりひとりが認識しなくてはならないとか、考える必要はない。なぜなら、生命の短さや、学ぶべきことの多さ、そして人間「精神」の弱さのために、それらに応じて節約が追求されるべきだからであり、また「神」の恩寵のうち非常に大きな二つのもの、つまり、事物の探究において重荷を軽減する方向に自らを動かす人間の共同体と、忘却から認識されたものが一度に呼び起こされうるようにする文字の記録とが用いられるべきだからである。」(中略)「一種の「百科全書」、つまり、諸々の「真理」の秩序づけられた―――それが可能であるかぎり、そこからあらゆる有用なものを導き出すために十分なものの―――集成を作成することが、人類の幸福のために重要であることがここから帰結する。そして、そのような百科全書は、あらゆる素晴らしい発見や観察が運び込まれうるような公共の宝庫にも等しいものとなるだろう。しかし、そのような発見や観察の量は非常に大きいものとなるだろうから、それらのものがとくにその量に比例して国家と自然との研究のために役立つとはいえ、理性の諸原理と本源的な諸経験とがそこに含まれている一種の「普遍的学問」が必要となる。」
(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『百科全書あるいは普遍学のための予備知識』、ライプニッツ著作集10、pp.216-217、[松田毅・1991])
(索引:普遍的学問、百科全書)
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(出典:wikipedia)
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(ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)『形而上学叙説』九、ライプニッツ著作集8、pp.155-156、[西谷裕作・1990])
ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)
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